Re: 新世界への神話 ( No.74 )
日時: 2010/09/19 19:53
名前: RIDE

更新します。
第22話です。


 第22話  追い風が吹く


 1
 佳幸たちは先にダスク峡谷の迷路に入っていったエイジたちの身を案じながら彼らの帰りを待っていた。

「遅いなあ・・・・」

 達郎はぽつりと不安を零す。

「ねえ、いつまでここにいるの?」

 ミハエルが問いかけてきた。

「それはこっちのセリフだぜ。帰らないのか?」
「だって、気になるじゃないか」

 つんとして、そっぽを向くミハエル。

「それより、まだここにいる気?あの中に入らないの?」

 ミハエルは入口を指す。

「入らないのって、聞かれてもなあ・・・・」

 自分たちはダイの許可がなければエイジたちを追うことはできない。そんな必要はないのだが、彼の前だと自然とそんな風になってしまう。

 そのダイは、何か考え込んでいるようだ。

「・・・・そうだな」

 彼は、決断した。

「そろそろ、応援をよこすか」
「それじゃあ・・・・」

 途端に皆の顔から不安が晴れる。じれったく待っていただけであったが、ようやくエイジたちの援軍に行けるからだ。

「ただし、最初の時と同じように、俺が選んだ奴しか行けないからな」

 そう念を押して、皆の顔を見渡すダイ。

 ちょうどその時、ようやくエーリッヒと伝助が姿を現した。

「伝さん!」

 佳幸たちは伝助が来たことに顔を輝かせた。

 そう言って微笑む伝助のもとへ、一同は安心して駆け寄った。

「伝さん、遅いッスよ!」
「あまり冷や冷やさせるな」

 仲間たちは次々に喜びを露にする。

「よし、ここは風間先生に任せよう」

 そんな彼らを見たダイは、伝助を援軍のメンバーに指名した。