Re: 続・新世界への神話(10月5日更新。ヒナギク編) ( No.86 )
日時: 2011/10/12 19:53
名前: RIDE
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3929

劇場版見にいった人はいると思うけど、
同時に劇場版のノベライズを買った人はいるんだろうか。
ノベライズも活字での表現が面白いと思いますよ。(私は読みました)

では、レス返しへ


森野さんへ


>お久しぶりですRIDEさん。森野です。
>随分と長い間感想を送っておらず、すみません。
>それでは久しぶりにこの言葉を使います。
>『早速感想を書かせてもらいます!!』

森野さん、そんなにかしこまらなくてもいいですよ。
送れるときに感想送ればよいのですから。
ですが、久々の感想ありがとうございます!

>今回はヒナギクの話でしたね。
>一体化が出来ずに苦悩するヒナギクのもとに花南が登場。
>正直、僕は彼女が苦手です…(汗)

まあ、花南は近寄りがたい性格ですからね。
そう思ってしまうのも無理はないでしょう。

>怒りに任せているヒナギクを花南は容易くあしらってますね。
>白桜も今のヒナギクを認めていないのも解ります。

今のヒナギクは冷静さを欠いていますからね。
白桜に関してはアテネが白桜を正義を成すための剣と言っていたので、こういうことがあるんじゃないかなと思いました。

>花南がいきなりヒナギクのヘアピンを取った時は驚きました。
>ヒナギクファンである僕にとって、花南は正しく敵ですね。(違う意味で)

このシーンは衝撃的にするようにと思いました。
反響が思いのほか強かったのは予想外です。
花南はヒナギクにとっては、天敵です。

>自信のプライドを完全に砕かれたヒナギク。
>見ているこっちまで悲しくなってきました。

このシーンは、ヒナギクをドン底まで突き落としてみようと考えました。
悲しみにでいっぱいになるヒナギクは、私も同情してしまいます。
ですが、こうならないと後につながりませんので、ご了承ください。

>生徒会室を出た花南は美希と出会いましたか。
>しかし花南はここでも毒舌全開、何だか……マリアさんよりも怖いです。

まあ、情けは含まれていませんからね。だからといって彼女は蔑んでいるわけでもありません。
ただ、自分のありのままの感想を告げているわけですから。

>RIDEさんが最初に言った通り、今回の話はヒナギクファンである僕には辛かったです。
>ですが、逆に言うと、読む人の感情をここまで操れるRIDEさんは凄いです。
>僕と違ってこれ程の文章力があるRIDEさんが羨ましいです。

それは誉めすぎな気が・・・・
また頑張らなくては・・・・。

>次回もヒナギクの苦悩は続きますか…
>次回の話が凄い気になっています。更新頑張って下さい。
>それでは、失礼致しました。

はい、頑張りました!


絶影さんへ

>どうも絶影です!
>それでは早速感想に!

今回も感想ありがとうございます!

>花南…人の心が分かるんでしょうか?
>今回の話を読ませていただいて最初に思ったことはそれでした…

人の心がわかるというよりは、さりげない態度でも見逃さないと言ったところでしょうか。
そこから、人が何を考えているかを大体察することができます。
人が全てを理解できるということは難しいことですから。
まあ、ハヤテとヒナギクに関しては理由がありますが、それは後に語られます。

>ヒナギクの弱さをいとも簡単に見抜き、ついで(?)に美希の気持ちも看破しましたね
>しかしさすがにヘアピンを取ったのはやり過ぎかと思いました

私もやりすぎてしまったかなと少し思いました。
ですが、どうせやるならこれぐらいしなくては花南ではないということで。

>まぁそれもヒナギクのことを考えてやった(と信じます)のでしょう
>ヒナギクは自分の弱さを乗り越えることができるのでしょうか

ハヤテのときもそうですが、一人では難しいですね。
しかもヒナギクのは、重要な気もしますから。

>続きが気になりますね!
>短い…ですが…(汗)

短くても、送ってくださるだけでありがたいですよ!

>更新お待ちしてます♪

お待たせしました!

森野さん、絶影さん、感想ありがとうございました!

それでは、本編どうぞ!



 3
 放課後。

 ヒナギクはヴァルキリングを見ながらとぼとぼと歩いていた。

 自分は、このリングに見合うだけの魂の資質というものがあるのだろうか。

 あんなに情けない自分の心は、ハヤテの誠実、雷矢の闘志といったように立派に言い表せるものだろうか。

 花南との衝突を引きずっているヒナギクは、あれからずっとこのように自問しつづけていた。

 そもそも、自分がヴァルキリオンと共に戦いだした理由はなんだったのだろうか。

 もちろん、そのとき捕らわれていたナギたちを救出するというのも目的のひとつであっ
た。しかし、それ以上にただ彼の力になりたいという気持ちが強くて・・・・。

「あ、ヒナギクさん」

 そんなことを考えていると、その彼と会ってしまった。

「ハヤテ君・・・・」
「どうしたんですか?元気ないようですけど」
「な、なんでもないわ」

 この人にだけには気付かれたくない。自分がこのままでは足手まといになるということを。

 そんな思いから、余所余所しい態度をとってしまう。

「は、ハヤテ君は今から帰るの?ナギは例によってサボりだから、今は一人?」
「いえ、西沢さんと校門で待ち合わせしているんです。一緒にバイトに行きましょうって」

 その返答は、ヒナギクの癪に触った。

 自分は一体化できないことでこんなに悩んでいるというのに、それができる彼はこうして女の子と一緒だなんて・・・・。

 決してハヤテにはそんな気は微塵にもないのだが、自分のことで手一杯なヒナギクにとって、それは高みにいるものの余裕にしか見えなかった。

「そう・・・・」

 だからか、ヒナギクはハヤテに対してつい刺々しい口調となってしまう。

「だったら早くいけば?女の子待たせるわけにはいかないでしょ?」

 だが、鈍感なくせにこういう時だけは館のよいハヤテは、ヒナギクが何かに思い悩まされているということに気付いてしまった。

「ヒナギクさん、ないか困ったことでもあったんですか?」

 それを聞き、ヒナギクは微かに肩を震わせる。

「・・・・なんでもないわ」

 動揺を悟られないよう、取り繕うヒナギク。それがハヤテの不審を更に煽っていく。

「けど・・・・」
「なんでもないって言っているでしょ!」

 尚も食い下がろうとするハヤテに、ヒナギクはついに声を荒げてしまう。

 その剣幕に、ハヤテは息を呑んでしまう。

「しつこいわよ!放っておいて!」

 そこまで言って、ヒナギクは自分が取り乱したということを自覚して押し黙ってしまう。

「・・・・すみません、ヒナギクさん」

 ややして、ハヤテは彼女に対して頭を下げた。

「ヒナギクさんの気持ちも考えず、お節介が過ぎましたね。僕、もう行きます・・・・」

 本当に申し訳なさそうに謝罪した後、ハヤテはその場を去っていく。

 一人取り残されたヒナギクは、自分の頬を思いっきり叩いた。

 悪いのは、自分の方だ。

 ハヤテに落ち度はないのに、八つ当たりするようなことをして・・・・。

 こんなに小さい心だから、リングが光らないのは当たり前なのだ。

 自身の卑しさに、ヒナギクは半ば自暴自棄するような考えを抱いてしまう。

 そんな時であった。

 突然、この場に笑い声が響いてきた。妖しく、人を見下しているような笑い。そして、寒
気がする程の恐怖と大きな力を感じる。

「誰?」

 声の主を探すが、どこにも見当たらない。

「隠れてないで、出てきなさい!」

 白桜を手にし、人型形態のヴァルキリオンと共に身構える。

「そうムキにならないで」

 するとまた、少女の声が響いてきた。

「今姿を見せるから」

 そして、ヒナギクと対峙するように声の主は現れた。

 淡い紅の長髪に、尖った耳と幼さを残した顔。瞳に宿らせている無邪気さは、どこか冷酷なものにも思える。

 黒いアンダースーツのようなものを身に着け、上半身には軽装の甲冑をその上から纏っている。宝石が付けられているなど、神秘的な施しから精霊界から来た者だとわかった。

「あなたも、霊神宮から私たちを討ちに来たの?」

 少女は、クスクスと笑いながらヒナギクの問いに答えた。

「そんなの知らないわ。私はただ遊んでもらいたいだけ」
「遊ぶ?」

 物騒な雰囲気とは裏腹な言葉に、ヒナギクは眉を顰めてしまう。

「ええ。おまえの力を見せてもらいたいんだ・・・・」

 そう言って、少女は掌をヒナギクに向ける。すると、そこからヒナギクとヴァルキリオンに向かって光が放たれた。その光による衝撃を受けたヒナギクとヴァルキリオンは、後方へと転倒してしまう。

「い、今のは・・・・」

 精霊のものではない、相手の不可思議な力。伊澄の退魔の力など、いろいろ見てきただけあって驚きはしないが、力の正体がわからずヒナギクは戸惑う。

「どうしたの?」

 一方、少女は攻撃しても変わらず笑顔のままで、それが余計に不気味さを感じた。

「早く私におまえと精霊の力を見せてよ」

 その悪気のない態度が、ヒナギクの神経を逆なでさせる。

「いいわよ」

 ヒナギクはヴァルキリオンと一緒に立ち上がり、少女を睨んだ。

「よく目に刻み込んであげるわ!覚悟しなさい!」





先に告げておきますが、この少女は他作品のキャラです。
名前やどの作品についてかは、後に明かしますのでご了承ください。
それでは。