Re: 新世界への神話 ( No.35 ) |
- 日時: 2010/01/01 23:26
- 名前: RIDE
- 更新します。
新年最初は少し短いです。
第14話 スピリアルウォーズ勃発
1 ナギの屋敷に集まってから数日後。
精霊同士の戦いの情報は、新感覚のバーチャルゲームショウとして世界中に流され、開幕一週間前で信じられないほどの注目を集めていた。もちろん、三千院家が宣伝にも少々力を入れているからこそ世界中でにぎわっているのだろうが。
「なあ、本当にこの山にあったのか?」
そんな世情の中、高尾山に登る男が四人。
「ええ、間違いありません」
道案内の伝助の後を、優馬、拓実、そして大き目のリュックサックを背負った塁が続いていく。
彼らは山登りを楽しむためではなく、あることを調査するために登っていた。
「ねえ塁、聞かないでいたけどさ、その荷物は何なの?」
拓実が尋ねると、塁はレトルト食品やら懐中電灯やらを取り出して見せた。
「遭難した時に役立つものをいろいろと・・・・」 「あのね、この高尾山で遭難するわけないでしょ?もしするとなったら、コースから外れた道を行ってしまったって考えられるけど、僕たちはそんな幼稚園児じゃないんだからさ」
実際に遭難してしまったハヤテ達には聞かせられないなと聞き耳を立てていた伝助は、目 的の場所を目にした。
「ここですよ」
そこは、龍鳳と翼闘士の勾玉を見つけた洞窟であった。そのまま中に入る四人。
「相変わらず暗いですね」 「こんな時こそ懐中電灯の出番。持ってきてよかっただろ、拓実?」 「いばらないでよ。それより、全員ぶつかったり身体触ったりしないでよね」 「男同士でベタベタする趣味はねぇよ」
そんなやり取りをしている間に、二つの勾玉が置かれてあった場所まで着いた。
「特に変わったことはなさそうだが・・・・」
二つの勾玉が本物なのか、何故この山にあったのか、その謎を解明するための手がかり を四人は求めていた。しかし、洞窟の中にはそれに値するものは見当たらず、あると信じて高尾山に登った四人の期待は萎みかけてきた。
「ん・・・・?」
そんな中、優馬が何か見つけたのか、地面をかきだし始めた。
「優馬、どうしたのですか?」
伝助たちも優馬の側に寄って見る。
異物はすぐに取り出せた。細長く、変な形の白い石のようなものである。
「それは、一体?」 「・・・・人骨だ」 「人骨!?」
塁たちは驚いて後ずさりした。
「死んでから数年以上経ってるみたいだが、よくわからないな」
すると、拓実が恐る恐る手を伸ばした。
「それ、僕の知り合いの鑑識官に調べさせてもらいましょうか?」
祖父は警察官の武道指南役、そして幼い頃に亡くなった父も警察官という警察の家族を持つ拓実には、警察関係といろいろなパイプで繋がっているため、それが可能であった。
「わかった」
優馬は白骨を拓実に渡した。
「確証はないが、勾玉に関係していると思う」 「ええ。しっかり調べるように頼んでおきます」
拓実は頷いた後、それを大切に扱うように懐にしまった。
しかし、人骨が出てきたということは、ここでなにか穏やかではないことが起こったということである。翼闘士と龍鳳の勾玉をめぐって、何が起こったのか。
謎は深まるばかりであった。
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