Re: 新世界への神話Drei ( No.4 ) |
- 日時: 2011/12/15 19:31
- 名前: RIDE
- 参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=7129
- どうも。
十二月という実感が湧きませんが、31巻がもうすぐ発売ということは認識しています。 必ず手に入れなければ。
さて、まずはレス返しから。
絶影さんへ
>どうも絶影です >まず、新スレおめでとうございます!!
ありがとうございます! このスレでも頑張っていきますよ!
>それでは感想の方に
>どうやら以前から書かれていた五年前の戦いのようですね >八闘士とエイジがスセリヒメと共に強大な闇と戦っていましたが苦戦 >このままでは世界が滅びてしまうということで >スセリヒメが特攻を仕掛け世界を救ったとのこと
大分省略すると、そういう話になります。 詳しい話を書くと、長くなるどころか、ハッピーエンドではないので。 外伝のようなものになりますから。
>霊神宮酷いですね >いくら自分の組織が大事だからといって >スセリヒメを捨て駒にするとは >だいたい失敗したら自分達もやられてしまうだろうが!と言いたくなりましたよ
当時の、そして今も霊神宮の大半はスセリヒメ等の大きな力に頼りっきりです。 スセリヒメと龍鳳は、力が強いだけでなく救いの存在としての伝説が大きすぎるので、失敗だなんてことは考えてはいない故に、ああいう態度となってしまったのです。
>スセリヒメは特攻の直前、弟の存在を口にしていましたが >その弟とは一体誰なのでしょうか?
この人物も、特にエイジにとっては重要な人物です。 彼らの過去の傷跡そのものといった状態で登場しますから。
>それでは次回の更新お待ちしております
お待たせしました。 楽しんでくれると嬉しいです。
銀さんへ
>ども!銀です!! >RIDEさん、新スレおめでとうございます!!
ありがとうございます! 銀さんは二回目の感想ですね。嬉しいです!
>では感想へ。 >これは五年前の戦いの事ですね
五年前については、今のところはこういう回想の仕方でしかふれることはないでしょう。 さっきも言いましたが、長くなりますので。
>霊神宮、肝心な時に手を差し伸べてくれないなんて酷いですね・・・ >人の命よりも組織の方が大事なのか!! >ふっざけんな!と叫んでしまいました。
霊神宮のトップは犠牲者を数字でしか知りませんから。 本当に腐りきっています、この組織は。
>スセリヒメの弟とは誰なのでしょうか!?
出番はほんの少ししかありませんが、とりあえず、生きているということは確かです。
>次回を楽しみにしています!
ご期待に添うものかどうかはわかりませんが、頑張りましたので、どうぞ!
風羅さんへ
>どうも!風羅です♪ >新スレおめでとうございます。 >久しぶりの感想となってすいません……。でもしっかりと見続けてはいましたので!
久しぶりの感想と祝いの言葉ありがとうございます! 感想はできるときで構いませんよ。でも、しっかりと見続けてくださって嬉しいです。
>とりあえず感想へ。 >まずは五年前の戦いの事でしたね。 >世界が滅びてしまう危険があってスセリヒメが決断して世界を救ったわけですか。
実は五年前の戦いというのはもうひとつあって、それが皆さん話題になっている弟が関わっているんです。 佳幸たちが傷ついたのは、この戦いがきっかけではありますが、それだけではないということです。
>霊神界も初めからスセリヒメを捨て駒にする気だったとは……。 >組織が大切なのは分かりますがそれは酷いと思いました。
この頃の組織は自分たちのことしか考えていなかったのです。 自分たちの組織を無傷で守りたいという思いがおおきかったんです。 後、先に述べましたがスセリヒメが神みたいな存在として崇められていること、当代が死んでも次代が選ばれるということが捨て駒という扱いをしてしまったんでしょう。
>命の犠牲より組織が大切とは……。 >つい叫びたくなってしまいましたよ……。
霊神宮の腐敗は皆様の怒りに触れていらっしゃったようですね。 このように逆鱗に触る組織を目指していましたので、書いた甲裴がありました。 叫ぶほどというのは少し驚きましたけど。
>そして最後にスセリヒメが呟いた弟の存在も気になります。
実は、第一スレの14話で既に登場している人物です。 その話では明記していませんが、今回でわかると思います。
>次回も楽しみにしています。 >ではまた♪
今回の話、楽しんで下さい♪
絶影さん、銀さん、風羅さん、感想ありがとうございました!
それでは、本編です!
第31話 拓く道
1 謎の少女、ノヴァとデボネアが現れてから日が経った。
二人のことは、花南から経由して佳幸たちにも伝わった。彼らは皆そのような存在がいることに驚愕していたが、ナギに関することは一言も口にしなかった。
だが彼らはそれぞれ決意をしていた。花南には、そのように見えたようだ。
そして、ある日のこと。
「よお、また来たぞ」
エイジは一人で、とある屋敷を訪れていた。スピリアルウォーズの前日に訪れてたあの屋敷に。
当然、彼の前には車椅子に乗った同年代の少年がいた。今も変わらず、植物状態の少年が。
「俺は元気・・・・とも言えないな」
前回は努めて明るく振るっていたが、今のエイジにはとてもそんな余裕はなかった。
「なにせ、色々なことが起こったからな・・・・」
ため息をついてしまうエイジ。それには、複雑な心情がたくさん含まれていた。
「なあ、俺がまたスセリヒメのために戦うって聞いたら、おまえはどう思う?夜光」
エイジは返答がないことがわかりつつも問い掛けられずにはいられなかった。
少年の名は、黒沢夜光。エイジたちと同じ時期に精霊の使者となり、先代のスセリヒメ、黒沢陽子の弟である。
五年前、黒沢陽子はスセリヒメに選ばれた。そして、同時期に精霊の使者となった佳幸たちと共に戦ったのだ。当時、こちらの世界には精霊やそれに関することで悪事を企む組織があったのだ。放っておけば、脅威となるほどの。
陽子や佳幸たちはこれと戦った。ちなみにエイジのウェンドランは、この戦いの最終局面 で誕生した。その果てに、何とか勝利を収めることができた。
しかしその代償は、陽子の命であった。しかも霊神宮は、スセリヒメを初めから捨て駒のように扱うことを考えていたのだ。これには佳幸たち、とくに陽子の弟である夜光は腹を立てた。陽子が誰からも愛されるような性格なだけにその感情はとても大きかった。
そして夜光は、霊神宮への復讐を企てた。当時花南、達郎、優馬、拓実が彼の傍につき、エイジも味方しようかと考えていたのだが、佳幸によって諭され、彼を止める側に回ったのだ。
エイジはそのことに今でも心を痛めていた。間違っていることだとわかっていても彼を裏切ったこと、そこまでしても彼を止められず、このような心が壊れた状態になってしまったことになってしまったのだから。
エイジが霊神宮から離れていったのは、夜光に対する負い目でもあったのだ。
しかし、彼は本当はどうすればよいのかわからなかった。いや、選べなかったのだ。
「あのお嬢さんは、自分が進む道を選んだ。けど俺は・・・・」
スセリヒメに選ばれたという、自分よりも背は小さいくせに態度はでかいあの少女、三千院ナギ。彼女は既に自分の運命に立ち向かっているというのに、自分はここで立ち止まっているだけでよいのだろうか。
ナギと比較していると、そんな自分に腹が立ってきた。
同時に、自分が選ぶ道というものも見えた。
「・・・・ごめんな」
エイジは最後に、夜光に向けて謝った。その言葉にはどんな意味がこめられていたかは、彼しか知らなかった。
帰り際、エイジは夜光の御世話係と出会う。
「これは私個人の意見ですが・・・・」
御世話係はエイジに話し掛ける。
「夜光様はあなたのことを今でも恨んではいませんよ」
エイジに対する思いやりというには思えない、淡々とした口調で彼女は続ける。
「あなたと敵対した時でさえ、夜光様はあなたを友達と思っていましたから。だから、あなたは何も悩む必要はありません」
それは、叱咤しているようにも聞こえた。
あなたは今自ら考え、身体を動かせる。だから何も迷うことはなく行動しろと。それが夜光の望みでもあるのだから。
「・・・・わかりました」
それに対して、エイジが何を思ったのかはわからないが、彼はただそう答えただけであった。
それから黒沢邸を出て、帰り道の中エイジはずっと考えていた。
何を考えているのか、彼自身にしかわからない。だが、彼の顔は何かに迷っているようにも見えた。
答えが出ないまま、堂々と回りつづけている滑車のように。
そんな彼は、前に人がいるのに気付いて立ち止まる。
その人物は、エイジのよく知る人物だったからだ。
「立ち止まってしまったら、すぐそこへ行ってしまう」
佳幸が、皮肉気にエイジを見下していた。
「本当馬鹿みたいだね、おまえは」
彼がこのような挑発を口にするのは珍しかった。佳幸は普段どんな人に対しても、決してこういう態度をとることはしない。
それだけに違和感は募るが、今のエイジはそんなことなど構わなかった。
今の発言だけは許せなかった。例え尊敬する兄であっても、夜光を侮辱するような言葉だけは許せなかった。
しかしエイジもそれでカッとなって殴りかかるような男ではない。
「兄貴こそ、花南姐さんと一緒に行く気なんだろ?女に引っ張られていくなんて情けないと思わねえの?」
皮肉には皮肉を。エイジもまた悪意をこめて佳幸に言い返す。
しかし、佳幸はそれに動じることなく、あくまで平然としていた。
「男の戦う目的が女だってのは、十分すぎる理由だと思うけど?」
それがまた、エイジを更に苛立たせた。
「まあ、僕にはあの人が全てっていうわけじゃないけど、今のおまえには僕にそんなこと言える立場ではないと思うよ?」
エイジの心情を確認し、それを堪能しているような佳幸は、突然後ろ手に抱えていたものをエイジに向けて投げつけた。
咄嗟に手で受け止めたエイジは、それがなんなのか確認する。
「勝負しよう」
佳幸が投げつけたのは、バスケットボールであった。
これと、勝負という言葉から二人の間で結びつくのはひとつしかない。
「1on1だ。近くにゴールがある」
佳幸は有無を言わせぬ眼で、口調でエイジに語りかける。
彼のこんな態度を見るのは弟としても滅多に見たことがない。ただ、何か自分のことを考えているということはわかる。
とはいえ、今のエイジには兄に乗る気はなく、エイジは黙って通り過ぎようとする。
しかしその際、佳幸はエイジに向けてこう言った。
「戦わないまま負ける気?」
その言葉は今のエイジの癇に障った。夜光のこともあってかエイジの胸中はモヤモヤしており、例え安い挑発でも乗ってしまうほど苛立っていた。
兄弟としていつも接している佳幸にはそれが見え透いていた。いや、兄弟ではなくても見抜けるだろう。エイジは外に出やすいタイプであるから。
「そんなわけないだろ!やってやるさ!」
兄は何かを企んでいるにちがいない。それでも、ここで折れたら何か負けた気がするので、つい勝負に出てしまう。
そんな弟を見て、佳幸は口の端を微かに上げた。
同時に思う。こう、売ったケンカをすぐに買うところはナギにそっくりだ。案外あの二人は似たもの同士なのだろうと感じる佳幸であった。
今回はここまでです。
次回はバスケをする話です。
|
|