Re: 新世界への神話 ( No.76 )
日時: 2010/09/25 19:32
名前: RIDE

更新します。


 3
 ハヤテは、足場の悪い道を歩いていた。

「暗いから、足元に気をつけないと・・・・」

 そんな彼は、突然足を止めてしまう。

「エイジ君!」

 目の前に、壁に寄りかかってぐったりとしているエイジと遭遇したのだ。

「エイジ君、しっかりしてください!エイジ君!」
「・・・・やぁ、合流しましたね」

 エイジはハヤテの呼びかけに弱々しく反応した。普段の元気一杯な姿からは創造できない程である。それだけのダメージを受けてしまったのだろう。

 とにかくエイジを助けようとハヤテは彼に近づいた。彼の容態を確認しようとしたその時だった。彼の足元に黒い矢が突き刺さった。

「ちっ、邪魔が入ったか・・・・」

 ハヤテは矢が飛んできた方向を見やった。そこには、黒いアイアールと、その陰鬱の使者がいた。

「まあ、この俺自らが手を下さなくてもそいつはやられる。ネガティブムーブランの黒炎を受けてしまったのだからな」

 陰鬱の使者はハヤテを見下しながら言っていく。

「黒炎を受けた精霊の使者は、精神を燃やし尽くされる。肉体に異常はなくてもな。その様子だと、もってあと一二時間といったところだな」
「な・・・・」

 敵の宣告に、ハヤテは愕然としてしまう。

「さあ、救助が無駄だとわかった以上、このネガティブアイアールとの戦いに集中するしかないだろう」

 ネガティブアイアールは、黒い矢を弓に番えた。

「黒い矢を受けて倒れるがいい!」

 その矢がシルフィードに向かって放たれた。

「シルフィード!」

 シルフィードは人型形態となり、その矢をかわす。

 ネガティブアイアールは連続して矢を放つが、シルフィードはそれらをすべてかわしていく。しかしハヤテはエイジをかばおうとしているため、攻撃を実行できない。

「そんなことで俺たちを倒せるものか・・・・」

 ネガティブアイアールは数本の矢をまとめて放った。シルフィードはかわすことができず、風の力でその矢を反らす。

「どうしてもそいつをかばおうというのか・・・・」

 ネガティブアイアールの使者は、ハヤテの強情さに半ば感心してしまった。