Re: 新世界への神話Drei 1月4日更新 ( No.11 ) |
- 日時: 2012/01/25 20:04
- 名前: RIDE
- 参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=7129
- 前回から間があいてしまいましたね。
まあ、それほど急がなければいけないと言うわけではありませんが・・・・
新潟は雪で大変です・・・・
まずはレス返しから。
絶影さんへ
>どうも絶影です。
どうも。 センターが終わってご苦労様です。
>……!!ふぉぉぉおおお!! >ジュナスさん出たぁぁあああ!! >あの汚名を着せられながら龍鳳を救い出し、 >そのまま行方知らずになっていたあの人ではないですか!
そうです、ジュナスです! 彼の登場はまだずっと先になってしまいますが、そのときには活躍させるつもりです。 どんな活躍かは、楽しみにしていてください。
>…えっとそれでは感想に! >霊神宮に乗り込むメンバーも決まり、出発当日。 >ムラサキノヤカタに八闘士とエイジそして見送りに色々な人たちが。
個人的にはエイジのくだりに力を入れました。 あと、優馬が乗っていたバイクは大型のものです。
>そこに現れた仮面の男。 >発言とかその他諸々から言ってあの人しか思い当たらない…のですが…
とりあえず、霊神宮では登場しません。 本当に、再登場はずっと先になりますから。
>しかし彼は何故伊澄はまだわかるとしても、咲夜や生徒会面々、さらに歩までも連れて行かせたのでしょうか? >気になりますね!
その理由は、まあ今回判ると思います。
>それでは次回の更新お待ちしてます♪
お待ちした分楽しんでくれると嬉しいです。
絶影さん、感想ありがとうございました!
それでは本編。 第31話ラストです。
4 「どうするの・・・・?」
ヒナギクが困った顔でハヤテとナギに問う。問題はやはり、一緒に精霊界へと来てしまった咲夜たちのことだ。
はっきり言って、こうなることは想定外であった。彼女たちが誰かに突き飛ばされてこうなったということはわかっているので、怒りをぶつけるというのは理不尽だ。とはいえ、流石に連れて行くことの危険性を考えれば、扱いに困るのは仕方なかった。
「まあ厄介なのは変わらないが、かえってちょうどよくなったとは言えるな」 「え?それって・・・」
意味深な発言をしたナギ。
まさかとは思うが、自分の親友たちに危険なことをさせるのだろうか。ナギにとっても親友のはずの彼女たちに。
何を考えているのか尋ねようとしたヒナギクだが、それよりも先にナギはエイジたちを呼び集めた。
「皆いいか、これから霊神宮へ行くぞ」 「それはいいけど、どうやって行くつもりなんだ?」
精霊界へ行く前から、エイジはずっとそれが気になっていた。そんな彼らに、ナギは落ち着き払って話し始めた。
「まず、私が霊神宮への道を開く」 「道?」 「そう、道だ」
首を傾げるエイジたちに、ナギは説明する。
「龍鳳が教えてくれたのだ。使者でも中々見つけられない霊神宮へ行くためには、私の精神力で霊神宮へと繋がる道を開けばいいと」
そう言って、ナギは瞑想を始めた。
「今、道を拓こう」
すると、ナギを中心にして光が広い範囲に行き渡る。それだけではなく、光は天に向かって昇りはじめた。
「この光は・・・・?」 「これが道だ」
空を見上げるハヤテたちに、ナギは言った。
「この光が向かう先は、霊神宮に繋がっている」
そこでナギは、よろよろと倒れそうになってしまう。
「お嬢様!」
それを見たハヤテはすぐさま光の中へと入り、ナギの体を支える。
「大丈夫だ」
だいぶ疲労はしているようではあるが、それでも笑顔を見せるナギ。
「道を拓くには、強い心の力が必要なんだ。だから、少し疲れただけだ」 「けど、この中に入れば霊神宮へ行けるんだな?」
それを知ったエイジは勢いよく光の道へと飛び込んだ。佳幸たちも続いて道の中へと入っていく。
「ようし、出発だ!」
エイジは意気揚揚として手を挙げる。
しかし、彼らは道の中に入ったまま進むことはなく、その場で立ったままだった。
「・・・・どうなってんだ?この光の道で、霊神宮へ行けるんだろ?」
さっぱり訳がわからず顔をしかめるエイジ。そんな彼に、ナギは呆れてため息をついた。
「まったく、バカだな」 「なっ、バカだと!?」 「まあまあエイジ、抑えて抑えて」
食って掛かろうとするエイジを、兄である佳幸が諌める。
それを尻目に、ナギは更に説明した。
「私は道を繋げただけだ。道自体が私たちを進ませるわけがないだろう」 「なるほど、移動手段は別ってことか」 「普段でも道が僕たちを進めるのではなく、僕たちが道を進んでいきますからね。考えてみれば確かに当たり前でしたね」
塁と伝助は納得して頷いた。
そしてここでもうひとつ、当然の事態に直面する。
「けどさあ、道は空に向かっているんだぜ?どうやって進むんだ?」
達郎の言うとおりであった。自分たちは翼を持ってはおらず、空を跳ぶ術はない。この上空へと続く道を通れというのは、誰が見ても不可能であった。
「ジェットさんとジムさんが、それぞれ戦闘機とヘリコプターになって俺たちを霊神宮まで運ぶというのは?」
ジェットとジムがマシンロボという形態のほかにもうひとつ、ビークルモードという乗り物としての真の姿があることを思い出した氷狩がそう提案した。
「できないことはないが・・・・」
そのジェットは、何か気がかりなことがあるようだ。
「俺とジムでも、一度に二十人は流石に乗せられないぜ。何回か往復しなければいけない」 「そうなると、時間がかかります」
ジムも同じ調子で空を見上げて言う。
「これだけの道です。維持するのにも、相当な心の力を必要としているはずです」 「つまり、お嬢さんの心にかなりの負担がかかるってことね」
そこまで聞いて、花南は二人の心中にある不安を察した。
霊神宮に着いたとしても、その先に戦いが待ち受けていることを必須だ。増してや、あちらはナギを狙っている。標的にされた彼女はただでさえ体力が少ないのに、この上で疲れている状態だというと、とてもじゃないが心許ない。方法はあっても、ついてからのことを考えるとあまり乗り気ではない。
「だから、おまえたちがいるんだ」
そんな時、ナギが全員に告げた。
「龍鳳に心の力を注げば、奴が私たちを霊神宮にまで連れて行ってくれた」
ナギの近くに、龍鳳が姿を現す。
「しかし、私は道を維持するのに集中しなくてはならない。そのかわりにおまえたちが龍鳳へ心の力を注いでくれれば、問題はない」
それを聞き、ヒナギクはナギが口にした都合がよいという意味を理解した。人数が多いほうが、龍鳳に注がれる心の力は大きくなる。
「おまえたち、龍鳳を見て強く思うんだ。上へ行ける、霊神宮へ必ず着けるんだと」
道理を得た優馬に従い、ハヤテたちは龍鳳に念を込めだした。すると、彼らの足が地面から離れ、その身が浮き出した。
「おおっ!」 「すごい、すごい!」 「まるでピーターパンの気分やな」
色々な歓声があがる中、ハヤテたちの上昇速度は段々上がっていく。
「これから、すぐ着けそうだな!」
ドリルは光の道の先にある霊神宮に思いを馳せ、拳を強く握る。
しかし、地上にあるものが手に取れるように小さく見える高度に差し掛かったとき、突然上昇するスピードが一気に落ちだした。
「あ、あれ?」
そこから上昇は止まってしまい。それだけでなく、下降しだしたのだ。
「な、なんだ?なんなんだ?」
混乱するエイジたちだが、原因はすぐに気付けた。
目をやると、ヒナギクが顔色を悪くしており、そんな彼女を歩が気づかっている。
「た、高い・・・・」 「ヒナさん、大丈夫?」
これだ。ヒナギクは重度の高所恐怖症だ。空高く上がったことによる恐怖のため、龍鳳に集中できなくなったに違いない。
「ま、まずい」
ナギは下へと落ちていくにつれ、危機感を強めていく。
「道の中にいる全員が集中できないと、霊神宮へと進めないぞ」
それを聞いて、ジェットはジムへと向く。
「ジム、ヘリコプター形態となって、桂を乗せてやれないか?」
高いところにいるのは変わらないが、乗り物に乗っていれば少しは安心できるだろうと考えてのことだった。
「わかりました。では・・・・」 「待ってください」
ヘリコプター形態になろうとしたジムを、氷狩が制した。
「俺たちはなんとしても霊神宮へ行かなければならない。けど、この程度の恐怖に打ち勝てないようじゃ、霊神宮の戦いではやられてしまうでしょう」
そして彼は、ヒナギクに声援を送った。
「ヒナギクさん、恐怖に負けてはいけない」
それを耳にしたヒナギクは、震えながらも氷狩のほうへ顔を向ける。
「あなたは俺と同じ勇気の魂の資質に目覚めたんだ。勇気は、何物にも動じない心。皆の心の力が注がれている龍鳳が本物なら、そしてこの道を拓いたお嬢さんを親友だというのなら 恐れることはないでしょう?」 「そうだよ、ヒナギク」
そこに拓実も加わった。
「君はお嬢さんを信じてここに来たんだろ。だったらお嬢さんを、その傍にいる龍鳳や周りにいる人たちを信じるんだ」
そしてハヤテがヒナギクに優しく声をかけた。
「ヒナギクさん、何かあったら僕が守ります。だから安心してください」
意中の人にまで元気付けられて、ヒナギクが奮い立たないわけがなかった。
「下は見ちゃダメ、下は見ちゃダメ・・・・」
そう自分に言い聞かせて暗示をかけ、ヒナギクは毅然として上空を見上げる。
再び、ハヤテたちは上昇しだした。
「どうなるかと思ったけど、よかった」
加速していく中、千桜は胸を撫で下ろした。
「後は霊神宮へ着くのを待つだけ、か」 「そうでもないみたいだよ」
拓実が睨みながら上空を指差した。
その先に、背に翼を生やしたヒトのカタチをしたものが、こちらに向かって下降してくる。
「と、鳥人間!?」 「魔物か?」 「いや・・・・」
ジェット、ドリル、ジムの三人は、一見してあれらの正体に気付いた。
「あれはおそらく、艶麗と同じ傀儡兵というものに違いない」 「それじゃあ、霊神宮が差し向けてきた敵ということですね」
ハヤテは迎え撃とうと、シルフィードと一体化しようとした。
「待って待って」
その寸前に、拓実がハヤテを遮るように前に出た。
「ここは僕に任せてくれ。僕を信じろと言った以上、それに値するところを見せないとね」
拓実の腕に着けてある、アローリングが光りだす。
「金の属性を持つ精霊が使者に求める魂の資質は信頼。その力を見せてあげるよ」
拓実は自分の心にある信頼の魂を開放し、身体をLCL化する。同時に彼の精霊である金の アイアールがアローリングに挿入されていく。
そして拓実は、アイアールと一体化した姿へと変わった。
「敵の数はこちらと同じ、二十くらいか・・・・」
言いながら、拓実はその手に金色の弓と矢を出現させる。
「素早く仕留めよう」
傀儡兵がこちらを射程距離に捉え、攻撃を仕掛けてきたと同時にその矢を弓に番える。
「ゴールデンアロー乱れ撃ち!」
傀儡兵に狙いをつけ、拓実は矢を放った。
矢は、飛来していく中で十本に増えていく。傀儡兵の半数は身体に深く突き刺されたり翼を撃ち抜かれたりなど黄金の矢を受けたダメージによって墜落していった。
「スゲェ・・・・」
拓実の必殺技を目にしたエイジたちは感心する。
「人型形態のアイアールでは一度に五本、多くても一桁の範囲は超えられなかったのに、一体化すると十本の矢を軽く同時に放てるのか」
その間にも拓実は再び黄金の矢を番い、残りの傀儡兵に照準を定めて放った。矢は先程同様に数を増やしていき、全ての傀儡兵に一本ずつ命中していき、倒していった。
たった二発の必殺技で敵を一掃した拓実は、敵が続けて襲来してこないかと警戒していたが、その気配がないことがわかると、一体化を解いて力を抜いた。
「艶麗に比べると手応えがなかったな。彼女は峡谷を崩壊させるほどの力があったのに」 「しかも意思といったものが感じられない。野生の獣みたいな動きだった」
優馬も艶麗とは異様であったものに対して、考え込んでしまう。
「今のあれらは量産するために戦闘能力を落とした奴だとすれば、手応えがないというのは頷けるぞ」
ジェットは推測を立てていく。
「またあれらには艶麗のように魂は入っていない。戦闘に関する単純な本能といったものの類しか組み込まれているのだろう」
それならば、心や魂を力とする精霊での戦いはできない。艶麗はヴィルクスの使者となっていたから、その点に置いても戦力に大きな差が出た要因ともいえよう。
「ところで、少しいいですか?」
ジェットの口述に一同が納得する中、ハヤテは別の質問をした。
「拓実さんのアイアールって、青銅の精霊でしたよね?でも金って、黄金の精霊と同じではないのですか?」
この矛盾にも思えることに対して、拓実はこう説明した。
「金っていっても、属性であってランクとは違うよ。それに、金の属性をもつ黄金の精霊に比べると、アイアールはそれほどよい金ではないさ」 「どういうことですか?」
わかりにくい返答に、伝助が補足を加えた。
「簡単に言うと、黄金の精霊は純金なのに対して、他のランクの金属性は青銅や白銀の中に金が少々混ざっているということです」
これを聞き、青銅や白銀の精霊における金の属性がどういうものかハヤテは理解を得ることができた。
「見えてきたぞ」
塁が皆に声をかけ、上を指差す。
その先には、巨大な神殿のような建物が浮かんでいた。
「いよいよですね」
霊神宮を前にして、一同は気を引き締める。
激闘が、始まろうとしていた。
31話終了です。 32話はあの作品からあのキャラが!そしてついにあの男も・・・・・
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