Re: 新世界への神話Drei 3月1日更新 レイアースクロス中 ( No.18 ) |
- 日時: 2012/03/08 23:18
- 名前: RIDE
- 参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=7129
- ハヤテのDVD手に入れましたか?
追加の映像10分は面白いと思います。
さて、特に語ることもないので本編を。
4 ノヴァは、嬉しそうな表情を浮かべながら光に目を向けた。
光は、夢で自分や大好きな皆を殺すと宣言したノヴァに対して、恐怖と警戒心を抱く。彼女のすぐそばにいたランティスはそれを感じ取った。
「夢の中で会ったというのは、あの少女か?」 「う、うん」 「・・・・ノヴァと言ったな」
光に確認を取った後、ランティスはノヴァを睨んだ。
「何が目的だ?」
そう尋ねると同時に、ランティスが手にしている剣から光の刃が出現した。
その切っ先を、ノヴァに向けることで威嚇する。
しかし、脅迫されてもノヴァは平然としていた。
「そんなに恐い顔しないで。私はヒカルに会いに来ただけなんだから」
にこやかに微笑むノヴァ。
「ヒカルと、ヒカルが好きな人たちはみんな殺す」 そして、目を細めて睨みを利かせることで全員を恐怖に震え上がらせる。 「でも今日は挨拶だけだよ。次に会う時が楽しみだね」
それを最後に、ノヴァは黒い球体の中へと戻って行った。
クレフたちに向かって雄叫びを上げる、魔物たちを残して。
魔物たちは、彼らに襲いかかろうとした。
「穀円防御(クレスタ)!」
そう唱え、杖の先を魔物たちに向けたクレフ。すると、彼を中心にして皆バリヤーのようなものの中に覆われ、魔物たちの攻撃を受けずに済んだ。
セフィーロ最高の魔導士に恥じぬ、強大な防御魔法を見せつけることでクレフは魔物たちを跳ね除けた。
そこへ、一気に攻勢を仕掛けてきた。
「雷衝撃射(クロノス)!」
ランティスが魔法を唱え、剣を魔物たちの方へと向けた。すると、魔法でできた刀身から電気を帯びた光線が発射され、何匹かの魔物を消し飛ばした。
「魔獣招喚(マキシマ)!」
アスコットは魔法陣を出現させ、自分の友達である魔獣を呼ぶ。魔獣によって、別の魔物たちは押さえつけられてしまう。
その好機を、フェリオは見逃さなかった。
身の丈ほどある巨大な剣を手にし、軽々と振るって押さえつけられている魔物たちを次々と切り裂いていった。
彼ら四人によって、魔物たちを退けることができた。
「この場は何とかなりましたね」
フェリオは魔物たちがいないことを確認してから息をついた。
「ああ。だが・・・・」
クレフの表情はどこか晴れない。あることに気がかりがあるからだ。
「あのノヴァとか言う嬢ちゃん、ですね」
ジェオが彼の心を読み当てる。クレフはそれに頷いて肯定した。
あの少女からとてつもない邪悪な気を感じた。並大抵ではないものが。
それに、ノヴァはなぜか光に似ていた。外見だけではなく、気配というべきか、目に見えいものまでだ。
そして、あの少女の背後には、もっと強大な闇があるように思えてならんのだ。
クレフはランティスと目を交わす。ランティスも、同じことを考えていたのだというように頷いた。
「あの子、これが挨拶って言っていたわね」
タトラが呟く。普段ののほほんとした雰囲気はなりを潜め、真剣さが表に出ている。
「次は間違いなく、本気で来るわね」 「ふん!だとしても返り討ちにしてやる!」 「そうなのじゃ!我らの恐ろしさを思い知らせてやるのじゃ!」
タータとアスカ意気を込めている。
そんな彼女たちを少し離れたところで見ていた光、海、風。三人は顔を見合わせて同意見であることを確認しあうと、プレセアのもとへと向かった。
「プレセア、話がある」
その言葉に、プレセアは不安を抱く。
「私たちに、武器を貸して欲しい」
それを聞き、クレフたちも彼女たちへと顔を向ける。彼らに対しても、光たちは決意を語っていく。
「私たちも戦う。今度は後悔のためじゃなくて、セフィーロの新しい物語のために」 「大切な皆を、あんな子に殺されたくないもの」 「セフィーロも皆様も、私たちは守りたいのです」
三人の瞳は一切の揺らぎが無かった。
光たちの覚悟を汲み取ったプレセアは手を横にかざした。すると、その先から三本の剣が出現し、三人のもとへと向かっていく。
海の手には鍔が青い龍の形である、水の力を持つ細身の剣が。
風の手には身の丈よりも大きい、風の力を持つ長剣が。
そして光の手には、鍔が炎、もしくは獅子の鬣を模した、火の力を持つ剣が渡っていった。
「これは・・・・」
セフィーロでは伝説とされている鉱物、エスクードから作られた成長する武器。魔法騎士である自分たちにしか扱えない剣だ。
「あの戦いが終わった後、私のもとに戻っていたの」
セフィーロの変革が起こり、創造主が旅立った。その時この剣も持っていったのだと誰もが思っていた。
どんな意図かはわからないが、創造主はプレセアに残しておいたのだろう。
なじみの武器に感慨深くなる光。そんな彼女たちに向けて、今度はクレフが魔法を唱えた。
「魔法伝承(アクセプト)!」
クレフの杖から光が発し、三人を包み込む。そしてそれぞれ炎、水、羽根を散らした後彼女たちは防具を装備していた。
各々使用の異なるブーツ。右腕にはアームウォーマーのようなもの、左手には各自の剣を同じ色の宝石が埋め込まれたグローブを。それと同様の宝石が埋め込まれた胸当てと左肩には肩当てが。
これらの軽装な甲冑。それと共に、彼女たちは魔法を授けられたのだ。
「おまえたちはもう、セフィーロの一員だからな」
クレフとプレセアは、三人に笑顔を見せる。
「ありがとう」
光たちは。そんな二人に礼を言った。
「けど、服まで変えてもらわなくてもねぇ・・・・」
感謝の意図は別として、海が口を尖らせる。彼女たちの防具の下は今まできていた洋服ではなく、それぞれ通っていた学校の制服であった。
「あの服では、戦いにくいと思ってな」
どこか気まずそうに咳払いするクレフ。
「折角おしゃれしてきたのに・・・・」 「で、でもその服も似合っているよ!ウミ!」
しょげている海を、アスコットが必死な様子でフォローした。
「そう?ありがとうアスコット」
それによって、海は笑顔に戻り、それを見たアスコットは顔を真っ赤にして照れた。
「けどその格好を見ていると、初めて会ったときのことを思い出すな」
フェリオの言葉で、全員昔を振り返る。
魔法騎士として、右も左もわからぬままセフィーロを旅し、悲劇を経験した。その時光たちは東京へと帰されたが、三人のもう一度セフィーロに行きたいという願いから、再び来訪ができ、もう二度と後悔しないように戦った。
そして今、彼女たちは過去のためでなく、未来のために戦おうとしている。
クレフやアスコット、フェリオたちと談笑する海、風。
その様子を眺めている光。そこへランティスが近づいてきた。
「ランティス」 「・・・・あの少女には気をつけろ」
あの少女が、先程現れたノヴァのことを指しているのは明らかであった。
ランティスの顔を覗き込む光。変化が乏しいためよくわからないが、彼が本当に心配していることが表情から見て取れた。
その彼の肩から、今度は妖精がその姿を現した。
妖精の名はプリメーラ。ランティスに助けられたことがあり、それ以降彼にくっついている。日頃からランティスは自分のものだと公言し、彼と親しい光に対して何かと突っかかっていた。
そんなプリメーラは、いつもとは違う様子で光に声をかけた。
「ま、まあ私としては恋敵がいないほうが楽だけど、それだとつまらないからね。何かあったら許さないわよ」
恋愛については疎い光は恋敵うんぬんはよくわからなかったが、自分を心配しているのだということはわかったので、笑顔を見せた。
「ありがとう」
礼を言われると、照れたのかプリメーラはそっぽを向いた。
この場の雰囲気は明るくなろうとしていたが、それも続かなかった。
「導師!」
短い金髪と巨体の男と、褐色の肌に露出の多い衣服を着た女がやってきた。
男はラファーガ。剣のみで敵を倒す剣闘士(ダル)で、セフィーロの親衛隊長を務めるほどの腕前だ。女はカルディア。タータ、タトラと同じくチゼータ出身の踊り子で、現在はセフィーロの幻惑士(ラル)である。
「大変です、導師!」
二人はクレフたちに慌しく報告をはじめる。
「上空から、城に向かって魔物の群が飛来してきます!」
それを聞き、一同に緊張が走る。
ノヴァと関係あるかどうかはわからないが、無視するわけにはいかない。
「海ちゃん、風ちゃん、行こう!」
光を先頭にして、三人が真っ先に駆け出した。
「我々も行くぞ!」
クレフたちもその後に続くのであった。
今回はレイアースの主役キャラの説明を。
獅堂 光(しどう ひかる) レイアースの主人公で、魔法騎士の一人。 赤い髪のおさげが特徴。 純真無垢な性格で、小柄な身長のため中学生なのに小学生に見られがちである。 それでも運動神経は抜群で、ジャンプ力は高い。この辺はナギと全く違う。 実家は剣道道場で、そのため剣を使った闘いが得意。 飼っている犬をはじめ、動物の気持がわかる。 炎の魔法を使う。
龍咲 海(りゅうざき うみ) レイアースの主人公で、魔法騎士の一人。 外見は蒼い髪のロングで、カチューシャをしている。 勝気な言動や態度が目立つが、根はやさしい子。 若干天然の光、おっとりしている風に囲まれているため、ツッコミ役としても働いている。 ケーキ作りが趣味だが、自身は甘いものは嫌いである。 部活はフェンシング。 水の魔法を使う。
鳳凰寺 風(ほうおうじ ふう) レイアースの主人公で、魔法騎士の一人。 金の巻き毛に、眼鏡をかけている。 おっとりとしているが、頭は冴えているため、三人の中では切れ者である。 家は相当のお金持ちで、お嬢様学校に通っている。好物がてっさ(ふぐの刺身)であることがそれを物語っている。 セフィーロの王子、フェリオといい関係。 弓道を習っている。 風の魔法を使う。
原作終盤の闘いから一年後ということですので、彼女たちは中学3年生です。 原作ではこの時点で三年後、高校生の年代ですが、その年で中学の制服着るのはなんかキツイなと思いましたので。
それでは。
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