Re: 続・新世界への神話 ( No.6 ) |
- 日時: 2011/04/18 20:09
- 名前: RIDE
- 参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=3929
- 更新の前にレス返しを。
大魔王さんへ
>どうも、大魔王です >早速ですが感想を
こんなに早く感想を送っていただきありがとうございます!
>艶麗の所行にダイが怒りましたね >正直、彼が怒るのは想像つきません
まあ、今までの彼の態度を考えれば、結びつかないと思います。 実際のところ、普段は演技なのかもしれません。
>確かに漁夫の利を狙うのはムカつきますね >特に相手が強ければ強いほど
ええ。真正面からぶつかっても勝てる実力があるのに、それを避けて弱ったところを突く。 戦略的にみれば効率がいいですが、明らかに卑怯ですね。 正々堂々としないのは、私も気に入らないところがあります。
>メルキューレの塔に向かうのには、ジェット達に乗って行くのですか? >ドリルは余り役に立たなそう……
確かに、ドリルだけは遅くて足を引っ張りますね。 ですが、違う方法で向かいますので。
>皆が意気込んでる中、ハヤテだけが落ち込んでましたね >まぁ、ハヤテが活躍出来るのか分からないのですが……
正直、周りの皆が実力者でハヤテが霞んでいますよね。 彼も活躍させるようにしますよ。 少しだけですけど。
>そんなハヤテをダイがウォーミングアップに誘いましたね >まさか、ボコボコにする気じゃないですよね!?
彼はまさかまさかをやってしまう性格です。 だけど、ダイは何かをハヤテに訴えます。それを伝えるための行動だと思ってください。
>それでは、大魔王でした >互いに頑張りましょう
はい、頑張ります!
大魔王さん、感想ありがとうございました!
それでは、本編更新です! 第25話ラストです!
4 「どうした?やろうぜ。兄さんの敵も取りたいだろ?」
だが、ハヤテは顔を俯かせたままだ。
「・・・・・・・無理です」
ややあって、ハヤテはそう搾り出すように言った。
「僕じゃあ、役に立つことなんかできませんよ。家族を助けることができなかったのに、兄さんの敵を取るなんて・・・・・」 「そうか・・・・」
しんみりとした調子で、ダイは頷いた。
だが次の瞬間、ダイはハヤテを思い切り殴り飛ばした。
これには殴られたハヤテだけでなく、マリアやヒナギク、佳幸たちも仰天した。
「ふざけんな・・・・」
ハヤテの元まで歩き、彼の胸倉を掴んで引き起こすダイ。その目には、怒りがはっきりと表れていた。
「そうやって泣きごとばかりで、何もやらないつもりか?」
思いやりのない言葉をぶつけるハヤテを諌めようとするマリアとヒナギクだが、二人の肩をジェットが抑えた。
ダイは続けて言う。
「あいつのように憎しみをもてとは言わない。それでは第二の雷矢となるだけだ。だけど、艶麗を放っておいていいのか?」
ハヤテは何も言わない。話す気力もないようだ。
「戦う気がないならどうする!?」
そんな彼を、ダイは遠慮なしに再び殴った。
それを見て、マリアとヒナギクは止めようとするのだが、ジェットの掴む力が強まって飛び出すことができない
「放しなさいよ!」
ヒナギクはジェットを睨みつけるが。
「黙って見てなさい」
花南が横から口で制した。ダイを見るその視線は、彼を定めているようだ。
彼女に圧迫されたヒナギクは、口を噤んでしまった。
その間にも、ダイは追い討ちを掛ける。
「ここで腐っているか!?それとも尻尾をまいて帰るか!?」
容赦なくハヤテを殴り続けるダイ。
「弟がこんな調子じゃ、おまえの兄さんもまったくの無駄な人生だったな!」
ただ一方的にやられてばかりいたハヤテだったが、それを聞いた途端目の色が変わった。
この人は、何も知らないくせに・・・・!
湧き上がる怒りのまま、ハヤテはダイを殴り返した。
「兄さんの・・・・悪口は許さない」
ハヤテは殴った拳を強く握った。
「何分の一でもいいから、兄さんの敵を艶麗からとって見せる!けど、憎しみだけじゃない!」
ハヤテは続けた。
「あの人はお嬢様を狙っていた。そしてこれからも。お嬢様を守るためにも、あんな人にいい気にさせてたまるか!」
魂を込めてそう吠えたハヤテに、倒れこんだダイは苦笑して見せた。
「最初からそう言えばいいんだ、バカ」
立ち上がって埃を払うダイ。
「ウォーミングアップはもう十分なようだな?」 「はい!僕はもう甘えたことは言いません!このまま艶麗と戦います!」
ハヤテの目は、闘志に溢れていた。
それを確認したダイは満足そうに笑った後、踵を返しながらハヤテに言った。
「雷矢は恐らく死んではいないだろう」 「え?」
何を言われたのか理解できないハヤテだったが、ダイは続けた。
「あの男の強さは半端ではない。こんな崖崩れで死ぬわけがないさ」
背中越しにそんな言葉を送ったダイ。
そんな彼から、ハヤテはどこか温かみのようなものを感じた。彼なりに気遣っているのだ ろう。
そしてハヤテは思い出す。雷矢の強さ、昔からのしぶとさなど。
そう、あの人はこんなところで死ぬ人じゃない。
「・・・・はい!」
彼のように雷矢の生存を、ハヤテは強く信じることに決めたのだった。
それが、あの人の弟である自分の務めだと信じて。
「吹っきれたようね」
ハヤテが叫んだのを見たジェットは、マリアとヒナギクを解放した。花南は納得し息をついた。
「あれだけの気合の入れようなら、問題ないわ」 「でも、あんな乱暴にしなくても・・・・」
マリアが呟き、ヒナギクも同意だというように頷く。手を上げるなんて野蛮なことしなくても、もっと方法があったのではないか。
「ああいうのは痛い目見ないと本気が出ないのよ」
ハヤテと、近くにいる二人を小馬鹿にしたように花南は言った。
「あの執事も、あんたたちも本当甘ちゃんね」
するとヒナギクは気に食わないように花南を一瞥する。この女はどうも好かない。恐らく親しくなることなんて絶対にないだろう。
「でも、雷矢さん・・・・どうなったんでしょうか?」
マリアはそれが気がかりであった。
「・・・・あんた、あの男のことどう思ってたの?」 「え?」
唐突な花南の質問に、マリアは返答に窮してしまう。
「だから、どんな感情を抱いていたのか・・・・突き詰めて言えば、あの男のこと好きだったの?」 「ええっ!?」
ストレートに好きなのかと言われ、戸惑ってしまうマリアだったが、すぐに落ち着いて自分の心を整理する。
「・・・・わかりません。ただ、あの人の悲しそうな姿を見たら、何かしてあげたい、傍にいてあげたいと、そんな気持ちになったんです」
話していくうちに、マリアの表情は落ち込んだものとなっていた。
「メイドさん、あなたあの執事のこと信用していますか?」 「うわっ、拓実!?」
突然輪に入り込んできた拓実に、花南もマリアも驚いてしまう。
「ちょっと拓実、いきなり現れないでよ!」 「まあまあ、落ち着いて花南。でメイドさん、どうなんですか?」
拓実はハヤテのことを指しながら返答を迫る。
「ハヤテ君ですか?ええ、まあ・・・・」 「なら、彼が信じているお兄さんのこと、メイドさんも信じなさい。彼はまだ生きていると 信じている。信用している人が信じている人を信じなくてどうするの」
目を丸くするマリアに対して、花南も笑いながら続けた。
「まあ、私は人を信じるなんてそう簡単にできないから、拓実や佳幸たちがといった仲間が真に信じるものだけは信じるって決めている」
それは花南が抱いている、仲間としての在り方であった。
「だからあなたも信じなさい、綾崎雷矢を」 「・・・・はい」
マリアは、笑顔で応えたのであった。
「あんたには悪いが、このままつき合わせてもらうぜ」
ダイがマリアにそう告げた。彼女を帰せる者は皆戦いに出るため、危険だが同行してもらう他なかった。
「構いません」
しかしマリアも、雷矢の敵である艶麗が倒されるところをこの目で見ておきたいと思っていたため、望むところであった。
「それじゃあ、メルキューレの塔に行きたいところだが・・・・」
場所を知らないダイは、佳幸たちに目で問い掛けた。
「ここから遠くではありませんが、結構時間がかかりますよ」 「すると歩きでは遅いな。ジェットたち三人がビークル形態になっても、収容人数に限りがあるし・・・・」
十数人はさすがに運べないなとダイが何か移動手段を考えていた時だった。
「私がテレポーテーションで送りましょう」
エーリッヒがそう申し出てきた。
「いいのか?」 「ええ」 「わかった。すまないな、さっきのことといい」
本来なら部外者のエーリッヒに働かせるのは心が引けたのだが、本人がそう言う気ならダイは言葉に甘えることにした。それに、もしかしたらエーリッヒは自分たちに艶麗を倒してもらいたいのではとも感じたのだ。
「では、送りますね」
本心を見せないエーリッヒは、ダイたちをメルキューレの塔までテレポーテーションさせた。
次回はおまけです。 ダイたちが去った後のダスク峡谷跡に・・・・
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