Re: 新世界への神話 ( No.79 ) |
- 日時: 2010/12/28 17:49
- 名前: RIDE
- 忘れられていると思いますが、更新します
6 二人の陰鬱の使者は、自分たちのネガティブリングに、ネガティブライオーガの勾玉を挿入した。
ネガティブアイアールとネガティブワイステインに、ネガティブライオーガの力が加わった。
ネガティブアイアールは再び数本の矢を弓につがわせ、放った。シルフィードが先ほどと同様に風で打ち倒そうとした時、その矢は解放形態のライオーガに似た鳳に変わった。
「な、矢が変わった!?」 「これがネガティブアイアールの隠し技、シャドウアローだ!」
一見すると矢に黒い鳳のエネルギーみたいなものを纏っているだけにしか見えないが、矢は本当に命を得たかのように、あらゆる方向に飛び回ってはシルフィードに突きかかる。
「黒い矢はネガティブライオーガの力により、黒いカラスとなった。相手がやられるまで攻撃を続けていくぞ」
カラスとなった矢は執拗にシルフィードを攻撃していた。
一方、ネガティブライオーガによってパワーを増したネガティブワイステインは、棒立ちのままでいた。
「どうぞ攻撃してくださいと言っているのですか?」 「そうだ」
伝助が挑発すると、意外にも相手の陰鬱の使者はそれを肯定した。
「なら、お言葉に甘えて!」
ワイステインはネガティブワイステインの胸に強烈な一撃を入れる。しかしネガティブワイステインにはその威力を受けているようには見えず、立ったまま微動だにしなかった。
「これがワイステインの力か・・・・?」
ネガティブワイステインの使者は、少し落胆の色を浮かべた。
「くっ!」
再び拳を振るうワイステインだが、その瞬間ネガティブワイステインは横についていた。
「どこを狙っている」
不敵に笑う陰鬱の使者。ネガティブワイステインは動き出すが、ワイステインはその速さ についていけない。
「今度はこちらがお見せしよう。ネガティブワイステインの実力を」
ネガティブワイステインは、右の拳を構えた。その拳に、ネガティブライオーガを象った エネルギーが集まる。
「スパイラルピーク!」
殴りかかるネガティブワイステインは、ワイステインに当てる直前拳をひねらせた。それによってワイステインの身は横に回転しながら大きくふっ飛ばされてしまった。
ネガティブライオーガの力が加わったことで、ネガティブワイステインの防御力、スピード、必殺技が増し、相手は手強くなったと伝助は思い知らされる。
「本来なら封印されるところだが、新たなリングのおかげといったところだな」
ネガティブワイステインの必殺技を受けても大した傷を負わせない程、修復されたワイステインに力を送って防御させた。
しかしそれでも、ネガティブワイステインの優勢には変わりない。
「もう一発だ!」
再びスパイラルピークによって飛ばされるワイステイン。シャドウアローによって苦しめられているシルフィードのもとへ転がっていく。
「風間先生!」 「綾崎君。そちらも苦戦しているようですね・・・・」
ハヤテと伝助は隣り合う。一方、ネガティブワイステインの使者もネガティブアイアールの使者に並ぶ。
「順調だな」 「ああ。しかし貴様、ワイステインまでこちらに近づけるとは・・・・」
ネガティブアイアールは、矢をワイステインに向ける。
「奴もネガティブアイアールが仕留めてもよい、ということかな?」 「好きにしろ」
ワイステインと伝助が相手にはならないのは、先程の激突でわかったことだ。自らが手を下すまでもない。
了承が出たところで、ネガティブアイアールはワイステインにシャドウアローを放つ。
陰鬱の使者二人は、勝利を確信していた。
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