Re: 新世界への神話 ( No.77 ) |
- 日時: 2010/09/26 20:14
- 名前: RIDE
- 更新します。
4 「こいつは想像以上にしぶとそうだな」
その時、仲間の陰鬱の使者が彼の背後から現れる。
「ネガティブワイステイン」
黒いワイステインの使者は、ハヤテを一瞥する。
「さすがは雷矢様の弟といったところだな。だが、このネガティブワイステインも戦いに加わったとなると、そうもいかない」
確かに、一体二の上エイジを守りながらの戦いとなると、精霊の使者になりたてのハヤテに勝機などないのは明らかである。
「ちょっと待ってください」
しかし、この場に近づいてくる人影が二つ。
「おまえはもう一人二人戦わなければならなくなったぜ」 「なに?」
やって来たのは優馬と、そして・・・・。
「風間先生!」
自分の担任が生きていたことに対する喜びを、ハヤテは露わにする。
「大分苦労したようですね、綾崎君」
伝助は何食わぬ顔で笑いかけた。
「後は僕たちに任せて、休んでいてください」 「折角ですけど、そうもいかないんです」
ハヤテは事情を説明した。
「エイジ君を早く助けなくては・・・・」 「ちょっと見せてくれ」
優馬とユニアースはエイジに近づいた。エイジは肩で息をしており、尋常ではないことがよくわかる。
ユニアースはエイジに自身の角を当てる。治癒能力のある角で回復させようというのだ。しかし・・・・
「・・・・すぐには回復しないな。こうなると、治療に専念しなければならないが・・・・」
ここは戦場で、しかも目の前には敵が二人もいる。悠長なことは言っていられない。
この場は、仲間たちに任せるしかなかった。
「伝助、病み上がりのおまえに頼むのは医者として失格かもしれんが、この執事の坊やと一緒に敵を倒してくれないか?」
伝助は、快く承諾した。
「心配はいりません。あなたがエイジ君を治療している間に、ことは済んでいるでしょう」 「果たしてそういくかな?」
ネガティブアイアールの使者はハヤテを、ネガティブワイステインの使者は伝助をそれぞれ睨んでいる。どうやら、一騎打ちを仕掛けているみたいだ。
「いきますよ!」
それならこちらも望むところと、伝助とハヤテは自分たちの相手と向かい合った。
ハヤテは、先程自分たちを苦しめていた相手と睨み合う。
「フフフ・・・・おまえはもう終わりだ」
ネガティブアイアールは矢の先をシルフィードに定めた。
「とどめ!」
その矢を放ったネガティブアイアール。しかし矢は、シルフィードの風の力によって打ち倒されてしまった。
「なっ!」 「エイジ君をかばっていた時とは違うよ」
攻撃ができるようになったハヤテは、不敵に笑った。
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