Re: 新世界への神話Drei 3月16日更新 レイアースクロス中 ( No.22 )
日時: 2012/04/06 18:51
名前: RIDE
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=7129

お久しぶりです。
何かいろいろと忙しくて、だいぶ時間が空いてしまいました。

まずはレス返しから

疾球さんへ

>どうもです。疾球です〜まあ感想を。

今回も感想ありがとうございます。

>「ここは黄泉か」って何か良いですね
>何かしっくり来るセリフですね。

落ち着いた感じがしているためでしょうか。
この時は、何もかも取り払われた意味もありますからね。

>眠ったまま話せるか・・・
>いい能力だね〜凄く欲しい。

テレパシーですよね。
文も開眼できるでしょうか…(15巻参照)

>イーグル・・・かっこいい
>眠ったままなのに凄く良いこと言ってる。
>でもなぜか銀髪だとFF?のあいつしか出てこない・・・。

ここってFF厨が多いですね。
悪いわけではありませんけど、もっと他のネタも見るべきだと思います。
ハヤテは他の作品のネタもやっているのですから。

>眠ったまま覚めないだって!!
>よし希望を持ち続けるのだ!!
>いつか夢は覚めるぞ←(何様やねん)

そんな簡単に覚めたら苦労はしませんよ。
まあ、希望を持てというのはいいですけどね。

>そうだよね!!女の子が涙を自分のために涙を流したんだもの!!
>逃げちゃったら男じゃないよね!!さすがだぜ!!

ここでの彼の奮起は、大きいものとなっています。
第一スレから見てくれている人は、遂にと思っていますでしょう。
ここに来るまで約一年ぐらいかかりました。

>次回も楽しみにしています。
>更新がんばってください。
>ではまた〜

今回も楽しんでくれると嬉しいです。

疾風さん、感想ありがとうございました。


それでは、本編です。


 6
 城の入り口に集った光たち。

「あれを見てください!」

 風が上空を指す。

 ラファーガとカルディナの報告どおり、多くの魔物たちがこちらに向かって下降してきている。

 しかもほとんど、あのノヴァという少女が連れてきたものと同類である。

 光たちは魔物の襲来に備えて身構える。

「あれ?」

 そんな中、海は魔物たちを見てあることに気がついた。

「あの魔物の上に、人が乗っていない?」

 彼女が指したのは、群の先導を切っている魔物。

 確かにその上に人がいた。長い黒髪と、均整の取れた死体を強調する露出の高い衣服を着た女性。

 光たちは目を見張った。

 その女は、光たちの知っている人物だった。

「アルシオーネ!?」

 驚愕の声を上げる光。

 アルシオーネは、セフィーロの魔導師(イル)であった。彼女はこの国の神官(ソル)が柱に反旗を翻した際、彼に従ったこともある。全ては、彼を愛するが故であった。

 だが光たち魔法騎士たちに敗れ、神官からは役立たずと言われ、消されてしまった。

 誰もが死んだと思われていたのだが・・・・

「生きていたのか・・・・」

 クレフが複雑な表情で呟く。彼にとってアルシオーネは可愛い教え子なので生きていたこと自体は嬉しいが、魔物たちを引き連れてきたことに困惑もしている。

 そのアルシオーネは、光、海、風の三人に対して妖艶に微笑んだ。

「久しぶりね、魔法騎士のお嬢さんたち」

 そしてすぐ、鋭く睨みつける。

「この身に味わった屈辱、今こそ晴らしてあげるわ!」

 アルシオーネは手にしている杖を下にいる光たちに向け、魔法を唱えた。

「氷尖投射(アライル)!」

 無数の大きな氷の棘が、光たちを貫こうと降り注いでいく。

 全員に逃げ場はなく、避けきれない。しかし、風も上に手をかざす。

「防りの風!」

 彼女が唱えると同時に、まるで全員を包み込むように風が吹き、それがバリアーとなって氷を弾いた。

 その間に魔物たちが着地し、光たちと対峙し合う。

 唸り声を上げながら、萬野たちが襲い掛かってきた。

 光たちは各々の剣を手にして振るった。魔物たちは次々と迫っていくが、彼女らによって切り裂かれてしまう。

 更に三人は、魔法で攻撃する。

「炎の矢!」

 まず光が、炎を矢のように飛ばして魔物を撃ち抜く。

「水の龍!」

 次に海が龍をかたどっている水で押し流す。

「碧の疾風!」

 そして風が、風力によって魔物を切り裂いていった。

「中々やるわね」

 魔物たちを寄せ付けない実力を見せる光たちに、アルシオーネは苦々しげに呟く。

「けど、いつまでもつかしら」

 その言葉と共に、再び魔物たちの群が降下していく。

「これだけの数を相手にするのは、流石に辛いはずよ?」

 アルシオーネの言うとおり、魔物の数は結構多い。しかも、かつて自分たちが相手にしてきたものよりも強い。先程戦ってみてそれが実感できた。

 光たちの不利は明らかであった。それを示すかのように、空が暗雲に包まれだした。

「・・・・アルシオーネ」

 そんな状況の中、光が痛ましげな表情でアルシオーネを見つめる。

「な、なによ」

 同情でもされているのか。そう思うアルシオーネは不愉快を露にする。

「セフィーロは変わったんだ。皆が創っていく世界に」

 海、風、そしてクレフたちも、アルシオーネに気遣わしげな視線を送っていた。

「前に敵として戦った私たちのことをよく思っていないのはわかる。でも、皆と一緒にセフィーロを・・・・」
「・・・・それがどうしたのよ」
「え?」

 搾り出すように声を上げたアルシオーネに、光は思わず口を止めてしまう。

「それがどうしたっていうのよ!私はセフィーロよりもあの方にお仕えした!けど、あの方は・・・・ザガート様は私を捨てた!」

 溜めていた感情が氾濫したかのようなアルシオーネの叫びに、光たちは呆気に取られてしまう。

「だから憎い!ザガート様も、ザガート様の心を奪ったエメロードも、そしてあの女が愛したこのセフィーロも!」

 激情のまま彼女は杖を振るう。

「みんな、消えちゃえばいいのよー!」

 その憎悪を込めて、魔法を放った。

「氷尖激射(アライア)!」

 氷が混ざった光線が光たちに迫っていく。風が再び魔法で防御しようとするが、間に合わない。

 三人は、アルシオーネの魔法を喰らってしまった。直撃というわけではなかったが、受けた衝撃で吹っ飛ばされてしまう。

「海ちゃん、風ちゃん、大丈夫?」

 ダメージを受けても尚立ち上がった光が、二人に声をかける。

「平気ですわ」
「あのおばさんの魔法なんて、たいしたことないわ」

 海、風も笑顔で光に続いて起き上がる。

 無事を確認しあった三人は、目前の魔物たちを見据える。

「セフィーロは、信じる心が力になる」
「だから、私たちは諦めない」
「魔物を倒せば、後はアルシオーネさんだけですわ。頑張りましょう」

 三人の手が、剣を強く握る。

 そのまま、戦闘が再開されようとした時であった。

 突然稲妻が起こり、暗い空を一瞬照らした。

 魔物たちは脅えたのか、怯んでしまう。

 それと同時に、光たちは背後から人の気配が近づいてくるのを感じた。

 振り返ると、一人の男がこちらに向かって歩いてきている。

「・・・・誰だ?」

 光の問いに、男はこう答えた。

「憎しみという花が枯れ、闘志という種が芽生えたものだ」

 そして光たちを通り過ぎ、男は魔物たちと対面し、アルシオーネを見上げる。

「・・・・誰なの?」

 謎の乱入者に、顔をしかめるアルシオーネ。

「怪我したくなければ、下がりなさい」

 男のことを自分よりも格下だと思ったため、アルシオーネは忠告する。

 対して、男は彼女を一笑した。

「女としての思いが通じなかったために雌に成り下がった貴様に、立ち上がることのできたこの俺が遅れをとると思うか」
「め、雌!?」

 品のない言葉に、アルシオーネは不快を示す。

 男は彼女に構わず、魔物たちに向き直る。

「まずはこいつらから片付けるか」

 睨み付けられただけで、魔物たちは圧倒されてしまう。

「ライオーガ!」

 男が叫んだ途端、何も存在していなかった彼の傍らに突如人が現れる。

「電光石火!」

 再び落雷が起こる。その空が光った瞬間に、ライオーガと呼ばれた人物は魔物たちの後ろを取っていた。

 そして、魔物たちは次々と倒れていった。ライオーガが、あの一瞬に全て倒したのだ。

「あなた・・・・何者なの?」

 これを見て、警戒せずにはいられない。アルシオーネもそうであった。

「俺か?」

 男は、そんな彼女を前にして笑みを浮かべる。

「俺は、精霊雷のライオーガが使者・・・・」

 三度目の稲妻が、男の顔を照らし出した。

「綾崎雷矢だ」




ついに雷矢が再登場しました。
次回は彼の戦いです。