Re: 続・新世界への神話(8月6日更新。ナギ編) ( No.67 ) |
- 日時: 2011/08/08 23:25
- 名前: RIDE
- 参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3929
- 猛暑が続いていますね。
この暑さは地獄ですね。
それでは、今回のレスがえしです。
絶影さんへ
>どうも!絶影です!
>とりあえず前回の謝罪を… >すみません読み返したとか言っておきながら何も理解していない… >だから国語の成績がやばいんだよ!との声が聞こえてきそうです…
いや、こちらこそわかりにくい描写で済みません。 国語の成績は、あまり関係ないような気もしますが・・・・
>おそらく今回の話で理解できました!
>ナギが選ばれたのは水晶の勾玉で、一緒にあった黄金のリングや勾玉は >ジュナスという格好良い人のものだったんですね!
はい、その通りです! 理解して下さってうれしいです!
>ジュナスすごいですね! >自分の名誉も省みずに…とても常人にはできません >生死不明とのことですが彼は今後関わってくるのか!?
ジュナスには、「崇高な意味での潔さ」、簡単にいえばヒーローというものを意識しますね。 彼の性格は、高潔ですが、頑固というわけではありません。 登場は、一応予定しています。
>むう…賢明大聖は明智天師を追い出すとかできなかったのでしょうか? >それとももしや明智天師も何かに洗脳されていたり!? >まぁ無いでしょうが(笑)
霊神宮は末期な状態なのです。 明知天師を追い出すにしても証拠がなかったし、事件を起こす前の彼は人望が賢明大聖並みにあったので、霊神宮が分裂する可能性もありました。 また都合よく追い出せたとしても、彼なしでは霊神宮が成り立たなくなる。 このことから、苦渋の末に賢明大聖はこういう手しか打てなかったのです。
>そしてスセリヒメ…… >ナギを見ているとあんまりそんな気もしませんが可哀想ですね… >利用されるだけ…ですか…
先代までのスセリヒメのイメージは、悲壮というものです。 ナギをそれにイメージするというのは、確かに難しいですね。というのも、彼女の闘いは始まろうとしていますから。
>てか黄金の使者より強いって… >ハヤテ…守るどころか守られなきゃいけなくなるのでは?
今のところ、ハヤテが闘いの中で守られるということはありませんね。 でも、何のために戦うのかは重要になってくるはずです。
>色々疑問に思うことがあって楽しみです!
>それではまた♪
はい!こちらも楽しめるように頑張りますよ!
絶影さん、感想ありがとうございます!
それでは、ナギ編クライマックスです!
3 「・・・・それから私は、表向きは特命ということで霊神宮から離れ、あのイルミス山脈でスセリヒメが現れるのを待っていました」
そして現れたのが、三千院ナギだった。
「同時に先ほどの戦いは、あなたたちを試すためのものでした」 「それって、俺たちがあのお嬢さんを慕う使者だと思ってのことなのか?」
優馬の問いに、エーリッヒは黙って頷いた。
「俺はこの女を認めてねぇ!」
ナギを指差しながらエイジは激しく憤慨する。
「人を指差すな!」 「うるせぇ!あんたなんかそんなもんだろ!」
またまたギャアギャアと騒ぎ出す二人。この二人は飽きるということを知らないのだろうか。
そんな二人に呆れてため息をついた後、花南はナギに尋ねた。
「あんた、スセリヒメに選ばれたとして、それから先はどうするの?」
するとナギは、愚問だと言わんばかりに胸を張って答えた。
「決まっているだろう。霊神宮へ行くのだ」 「何故?あんた一人でどうにかなる問題ではないわ。返り討ちに会うのが目に見えているわ」
嘘を言わせぬ眼でナギを見つめ、真意を探る花南。
「それにもし認められたとしても、霊神宮では道具のように扱われるのがオチよ」
彼女がここで怯えたり、子供じみた自己顕示を見せようとしたのなら、花南はこれを気にナギとの縁を切るつもりであった。そんな人物の下で戦っても快くは思わないし、何も変わらないと判っていたためであった。そしてそれは佳幸たちも同様だった。
「それでも戦うというの?」
果たしてナギはどのように答えるのか。
ナギは徐に口を開いた。
「確かに私だけでは戦いなんて出来ないだろう。今の私にはお金も名誉も、何もないからな」
突然、素直なことを言い出した彼女に目を丸くするが、彼女はもっと驚かせてきた。
「だから、これから先の戦いから、私を守ってくれ」
全員ナギに呆気にとられてしまう。
「・・・・え?」
こちらはそんな気でもないのに、何を言い出してきたんだ。
それを口に出すのをこらえていると、ナギは続けてこう言った。
「私には、過去でも未来でも守ってくれる執事がいる。おまえたちも、同じように守ってくれるはず」
ナギは清清しい笑顔を皆に見せる。
「私は、そう信じているのだ」
信じている。
その言葉にエイジたちは衝撃を受けた。
こちらはナギのことを信じてはいない。あんな情けないダメなお嬢様に戦いが務まるはずはない、すぐに音を上げてしまうような根性なしであると。そもそも自分たちを巻き込ませるような身勝手な女に付き合わされたくはなかった。
だが、あちらは自分たちのことを信じていると言った。まだ出会ってからそんなに間もない自分たちのことを、だ。
今まであの少女は自分たちをどのように見ていたのだろうか。ただ単に便利なものとして扱ってきたつもりならば信じているなんて言わないし、あのような笑顔を見せることもな い。
あの少女は、自分たちのことをどのように見てきたのだろうか?
もしかして、本当に仲間のように思っているのだろうか?
そして、彼女は本当に戦うつもりなのだろうか。様々な疑問が渦巻く中、静寂を破ったのはナギの忠実なる執事であった。
「お嬢様。僕はお嬢様についていきます!お嬢様をお守りするのが、僕の務めですから!」
ハヤテに続いくように、ヒナギクも同調する。
「私も生徒会長として、放って置けないからね」
だがエイジたちは、この二人のように即答は出来なかった。
本当にこの少女についていっていいのか。皆表情に戸惑いを浮かべていた。
「・・・・これからのことについては、私は特に強制はしない」
そんな彼らに、ナギは柔らかく声をかける。
「一週間後、私は霊神宮へ行く。それだけは伝えておくぞ」
エイジたちは、どうすればいいのか迷うのだった。
とりあえず今は帰るべきだということで、全員ムラサキノヤカタへと帰っていった。
空はもう暗くなっており、速く帰宅しなければならなかった。
しかし、そんなエイジたちをハヤテが呼び止めた。
「皆さんにお嬢様を好きになってくれとは言いませんが、これだけはわかってください。お 嬢様はただわがままなだけではありません」
ハヤテは、皆に話した。
ゴールデンウィーク、自分の大切な人を助けるためにはナギの遺産を失わなければならない。そんな状況の中、ナギは躊躇いもせずに遺産の相続権を手放したのだ。
ハヤテが金に変わって自分を守ってくれる。だったらそんなものはいらない、と。
「そんな・・・・」
エイジは絶句してしまった。他の皆も同様であった。
これまで自分を支えてきたものをあっさりと、しかも事情もよく知らないのにあっさりと捨てるなんて信じられなかった。しかも彼女とハヤテは、まだ四ヶ月程度の付き合いでしかない。いくらその絆が強いものであったとしても、だ。
「一応、お嬢様は人を思いやることもあります。それだけは、忘れないでください」
そんな話を聞いた後、一同は帰途につき、それぞれ別れた。
その中で佳幸、エイジ、達郎の三人は歩きながら考え事をしていた。
「お嬢さんにあんな意志の強さがあるなんて、知らなかったな」
達郎が呟くと、佳幸がそれを訂正した。
「違うよ。僕たちが見落としていただけさ」
自分たちは今までナギのわがままな一面だけを見て、彼女を知った気でいたのだ。
思い返せばそれだけではないことぐらい簡単に気付けたのだ。意地でもスピリアルウォーズを開いたところは自分で決めたことをやり遂げるという責任感もあっただろうし、ハヤテに甘える態度は裏返せば人を信じきることができるということにも思える。
人や物事に対しては、一方的な面だけを見て、理解した気になってはいけないということだ。そのことを、自分たちは五年前に痛いほど味わったというのに・・・・。
「あのお嬢さんは、あくまで純粋ってことなんだな」
達郎は感慨深げに頷く。
そんな中、エイジはふと口を開いた。
「誰かがついてあげないといけない・・・・」
佳幸と達郎は、そんなエイジに目をやる。
「あのお嬢さんは、そんな気にさせてしまう。そんな人なんだな」
神妙な面持ちで話すエイジを、まじまじと見る二人。
まだ躊躇いはあるものの、エイジの心は何か決めている。そんな風に見受けられた。
「とにかく、いろいろあった一日だったな」
雷矢との戦いからはじめ、今日だけでたくさんの出来事が起きてしまった。それこそ、置いていかれてしまうような状況になってしまった。
「これからどうしようか」
佳幸の呟きは、夜の闇に虚しく響くのであった。
第28話、終
さて、28話が終了しましたが、ここでナギについていろいろと語りたいと思います。 今回を含めて読んでいる人々はナギが変わったとか思っている方が多いですけど、私はできるだけそんな風には書いていません。
ナギは確かに引きこもりで堕落しきっていますが、誰か困っているものを見過ごせない優しさを持っていると思います。それはハヤテへの思いやりだけでなく、歩に対するギリシャ観光や誕生日、千桜に家族ということを説いたことなどに表れていると私は思っています。
それだけでなく、27巻で自分の漫画にショックを受けて、三千院の門の前で天才ではなくてはならないというナギのセリフは、三千院家の令嬢としての責任を感じているようにも思え、真面目な一面もあるのだと感じています。 (ここで述べているのは、あくまで個人的な見解によるものです) ですから、ナギが変わったというより、話の中でも出てきたように元々あって見落としてしまっていた一面があるという風にしました。
そして、ナギをこの役に配したのは、ハヤテのごとくはハヤテが主人公ですが、彼の行動の中心にはナギがいます。ですから、彼がどんなことになっても、どのキャラと結ぶとしても、これだけはブラしたくないという思いからなりました。
以上です。 まあ、これからも楽しんでいただけたら嬉しいです。 それでは。
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