Re: 新世界への神話Drei 8月7日更新 ( No.38 ) |
- 日時: 2012/08/12 22:09
- 名前: RIDE
- 参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=7129
- どうも。
夏も本番ですね。暑くてかないません…。 みなさんも夏バテしないようにしてください。
さて、まずはレス返しから。
キーさんへ
>キーです。
どうも、感想ありがとうございます。
>調「どうも。ついに……雷矢が現れました。次回から雷矢が大活躍……することを期待します。」
今回は雷矢編になりますから、彼は活躍します。
>ナオ「ジェット・ドリル・ジムも強いですね。…それとも敵が弱いか。……指揮官が一番怯んで見えますね。この3人も今後活躍するんでしょうね。」
あの三人は強いですよ。特にジェットが。 ゲームで言うところの名無し兵では敵わないでしょう。 今後は、もっと先に登場する予定です。
>調「まぁ、とはいっても次回以降の一番の楽しみは雷矢ですけど。……敵は雷矢についてまるでわかっていない。…雷矢に勝てるわけが……です。」
雷矢が本当に戦う相手は、別にいますよ。 これからが強敵に当たるところなので、楽しみにしてください。
>ナオ「霊神宮とジェットたちでは、すべてが違い過ぎですね。」
ジェットたちは原作であるクロノスの大逆襲から何年か後という設定です。 その間、彼らはさらに戦闘を経験して強くなっています。並大抵の相手に遅れを取ることはありませんから。
>調「次回、雷矢とジェットたちはどうするのか。……次回も楽しみにしています。」
雷矢とジェットたちの絡みは今回少なめです。 ですが、今回の話を楽しんで下さると嬉しいです。
>ではまた。
キーさん、感想ありがとうございました!
それでは、本編です!
2 雷矢は、自分に刃向かう使者がこれ以上いないことを確認した後、ジェット太知事へと顔を向けた。
「久しぶりだな。もっとも、初めて顔を合わせる奴らもいるようだが」
相も変わらずの険しい表情で千桜や泉たちに目を向ける雷矢。なんとなく彼に眼を飛ばされたような気になってしまった彼女たちは、身を強張らせてしまった。
「色々と聞きたいことがある…」
ジェットは、慎重な調子で口を開いていく。
「まず、あれはなんだ?」
そう言って、雷矢の背後にそびえ立つ三体のロボットを指差した。
自分たちと戦ってから、雷矢はどうしていたのかということは聞くつもりはなかった。何があろうと、生きている限り何度でも立ち上がる男なのだ。その際、こちらの度肝を必ずと言っていいほど抜かしてくる。
だからあんなロボットに乗せられるような形で登場しても不思議ではない。問題は、そのロボットの素性である。
霊神宮という組織であるものと、自分たちは今対立しているのだ。雷矢を連れてきたのだからその戦いに水を差すつもりなのだろうが、何が目的なのかを知っておくべきだ。
「それは、魔神に乗っているあいつらから聞けばいい」
雷矢がそう言うのと同時に、魔神の胸部宝石から光が地面に向かって放たれた。そしてその中から、それぞれの魔神の色に合わせた甲冑を着込んだ少女が三人、ゆっくりとエスカレーターに乗っているかのように降りてきた。
「女の子…?」
自分たちよりも年下な、中学生みたいに見える女の子たちがあのような巨大ロボットを動かしていたということに、千桜たちは軽く驚いた。
だがジェットたちは対照的に平然としていた。彼らの世界では、色々と事情があったにせよ中学生、果ては小学生までが戦士として戦っていたという光景を目の当たりにしてきたからだ。
あの三人も、詳しいことは知らないが戦うことを覚悟しているのだろう。
少女たちが地面に着くと、魔神は消え、少女たちの甲冑も制服の上に着用する軽装なものへと変わる。
それから、少女たちは雷矢に近づくのだが…。
「あーっ!」
少女たちの顔が確認できるところで、突然美希が声をあげた。
「み、美希ちゃん?」 「お、おいどうした?」
泉と理沙が驚いて何事かを尋ねてみるが、美希は二人に構ってはいられなかった。
「おまえ、ノヴァ!」
美希はそう言って、長い髪をおさげにした少女を指差した。
「え…?」
その少女、獅堂光はキョトンとしてしまう。
「おまえ、こんなところに何しに来た!」 「ちょ、ちょっと美希さん!」
怒った調子で光に喰ってかかろうとする美希を、歩が何とか抑えている。
「に、似ているけど別人じゃないかな?」 「え?」
言われて、美希は光の顔をまじまじと見てみる。
確かに、一見すると同一人物のようにも思えるが、この少女の赤い髪はノヴァよりも濃い色であるし、耳だって尖っていない。眼もつり気味ではないと、細かいところで異なる点がいくつか見受けられる。
「そ、そうか。いやすまない」
別人だとわかった美希は、光に向かって頭を下げた。
「ちょっと、何なのよあなたたちは」
いきなりケンカ腰で迫ってきたためか、光の友達である龍咲海は腹を立てている。
だがふっかけられた当の光はそれほど機嫌を悪くした様子はなかった。そんな彼女は、海を押し除けんかのような勢いで問いかけた。
「あの、ノヴァを知っているのか?」
ノヴァのことが気がかりな光としては、彼女のことを知っているのならば何でもいいから教えてほしい。そんな気持ちが大きく、つい美希たちの前まで勢い込んで出てしまったのだ。
「い、いや詳しくは知らないんだ」
光の剣幕に押されそうになったのか、美希は若干たじろぎながら答える。
「ただ、私たちもあいつに襲われたというだけで…」 「そ、そうか…」
期待していた情報が得られず、光はついうなだれてしまう。
直接出会うよりも前から夢の中で話しかけられていたとはいえ、少々不安過ぎて神経質になっていると自分でもわかっている。だが、なんとなくあのノヴァという少女は放っておけない感じがするのだ。彼女を思うと、まるで自分の心が半分えぐられるような気分になる。
「よろしいですか?」
と、それまで光や海の後ろで控えていた鳳凰寺風が、話を切り替えるために意見をしてきた。
「先ほどの様子から見て悠長なことをしているわけにはいきません。ですが、詳しい事情も知らないままというのも困りますので、互いに情報を交換し合うというのはどうでしょうか?」
人のよい笑顔を見せる風。
それを見てジェットは確信する。この少女は切れ者だ。仲間の二人も、意志の強そうな眼をしている。
感情的に、敵に回したくない。
「わかった。そうしよう」
ジェットは、風の申し出を引き受けた。
「まず、この霊神宮と精霊についてだが…」 「それについては既にご存じですわ」
風は雷矢に一目やってからにっこりと言う。
「ここへの道中に、聞けることは全てあの方から説明していただきましたわ」
雷矢はこちらを一瞥し、すぐに背を向けた。急いでいるから早くしろと言っているようだ。
「わかった。まず俺たちについてだが…」
今回はここまでです。 感想、指摘等があったら報告ください。
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