Re: しあわせの花(ハヤヒナ)【第7話更新】 ( No.42 )
日時: 2011/12/10 00:12
名前: ロッキー・ラックーン

こんにちは、ロッキー・ラックーンです。
今回から、時系列を1話以前に戻してヒナ目線でやります。
しばらくヒナ編を続けるつもりで、タイトルもちょっと付け加えちゃったり…。
それではどーぞ!


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白皇学院生徒会長――桂ヒナギクはたまに…いや、毎日思っている。

ああ…どうして私は…あの人の事が好きなんだろう…?

惚れた方が負けとはいえ…
夜…家の庭先で、"女装して"女の子と抱き合うような男の子の事を、どうして自分は好きになってしまったんだろう?

しかも…!!
なんでそんなに…似合ってんのよ、女装が!!!



     しあわせの花 -Heart of Daisy-
     第1話【 Output 】



改めまして皆さんこんにちは、桂ヒナギクです。
そう、ここ最近の悩み…皆さんご存知、綾崎ハヤテ君の事。

16歳の誕生日に、自分は彼が好きだと気付いて以来、半年も経ってしまったけどいまだ何の進展も無い。
この半年間、彼との間には様々な事件が起きた。本当に、あり得ないくらいの頻度と濃密さで。
旅行をしたり、命を懸けた冒険をしたり、一緒に住んだり、子供分(て言えば誤解が無いわね?)が出来たり…。
それでも、私は想いを告げずに彼が告白してくるのを待っている状態のままだ。

…多分、このまま一生待っても「告白される時」というのは来ない。
この半年で得たものと言えば、この確信くらいがせいぜいだ。

なら自分から行けばいい?さすが読者の皆さん、鋭いわね…
まあこれも答えが既に出てる。「それが出来れば苦労は無い」だ。

「ありがとう」が言えない。
「ごめん」が言えない。
目を合わせられない。
想いを込めた言葉が届けられない。

…要するに、「綾崎ハヤテに恋する桂ヒナギク」をアウトプットする事が出来ないのだ。
はぁ…我ながらなんて滑稽な「恋する乙女」かしら。

♪〜♪〜

と、ネガティブ街道まっしぐらになっている私に一通のメールが届く。

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【西沢 歩】
件名:たすけて〜!

ヒナさん、宿題が分からないよ〜
おヒマだったらどうかお力添えを〜!><;
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「歩…まったく、しょうがないわね〜」


口ではそう言いつつも、このメールはとてもありがたかった。
たまの休みの日をこんな鬱屈とした思考を巡らせて終わるなんて、まっぴらごめんだからだ。
勉強ついでに、彼女と何か出来ればと思った。多分向こうもそう思っている事だろう。


「いつものとこね…っと!」


1時間後にいつも会う時に使っている喫茶店を指定。
最寄駅まで5分、電車が待ち時間合わせて15分、そこから喫茶店まで3分…
身だしなみを整えるのに30分以上の余裕がある。
それだけの時間があれば泣いていた顔を洗う事も出来る。
さて、気分を入れ替えて出かける用意をしなくっちゃ!



・・・



「この問題は、アルファがベータをカッパらってイプシロンすれば良いワケ」

「なるほど!ヒナさんの説明は分かりやすいな〜」

「もう、お世辞はいいから…じゃあ、次の問題からは自分でやってみて」

「ハイ、ヒナ先生」


場面は変わって喫茶店。
歩の宿題に関しては特に問題は無さそう。
解き方のコツさえ教えてしまえば後は自分でやり遂げる力が備わっているようだ。


「出来た〜!ヒナさん、見てみて」

「はい、どれどれ…うん、出来てるわね」

「アハハ、ヒナさんのおかげですよ」

「それなら良かったわ」


用事である宿題は片付いた。
さて、これからどうしようかしら…


「ヒナさん」

「はい?」

「もしこれからヒマでしたら…カラオケにでも一緒に行きませんか?」

「カラオケ?良いわね〜、行きましょう!」


私が言う前に歩からのお誘いだ。
これはまたありがたい。


「やった〜!ヒナさん、少し元気無さそうだから…歌って発散しましょう!」

「あれ…やっぱり、そう見えるかしら…?」


特に顔に出していたつもりは無いし、歩に呼ばれた事でだいぶ気が紛れていたと思ってたけど…
歩はそういう所がやけに鋭い。


「そうですよ〜。…よし!マスター、チョコレートパフェふたつお願いしまーす!」

「は〜い!」

「え?歩!?」

「とりあえず甘いもの食べて、愚痴こぼしてから行きましょう!宿題のお礼ってコトで…」

「んもう、勝手に注文して…」

「ヒナさんも好きでしょ、パフェ」

「それは…」

「なら決定!早く来ないかな〜♪」


私は歩のこういう多少強引な所は好きだ。
素直になれない私が、気付いたら自然体でいられるような雰囲気が出来ている。
だから彼女の前では自分を飾らない、強がらない。
きっと、私が男だったら歩にメチャクチャ惚れ込んでたと思う。


「はい、お待たせしました。お嬢さんたち、いつも可愛いからサービスね〜」

「「うわぁ…」」


マスターのおじさんが持ってきてくれたパフェは、なんともゴキゲンなボリュームだった。
私も甘いものは大好きだけど、こんなに食べられるのかしら…?
ちなみに、歩は目をキラキラと輝かせてそのパフェに見惚れている。


「あ、ありがとうございます…」

「フフフッ、ごゆっくり〜」スタスタ

「ヒナさん聞いた?『可愛いから』だってよ!ちくしょ〜、『たち』って言ってもきっと私はヒナさんのついでなんだろうな〜!ま、いっか。いただきま〜す!!」

「い、いただきます…」


セリフとは裏腹なゴキゲン具合がまた可愛いわね…。
パフェに夢中で食らいついている歩を見ていたら、なんか自分の悩んでいる事がどうでも良く思えてきた。


「ムグムグ それでヒナさん…モゴ 悩みはモグモグ ハヤテ君の事かな?」

「歩、行儀が悪いわよ…。まあ、そうだったんだけど…どうでも良くなっちゃったわ」


パフェを食べる手を休めて答える。
この感覚は、あきらめというよりは立ち直りに近いと思う。
何も話していないのに、妙に心が軽くなった気がする。


「ふぇん?モグモグ」

「恋の悩みも、甘いものの前では取るに足らないってコト!さ、食べるわよ〜♪」


休めていた手と口をフル稼動させてパフェに食らいつく。
ん〜♪やっぱり甘いものは最高ね。



・・・



「「ごちそうさまでした〜!」」


食べ切れるか心配になる位の量だったけど、案外あっさりと食べられてしまうものだ。
これで今度は私の体重がゴキゲンな事に…いけないいけない、せっかくのお休みにそんなつまらない事考えちゃダメね。


「いやぁ〜、幸せですねヒナさん」

「フフッ…そうね」

「では、甘いものも食べましたし、カラオケに馳せ参じるとしましょう!」

「うん!」


結局、喫茶店代は全部歩のおごりとなった。
呼んで貰って気晴らししてくれたのに加えてご馳走までしてもらうのは気が引けたけど、彼女の「どうしても」の言葉に、ありがたく甘えさせてもらう事にした。

ところでカラオケ屋さんへの道中で少し思ったのだけど、二人で歌うとなるとローテーションがかなりキツくなるんじゃないかしら?
普段あまりカラオケには行かないし、行くとしてもあの子たち(美希・泉・理沙)とだとか、生徒会(愛歌さん・ハル子他多数)とか、人数はいつも結構なものになる。
まあ歩と一緒だし、逆に二人で気楽なカラオケになって新鮮で面白いかもしれないわね…


「さあ、着きましたよ!」

「そうね」


着くやいなや、手馴れた感じで受付をする歩。
聞いた所だと、よくナギと二人で歌いに来るらしい。
とりあえず店選びから何から、全てお任せしてしまった。


「あれ?ヒナギクさん?」

「!! ま、マリアさん!?」


受付する歩をボーっと待っていた私に声をかけたのは、アパートの隣人でナギのメイド、皆様憧れのご存知マリアさん。
ほとんど見た事が無い私服姿だったので、かけられた声と姿に一瞬、整合性が取れなくて驚いた。


「ヒナギクさんもカラオケですか?」

「ええ、歩と…」

「あら、西沢さんとお二人ですか〜」


少し離れた歩を指し示す。
マリアさんは一体誰と…?
もしかしてハヤテ君もいるのかな…?


「マリアさんはどなたと一緒なんですか?」

「私は一人ですよ」

「えっ!?」


完全に想定外の答えに声が出てしまった。
いやいや、一人カラオケだって立派な趣味の一つ。
失礼の無い振舞いをしなくちゃ!


「あっ、スミマセン…ちょっと意外でしたので…。良く来られるんですか?」

「はい、最近ハマっちゃって。お休みの日は結構来ますよ」

「そうなんですか〜」


マリアさんの意外な一面が見えてビックリ。
そういえば、「マリアさんは歌ってもスゴイ」とハヤテ君が言っていた覚えがある。
せっかくだし、誘ってみようかしら…


「あ、あの!」

「はい?」

「良かったら私たちもマリアさんとご一緒してもいいですか?」

「え?せっかくお二人の所に私がお邪魔しちゃってよろしいんでしょうか?」

「お邪魔だなんてそんな!せっかくここでお会い出来たんですから…」

「そうですね…では、お言葉に甘えてご一緒させて頂きます♪」


やった。
そうとなれば早速、歩に三人での受付をお願いしに…


「では、お二人とも私の使ってるお部屋に来てください。西沢さんのキャンセルと人数追加の手続きは私がしておきます」

「へ?」

「はい、ですから私の使ってるお部屋にどうぞ。303号室です」

「『使ってる』って…マリアさんは今来られたんじゃないんですか?」

「いえ、ちょっと休憩にと思って出てたんですよ。…私はもうかれこれ3時間程前からいますよ?」


なんとー!
趣味の力というのはスゴイわね…


「そ、そうなんですか。分かりました。歩ー」

「なんですか〜、ヒナさん…あ、ナギちゃんのメイドさんの…」

「こんにちは♪」


歩に事に経緯を説明して、晴れて三人で女子会の開催とあいなった。



303号室・・・



「マリアさんの歌、楽しみだな〜」

「西沢さんの歌も、この間ナギが褒めてましたわよ?」

「私、カラオケはあんまり来ないから…」

「大丈夫、ヒナさんなら歌っても最強ですよ!」


さてさて始まりました、カラオケ女子会。
スタートを飾るのは、やっぱり歌ってもすごいマリアさんの歌声。


「♪〜♪〜」


スゴイ…雰囲気に飲み込まれていくと言うか…私の語彙(ごい)にこのスゴさを表現するにふさわしい言葉が見つからない。
天は二物も三物も与えるのね…(←「ヒナギクさんだってそうですよ〜」ハヤテ談)


「ふ〜。お粗末さまでした」

「マリアさんスゴイです!プラ●トの歌姫というか…コロニーの一つや二つ乗っ取れるんじゃないかな」

「私も…感動しました」

「フフッ、お二人とも褒めても何も出ませんよ♪」


♪〜


「おっ、次は私だね〜!いきま〜す!!」


二番手は歩。
ノリの良いイントロで聴いてるこっちも楽しくなっちゃうわね。


「♪♪〜」


ウソ…歩ってこんなに歌うの上手いんだ…。
それと歌唱力もさることながら、スゴイ歌詞の曲を歌うのね…。


「うひゃ〜!やっぱカラオケって超楽し〜!!」

「西沢さんの歌声もステキですね。数多く存在する私設の親衛隊が公式ファンクラブの座を巡ってバトっちゃう位ステキでした」

「この歌はよく分からないけど…上手いわね…」

「いや〜、やっぱ歌はメッセージがストレートで熱い方が良いですよね〜」


♪〜


そして三番手は残った私。
こんな上手い二人に見られちゃって恥ずかしいわね…


「♪〜〜」


うう、恥ずかしい。
…でも、好きな歌を思いっきり歌うのはやっぱり気分が良いわ。


「終わりです///」

「ヒナさん歌じょうず!!」

「ええ、ステキでしたね。私たちを差し置いてフルアルバムを二つも出すだけの事はありますね…」


ちょっと褒めすぎ…///
マリアさんの言ってる事も良く分からないし。(HiNA2もヨロシクね!)
でも、やっぱり気持ち良い!気分もノッてきたわ!!


「さぁ〜て、一回りしてウォーミングアップも終了ね。ドンドン歌いましょ〜!!」

「「オー!」」


こうしてカラオケ女子会は夜まで続くのだった。



・・・



「じゃあヒナさん、マリアさん、私はこっちなので…」

「お気をつけて〜」

「またね、歩!」


アッという間に楽しい時間は終わり、同じアパートのマリアさんと二人で帰路につく。
そういえば同じアパートに住んで結構たつけど、マリアさんと二人になるのは初めてだ。


「西沢さん、素敵な方ですね」

「はい、私にはもったいない位の…大切な友達です。明るくて、前向きで、素直で、強くて…私が持ってない所をたくさん持ってて…『私もあんな風になれたらな』って、いつも思ってます」


私が歩について思っている事を他人に話すのは多分これが初めてだ。
私にとって歩は、友達であると同時にライバルでもあり、何より憧れの存在であると言える。
ナギやあの子たちは「ごくごく普通の子」と言っているけど、とんでもない。
私の超えられない壁を自然体で超えている超人と言って良い。


「『あんな風に』ですか…ヒナギクさんも十分魅力的な女性だと私は思いますよ?しいて言えば、もう少しだけご自分をさらけ出した方が、鈍感な彼も貴女の気持ちに気付いてくれると思いますが…」

「なっ、何でそこでハヤテ君が出て来るんですか!?私は別に…」

「あらあらうふふ、私は『ハヤテ君』とは一言も言っていませんよ?」

「あ゙っ…」


しまった、自爆した。
ど、どうやって誤魔化そう…


「いえ、私は、その…」

「ハヤテ君に…『自分はヒナギクさんに嫌われてるんじゃないか』って、よく相談されるんです。もちろん、私にはそうは見えません…でもやっぱり、思ってる事って口にしないと伝わらないって思うんです」

「……」


私はマリアさんの言葉に黙ってうなづく。
確かに、私はハヤテ君の事をいつも考えるけど、その姿は私の脳内で勝手に作り上げたイメージに過ぎない。
私の中で勝手に「彼は私が好きじゃない」だとか「彼は私には無関心」だとかネガティブな事を考えてばかり。

きっと、ハヤテ君もそう。
私が想いを伝えない…少なくとも「嫌ってるだなんて、気のせいだ」と言わないから、彼の中で勝手に私のイメージが作り上げられてしまう。
どんなに想っても、恋焦がれても、それを伝えなければ意味が無いんだ。


「ですから、ヒナギクさんがハヤテ君に対して思ってる事を…少しだけで良いんです。伝えてあげてみたら良いんじゃないでしょうか?」

「…はい」


少しだけ…「綾崎ハヤテに恋する桂ヒナギク」じゃなくても良い。とりあえず。
「ただの桂ヒナギク」からもっとハヤテ君にアウトプットする事から始めてみよう。
一番いけないのは、自分なんかダメだと思い込む事…私なら出来る!やってみせるわ!!


「マリアさん、ありがとうございます。少し勇気が出てきました」

「うふふ、どういたしまして」

「あ、でも私がハヤテ君を好きな事は…」

「大丈夫です。それは、ヒナギクさんがハヤテ君に直接伝えなければならない事ですから♪」


ニコリと微笑みかけてくれるマリアさん。ホントに大人なのね…。
ますます憧れちゃうわ。

こうして、鬱屈した休日は親友と先輩によって素敵な一日に変わったのだった。



・・・数日後



「あら…降ってきちゃったわね…」


生徒会の仕事で一人居残りをしていた夕方。
朝の快晴だった空とは打って変わって、どんよりとした暗い空に強めの雨が降っている。
幸いな事に、大きめの傘を持って来ているので濡れる心配無く帰れるけど。


「さて、コレでお終いね」


書類を棚にしまって、足早に下校する。
いくら傘を持ってるとはいえ、ゆっくり歩いていると足元が濡れてしまうから、普段よりも早足で歩く。


「…あら?」


白皇学院の時計塔から校門までは結構な距離がある。
その道のりには校舎があり、ホールがあり、食堂や図書館がいくつもあり、広場があって雨宿りの出来る東屋がありと、他にも数多くの設備が存在する。
なぜいきなりそんな説明をしたかって?
私の視線の先の東屋に見慣れた人影があったからだ。

その人影の正体は…言うまでもなく綾崎ハヤテ。私の想い人。
ずぶぬれになって、その片手にはノートらしきものを持っている。
おおかた、ナギの忘れ物を傘も持たずに取りに来たのだろう。

これはまたとないチャンスじゃないかしら…
少しずつで良い。私の事をもっとハヤテ君に伝えよう!

深呼吸して高鳴る鼓動を落ち着かせ、私は彼のもとへと向かうのだった。


つづく


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【あとがき】

ハヤテ編第1話以前のヒナでした。
この雨の日が直接ハヤテ編1話に繋がります。
色々やりたい放題だったな〜。


■タイトル
"Heart of Daisy"…直訳で「雛菊の気持ち」…まんまですね。
キャラソンでは「ヒナギク=Flower」で通ってますけど、デイジーの方がしっくりくるのと、響きが好きなので…。

■タイトル前のモノローグ
29巻のヒナのモノローグをパクリました。
ルカとのエピソードに対してのヒナの言葉ですが、この物語でルカが出る事は多分ありません。

■ヒナ先生
ヒナの「アルファが…」のセリフはドラ●もんのパクリです。分かってくれる人がいたら嬉しい…
歩の学力がどの程度かは知りませんが、宿題を片付けるシーンに時間をかけたくなかったのでアッサリと。

■カラオケ女子会
「せっかくだからマリアさんも出して中の人ネタやっちゃえ〜」と勢いだけで書いたらこんな事に…
マリアさんはガン●ムSE●D、歩は銀●です。
HiNA2も発売まであと2週間切りました。めちゃくちゃ楽しみです。

■マリアさん
色恋沙汰は疎いはずのマリアさんでしたが、ヒナのアドバイザーになってましたね。
まあ、今回は「恋愛」というより「人付き合い」のお話だったからマリアさんも的確に話せたんだという理解でお願いします。


■桂雛菊にとっての西沢歩

今回はこの物語のヒナの中での歩という存在がどんなものなのかというのを表現するのに重点を置いたつもりです。
ヒナの中で、歩というのは「恋する乙女の理想」という存在です。
一度の成功・失敗をいつまでも引きずる、自分の思ってる事を言葉に出来ない、なぜハヤテが好きなのか分からないヒナは、
立ち直り・切り替えが早い、自分の気持ちを伝える強さを持つ、好きな人を想う自分を信じ続けられる、といった歩のメンタルに激しく憧れています。

憧れるが故に、歩自身のコンプレックスには気付けない。例えば、住んでいる場所がヒナの方が圧倒的に恵まれている状況である事とか、ハヤテが何かあるとすぐにヒナを頼っているのを羨んでる所とか…。
そういう事が分からずにヒナの脳内では「ハヤテを想う心」という点では、歩>自分という構図がヒナの頭の中で確定してしまうんです。
だから、なぜ自分がハヤテに恋してるのか分からなくなる時がある。自分の思ってる事なのに自信がグラつく。
ヒナ編では歩との心の通じ合い・成長の過程も出来たらと思っています。



まだ全然先が見えてませんが、ヒナ編はハヤテ以外との人間との交流から自身を見つめ直すヒナがメインになりそうな予感。
今回の歩・マリアさんに加えて、アリス、ナギetcと、絡ませたいキャラがたくさんいます。
まだまだしばらく続きますので、皆様お付き合いお願い致します。

ご感想・ご質問などお待ちしております。
ありがとうございました。