Re: 続・新世界への神話(9月6日更新。ハヤテ編) ( No.78 )
日時: 2011/09/09 18:04
名前: RIDE
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3929

九月九日。
九が続いていて、なんとなくふしぎな日ですね。
それ言ったら他の数字続きの日も一緒なんですけど

では、レス返しです


絶影さんへ


>どうも絶影です

>それでは早速感想に

お久しぶりですね!
待っていましたよ。

>…ハヤテ…相変わらず不幸だなぁ〜…
>と思ったら花南の策略でしたか…

あの部分は、まあ花南の策略もそうですが、ハヤテの不幸はそれに関係なく発揮していたと思ってください。

>ナギが殺し屋に狙われるも伝助の活躍により回避されました

あの殺し屋は、まだ若さが残っています。
プロでしたら、すぐにやられていますから。

>そうですよね、確かにハヤテが今まで誰かに助けを求めたことってなかったような…

>今回の話で色々な意味でハヤテと仲間達との絆が深まったように思いました

今回は、ハヤテは一人きりではないということを表したかったのです。
原作でも、ハヤテは自分ひとりで何とかやろうとしていましたから(まあ、そんな状況がほとんどなんですけど)
とにかくこれで、ハヤテは仲間というものを改めて実感したでしょう。

>そんな中現れたのは刺客の白銀の使者!
>ハヤテは自分の想いを解き放ち一体化することに成功しましたね!
>ようやくハヤテもまともに戦えるようになってきたの…か?

とりあえず、皆についていくことはできますね
あとは、経験でしょうか。

>まだ続くとのことですが、今度はヒナギクにスポットが当たるのでしょうか?

ええ、そうです。
ヒナギク編は結構長くなります。

>気になりますね!

>それでは次回の更新お待ちしております♪

ご期待に添えられるかわかりませんが、更新します。

絶影さん、感想ありがとうございました。

それでは、ハヤテ編ラストです


 6
 放課後。

 今日もまた生徒会にあてられた多くの仕事をやり終えたヒナギクは、時計塔から出て校内を歩いていた。

 その途中、彼女は花南と出くわした。

「美野さん、まだいたの?」

 あまり好感を持てない相手のため、できるだけ会いたくない人であったが、とりあえずあたりの良い笑顔で接するヒナギク。

「あら、甘ちゃんで堅物の生徒会長じゃない」

 やはり、この女の子とは好きになれそうにないと改めて実感する。

「ちょうどよかったわ。私、伝に渡したいものがあるんだけど、かわりに渡して来てくれない?」
「えっ、ちょ・・・・」

 言うや否や、花南はヒナギクに神の束を渡し、返事を待たずに去ってしまった。

「なんなのよ、一体・・・・?」

 押し付けた相手に苛立ちながら、それでもヒナギクは伝助の姿を探し出した。しかsいかれは中々見当たらなかった。

「あー、ヒナ」

 そんな中、ヒナギクは雪路と出会った。

「お姉ちゃん」

 彼女なら、伝助の居場所を知っているかもしれない。

「ねえお姉ちゃん、風間先生どこにいるか知らない?」
「風間?ああ、教室にいるわよ」

 それを聞き、雪路に一礼してからヒナギクは教室へと向かった。



「協力ありがとうございます、風間先生」

 二人しかいない教室の中で、ハヤテは伝助に礼を言っていた。

「お嬢様を守る。そのために頑張るのは僕だけではない。手を取り合う人がいるのだという
ことを改めて知りました」

 ハヤテは今日の戦いを思い返しながら熱く語っていく。

「その人たちのためにも、僕は全力を尽くせる、尽くすべきなのだということも・・・・」

 その様子を、伝助は笑顔で聞いていた。

「でも、どうして僕は一体化できたのでしょうか?」

 ハヤテにはそれがわからなかった。一体化というのが、ATフィールドを解いてヒトとは別
の姿になるというのはわかるが、その条件というのが不明のままだ。

 その疑問に対し、伝助はこんなことを言ってきた。

「もう一度、一体化が出来た時の心情になってください」

 思わず首を傾げてしまうが、言われたとおりあの時の気持ちを思い出す。

 皆が協力してくれる。だから自分は、ナギを絶対に守りぬく。

 そう思ったとき、突然シルフィリングが光りだした。

「これは・・・・」

 思わず自分のリングをまじまじと見るハヤテ。

「君の魂の資質に反応しているのです」

 伝助は、同じようにイーグルリングを光らせながら説明した。

「精霊には力やランクのほかに属性というものがあって、それは僕や花南さんたち八人の精霊の力と同じく八つに分類されています。精霊が主を選ぶというのは、その象徴となる心と合うか見極めるためです。そして、それにあった使者が根本にある魂の資質に目覚め、解放することによって一体化が出来るのです」

 リングが光るのは、その魂の資質が合っているということを示しているのだと言う。

「風の力となる魂の資質は誠実。君は三千院さんを守ることに忠実だったからことからも元々その心はもっていましたが、今回のことでそれに目覚めたということです」
「誠実か・・・・」

 そんな風に自分のことを言われたのは初めてだったので、その言葉を噛み締めるハヤテ。

「ちなみに、雷は闘志。君のお兄さんは、憎しみの中に闘志も混ざっていたみたいですから、一体化も可能だったんでしょうね」
「雷矢兄さん・・・・」

 雷矢のことはやはり心配になってしまうが、それでも大丈夫だと信じているハヤテ。

 雷と風はお互いに相性がよいと言うが、それを兄弟の絆を感じさせる今のハヤテに教えるのは余計なお節介だなと思う伝助だった。



 教室の外で、扉によりながらヒナギクは聞き耳を立てていた。

 盗み聞きをするつもりではなかったが、教室に入ろうとした時、ハヤテと伝助がちょうど一体化と魂の資質について話していたので、思わず身を潜めて聞き入っていたのだ。

「ハヤテ君の魂の資質は、誠実か・・・・」

 まさにそのとおりだとヒナギクは思った。ハヤテはいつもナギを守ると言っている。そして、その言ったことを成すために真剣に実行する。言ったことを成すために実するという、誠実というものをハヤテはその身でもって表している。

 そして彼女は、自分のリングにも興味を持つ。

「私は氷の力でもある魂の資質を持っているのかな・・・・?」

 目を閉じて、ヴァルキリングに念を送るように集中するヒナギク。

 しばらく経ってから、薄く目を開いたヒナギクは、すぐに大きく見開いた。

 ヴァルキリングは、何の反応も示さなかった。

「そんな!」

 ヒナギクは信じられなかった。

 ハヤテだって、何も知らなくても光らせることが出来たのだ。自分だって可能なはずであ
る。

 もう一度試してみるが、やはりリングに変化は起きない。

 自分はまだ、魂の資質に目覚めていないのではないか。

 そんな不安を振り払うかのように、リングを着けている腕に力が入る。しかしヒナギクを嘲笑うかのように、ヴァルキリングは微かにも光らなかった。

「誰かそこにいるのですか?」

 すると、こちらの気配を感じたのか扉の向こうから伝助が尋ねてきた。

 扉が開かれ、ヒナギクは伝助と向かい合う形となった。

「桂さん?どうしたのですか?」
「え、えっと・・・・」

 リングを光らせることが出来なかったとは、何故か言えなかった。パニックになりながらも言葉を探すヒナギクは、ようやくここへ来た目的を思い出した。

「あ、あのこれ・・・・美野さんが先生に渡してくれって・・・・」

 そう言って、花南に頼まれた紙の束を伝助に押し付けるように渡す。

「わ、私はこれで!また明日会いましょう!」

 そして、ヒナギクは逃げるようにして去っていった。

「ヒナギクさんだったんですか、今の方」

 伝助の後方からハヤテが首を出してくる。

「ええ。ですが、今はそっとしておいた方がいいでしょう」

 伝助は、ハヤテに向き直った。

「さて、君もそろそろ帰りなさい。三千院さんが拗ねない内に」
「はは・・・・」

 そんなナギの様子が容易に想像できてしまい、苦笑を浮かべながらハヤテハ教室を出ようとする。

 扉の前まで歩いたところで、ハヤテは振り返って伝助に問う。

「あの、先生はこれからも一緒に戦ってくれますか?」

 これに対し、伝助は笑顔で答えた。

「僕は三千院さんの担任ですから。僕も彼女を守らなければなりませんし、僕自身そうした
いと思っていますから」

 伝助は協力を買うつもりでいるようだ。

「三千院さんがスセリヒメに選ばれたということはさておき、僕にできること、すべきことのようですから」
「・・・・ありがとうございます」

 深々と頭を下げ、ハヤテは帰宅していった。

「・・・・これで、いいですか」

 一人になったとき、伝助はそう口を開いた。

「ええ、上出来よ」

 すると、どこからともなく花南が現れた。

「やっといてあれですが、桂さんのことあれでいいんですか?人前では毅然としていますが、彼女プレッシャーに弱そうですし」

 伝助はそう言いながら紙の束を広げる。紙は全て、白紙であった。

 実は花南には伝助に用というのはなく、ヒナギクにリングの話を盗み聞きさせるための口
実であった。面と向かって話せばよいとも考えるが、彼女なりの狙いというものがあるよう
だ。

「無理なら、次から戦わせなければいいわ。お荷物になるだけだし」

 ハヤテのほうは、これで心配はない。

 次は、ヒナギクであった。



次回は、おまけの予定です。