Re: 新世界への神話 ( No.70 ) |
- 日時: 2010/09/04 19:24
- 名前: RIDE
- 更新します。
3 谷底の迷路は、予想以上の難所であった。
底がとても深いため陽の光は届かず、まるで洞窟のようである。
道も穴や坂が存在していたり、途中で複数に分かれているなど、自分が今どの辺にいるのかわからないようになっていた。
「他のところから入ってったあいつらも、迷ってなきゃいいけどな」
坂を登りながら呟いた塁は、頂まで着いて息を呑んだ。
そこから先は拓かれた空間で、先ほどまで歩いてきた道に比べ、敵が襲ってきても戦えるぐらいに広かった。
そして、その場から出るためにいくつかある道の一つ。その前に陰鬱の使者が立ちはだかっていた。
「おまえが俺の相手か」
問いかける塁の横では、コーロボンブが人型形態へと変わっていた。
「そうだ。このネガティブコーロボンブによって、おまえは倒されるのだ」
相手の黒いコーロボンブも人型形態で、いつでも戦えるようにこちらを挑発していた。
「悪いが、倒されるわけにはいかねぇ」 「安心しろ、嫌でも倒されるさ」
ネガティブコーロボンブの身体から放電が起こり始めた。
「このショッキングサンダーの前にな!」
その電気が、コーロボンブに襲いかかった。
「スパーキングブリッツ!」
コーロボンブも必殺技を放ち、ネガティブコーロボンブの黒い電気エネルギーとぶつかり合う。
「ふっ、ネガティブコーロボンブの前ではそんな必殺技などすぐにかき消されるわ」
だがそんな陰鬱の使者の予想に反して、コーロボンブの電気エネルギーはどんどん黒い電気エネルギーを飲み込み、そして、ネガティブコーロボンブを攻撃した。
「すげぇ・・・・」
塁は呆然と自分の腕に着けたリングを見た。
「完璧に直っているだけじゃねぇ。前のリング以上に俺の心をコーロボンブに伝えることができてる」
だから、ネガティブコーロボンブの必殺技を押し返す程の力を発揮できたのだろう。
「このリングには、伝さんの思いが宿っているのかもしれないっスね」
その思いに応えるためにコーロボンブはとどめの必殺技を放った。
「サンダーボルトナックル!」
スピリアルウォーズの時以上の威力を持った一撃が、ネガティブコーロボンブをふっ飛ばした。
「あ、ああ・・・・」
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