Re: 新世界への神話 ( No.13 )
日時: 2009/09/27 18:07
名前: RIDE

更新します
第5話ラストです


 3
「ああっ!」

 シルフィードが倒され、ハヤテは軽い混乱に陥った。

「ど、どうすれば・・・・」

 そんな時、ダイが一声かける。

「しっかりしろ」
「えっ?」
「シルフィードはまだ戦える。だがおまえが戸惑っているようじゃシルフィードは出せる力も出せない。強く意志をもて」
「高杉君・・・・」

 言われると、もう一度戦えるような気がして、ハヤテは気合を入れなおした。

 歩を助けたい、と。

 その時、シルフィードも光に包まれ、姿を変えていく。

 身体はガイアースと同様大人に変わっている。手足はそのままだが、背中には一対の翼が生え、頭は人間の物になっている。

 人型になったシルフィードの力は、同じ人型のガイアースと互角だった。だがシルフィードが空を飛べる以上、勝負は見えていた。

 土の技を受けないシルフィードに、動きが止まった隙をうかがうガイアース。空中で止まったその瞬間、地砕爆慎拳を当てようとした。

「今だ、ドリル!」

 突如、地面からドリルのついたタンク車が現れ、ガイアースの体勢が崩れだした。

 ロッド・ドリルのドリルタンクモードである。

 逆に、ガイアースに隙ができた。

「いっけえっ!」

 シルフィードは風をまとい、ガイアースに突進した。

 まさに疾風の如く。直撃を受けたガイアースは力尽き、リダートに封印される。

 そして歩は、その場に倒れこんだ。

「西沢さん!」
「歩!」

 ハヤテとヒナギクは歩の傍に駆け寄った。

 気がついた歩は、二人を見てきょとんとしている。

「ハヤテ君、ヒナさん・・・・あれ、私なにしてたのかな?」

 普段の歩に戻ったらしく、二人は安心した。



「それじゃ、私は西沢さんを送っていきますね」

 夜も遅くなったのでそれぞれ帰ることとなった。その際、女の子一人では危険だというこ
とで、シュウは歩を、翼はヒナギクに付き添うことになった。

「じゃあねハヤテ君。助けてくれてありがとう」

 歩は笑顔でハヤテに礼を言い去っていく。

「歩、助けられて良かったわね」

 ふいにヒナギクがハヤテに声を掛けた。

「はい。それとヒナギクさん、すみません」
「え?」

 謝れるようなことをされていないと思っているため、ヒナギクは首をかしげる。

「今日もまた、戦いに巻き込んでしまって・・・・」
「べ、別にいいわよ」

 そんなことでも気遣ってくれる事が嬉しく、ヒナギクはつい照れてそっぽを向く。

「うちの生徒たちも囚われているんだから、生徒会長として見届けないと。ハヤテ君こそ大変な身なんだから、これからも気をつけてもらわないと・・・・」
「ありがとうございます。そんなに心配して下さって・・・・」
「だ、だから・・・・。もういいわ!おやすみ!」

 必死で何かをごまかそうとするのだが、言葉が回らず、そのまま去っていった。

「ま、また怒らせちゃった・・・・」

 何が原因かわからないが、ハヤテは落ち込んでしまった。

「俺たちも行くか」
「そうだな」
「待ってください」

 大地とともに帰途につこうとするダイを、マリアが呼び止めた。

「高杉さん。真中さんを呼び止めた時点で、相手が土を操る敵だとわかっていたんですか?」
「・・・・さあ、どうかな?」

 笑ってはぐらかすその姿は、いつものダイであった。