Re: 新世界への神話Drei 9月28日更新 ( No.62 ) |
- 日時: 2013/12/31 23:20
- 名前: RIDE
- 参照: http://soukensi.net/perch/hayate/subnovel/read.cgi?no=23
- こんばんわ。
チャット会やりながらの更新です。
また大分間が空いて、13年最後の更新となりました。 すみません。
それでは、どうぞ
7 話は少し遡る。
「ここが第三の間だな」
ハヤテたちに遅れながらも、雷矢たちは天の間に着いた。
「どうなってんだ、ここは…?」
真っ先に光が抱いた感想がそれである。開け放たれた門から青白い光が眩しく発しており、中の様子が全く見えない。
「入ってみればわかるわよ」
海は堂々と天の間へと歩き出す。しかし、いざ天の間内へ入ろうとした時、何か見えない力に押し返され、彼女は軽く悲鳴を上げて尻餅をついてしまう。
「海ちゃん、大丈夫?」 「平気よ」
心配そうに光が見ている中で、海は何事もなかったかのように立ちあがってスカートについた砂埃を払う。
「どうやら、ここを訪れた方々を中に入れないようですね」
風は思慮深く天の間を見ていた。自分たちの様な侵入者に対するセキュリティなのかはわからないが、天の間を前にして足が止まってしまうのは確かだ。
「それだけじゃない」
更に雷矢は、三人が驚くことを見抜いていた。
「この天の間の中は、異空間に繋がっている」
光たちが目を見張った中で、雷矢は天の間の門を指差した。その先に、普段ではありえないものを目にした。
なんと、門の周辺が何か歪んでいるのだ。注視しなければ見落としてしまいそうなほど微かではあったが、あれは確かに空間のひずみであった。
光たちもその現象に見覚えがあった。それはセフィーロ城が侵攻された際のことだ。魔物やノヴァが、城内に侵入する際に出現した黒い球体。あれの周囲には放電が起こっていたし、球体自体あの場で何か見えない力によってねじ曲げられてできたようにも見えた。恐らくあの黒い球体は別の空間への出入り口となっているのだろう。
「確か俺たちより先に弟や三千院ナギたちが大聖殿に向かっていると聞いたが…。どうやら今この天の間であいつらが戦っているのだろう」
さて、どうしたものかと考えだす雷矢。
はっきり言って、ハヤテたちの戦いに興味はなかった。三千院ナギがスセリヒメであろうとなかろうと、自分には関係のないことだ。自分は自分の戦いをすればいい。
そう割り切ろうとしていた。しかし、それでも無視ができなかった。それに…。
「第一、ここを突破しなくては先へと進めないからな」
むこうがどんな気でいるかは知らないが、こちらの邪魔をしなければ手を貸してやってもいい。
「ともかく、この中へと入って黄金の使者を叩きのめさないとな」 「でも、どうやって中に入るんだ?」
光が肝心なことを問い質した。普通に入ろうとしても、海の時のようにまた弾き返されるのは目に見えている。異空間へ行くということが難しいのは彼女たちもわかり切っている。
しかし、雷矢はこれを困難とは捉えていなかった。
「簡単なことだ」
彼はライオーガと一体化し、必殺技の構えを取る。
「門の中に向けて、全パワーをぶつけて入り口を開ける!」
エネルギーを衝突させて、炸裂を起こして穴を開けようというのだ。ここで放ったエネルギーが異空間の中にも影響を及ぼす程の大きさならば、異空間へとつなげることができるのかもしれない。
「おまえたち、俺に続け!」
これから放つ技に集中力を高める中で、雷矢は光たちに呼びかける。
彼女たちが放つ攻撃魔法の威力は絶大だ。本人たちの心によって大きく左右されるが、雷矢の必殺技を超え、黄金の域に届くところまで来ている。それを三発、雷矢の必殺技と合わせて放てば、異空間に穴が開くであろう。
少女たちは両手の中に魔法を込め始める。光は真紅の電撃を帯びたエネルギー球を、海は渦巻く水を、風は竜巻を。
「いくぞ、雷凰翔破!」
自身の最大の必殺技を異空間へぶつける雷矢。彼に倣って、光たちも魔法を撃つ。
「紅い稲妻!」
光は超高温によってプラズマ現象を起こしたエネルギー球から電撃を。
「蒼い竜巻!」
海は大きく渦巻いている水を。
「碧の疾風!」
そして風は自身の唯一の攻撃魔法を放つ。三人各々の魔法は雷凰翔破と合わさるように門の中へと命中した。
その瞬間、凄まじい閃光が視界一杯に広がって目を眩ませ、凄まじい衝撃が霊神宮を大きく揺らした。光たちはその衝撃で倒れないように堪えている。
しばらくして揺れが収まり、再び目が利くようになってから光たちは天の間を見る。
中からは青白い光を発していたのだが、四人の攻撃によるエネルギーとの衝突でまるで虫に喰われたかのように大きな穴が開いており、そこから天の間内部へと進んでくださいと言っているような光景となっていた。
「やった!これで中へと入れる!」
今までは青白い光が眩しくて見えなかったのだが、自分たちが作った穴から中の様子がはっきりと目にすることができた。このことから、異空間へ繋がる入口がうまくできたことがわかる。
「状況はよくわからないが、異空間で戦っているんだ。余程の強い力が働いているということになる」
かなりレベルの高い戦いであろうことは容易に想像できる。そこへ、自分たちも割り込むのだ。自然と喉を鳴らしてしまう。
それでも、彼女たちに引く気はなかった。
天の間へと我先に歩き出した雷矢。光たちも彼に続くように、天の間の中へと入っていくのであった。
今年はここまで。 続きは来年で。
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