Re: 新世界への神話 ( No.61 )
日時: 2010/05/11 20:00
名前: RIDE

更新します
19話ラストです


 7
 どことも知れぬ巨大な峡谷。

 そこをすべて一望できる崖に、雷矢はいた。

「雷矢様!」

 そんな彼の後ろに、先ほどハヤテたちの前に現れた陰鬱の使者たち五人が、敬意をもって跪いた。

「ネガティブグルスイーグ」
「ネガティブアイアール」
「ネガティブムーブラン」
「ネガティブコーロボンブ」
「ネガティブワイステイン。以上五名、ただ今戻りました!」

 雷矢は振り返り、自分の配下の中で最も実力のある使者たちを見下ろした。

「おまえたちに使命を与えるが、言わなくともわかっているな」

 申されなくともと、五人の中でリーダー格であるネガティブワイステインの使者が代表して答えた。

「八闘士ら青銅の使者を倒し、黄金リングを奪えばいいのですね」
「そうだ。近いうちに奴らに挑戦状を送りつける。黄金リングを持って俺たちのもとへ来いとな」
「しかし、持ってくるのでしょうか?」

 ネガティブコーロボンブの使者が質問してきた。敵がこちらの言い分に従うかどうか疑っているのだ。

「心配ない。こちらには黄金の勾玉に加え、人質までいるのだ。素直に来てもらわなければ、どうなってしまうかと脅せばいいだけだ」

 そのために雷矢は、マリアをさらったのだ。

「黄金の勾玉はこの雷矢の手中にある。確認するが、おまえたちの使命はなんだ?」
「わかっております、雷矢様」

 ネガティブムーブランの使者は不敵に笑った。

「我ら五人、必ずや青銅の使者たちから黄金リングを奪うことで、雷矢様のご期待にお応え
します」

 確認をとった雷矢は黙って頷いた。

 あとは三千院家と、それにかかわる者たちを打ち倒すだけだ。雷矢はその時を待ち構えるのだった。