Re: 新世界への神話 ( No.71 ) |
- 日時: 2010/09/05 19:32
- 名前: RIDE
- 今日も更新します。
4 「終わりだな」
塁はネガティブコーロボンブの使者を追い詰める。
「どの道を行けば雷矢のもとに着けるのか、教えろ」
だがその問いに陰鬱の使者は答えなかった。
「通させはしない。おまえはここを永遠に彷徨うのだ」
そう言った時、深手を負ったネガティブコーロボンブが最後の力を振り絞って全方位に向けて攻撃を行った。自らを封印する引き換えに放ったそれは、周囲の壁を削り、このためにできた多数の巨大な岩が次々と落下してきた。
「おまえは一生、ここから出られないのだ」
その言葉を最後に、ネガティブコーロボンブの使者は岩に身体を押し潰された。パニックで慌てふためいたら彼のようになってしまうため、塁は冷静に周囲を見渡しながら岩を避けていく。
岩石の落下はすぐに止んだ。砂埃が舞う中で、塁はほっと息をついた。
「助かった・・・・ああ!」
だが、晴れてきた視界の中で、塁は絶句した。ネガティブコーロボンブの後ろにあった先へと進める道が、全て岩によって塞がれってしまっていたのだ。
「あいつ、これを狙ってたのか」
岩は人の力では動かせないほど大きい。谷底なので上へと攀じ登っていけば出られるかもしれないが、周りの岩壁や道を塞ぐ岩は登りにくいものとなっている。当然、空を飛ぶこともできないので、上空へ出るのは不可能である。
「そうだ、戻りの道は・・・・」
もしかしたらと思って振り返ってみたが、ここまでの道のりもやはり閉ざされていた。塁は完全に閉じ込められてしまった。
「駄目か・・・・どうすりゃいいんだ・・・・」
途方に暮れる塁。自分はたった一人で朽ちていくのだろうか。そんなことを考えていると、あるところを発見する。
「おお、あれは!」
そこは、唯一塞がれていない道であった。他にあった道とは違い、ひっそりとしていたため、塁は今まで気づかなかったのである。
「ラッキー!」
迷うことなくそちらへ足を向ける塁。先へ進めるとは限らず、行き止まりかもしれないのだが、恐れを抱くことはなかった。あそこにいたままでは永久に出られない。だから塁は行 動した。
だが、しかし・・・・。
「この道で、大丈夫なのか?」
しばらくして、どれほど進んでも続く道に塁は不安を覚え、歩く速度を緩めてしまう。
その後も、彼はグルグルと迷うことになってしまうのであった。
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