Re: 新世界への神話 ( No.12 ) |
- 日時: 2009/09/26 18:29
- 名前: RIDE
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2 ヒナギク、翼、大地がナギの屋敷を訪れていた時には、ダイとシュウは大画面で流れるDVDの映像に釘付けとなっていた。
「何なの、これ?」 「じつは・・・・」
ハヤテから事情を聞いたヒナギクは呆れてしまった。
「高杉君って、こういうのが好きなの?それとも、向こうの世界にはこういう文化は無いのかしら?」
だが翼と大地は二人に混ざり、真剣な面持ちでブツブツと会話している。
「これってマリーメイアの反乱だよな?」 「デビルガンダム事件まである。もっとも俺たちは当事者のダイから話を聞いただけだから良くわからないが」 「エオニア戦争は描かれていないか・・・・。というより、キャラが違うような・・・・」 「電脳世界って、こんなイメージなんですね」
話の内容を聞くと、異世界から来た割には詳しすぎるような気がして、ハヤテは質問してみた。
「あの・・・・、向こうの世界からきたのにご存知なんですか?」 「見てきたからな」 「えっ?」
言葉の意味がわからずぽかんとしてしまう。
「このメディアに流れているのは、俺たちの世界で起こったことでもあるんだ」 「ええっ!!?」
部屋にいたハヤテ、マリア、ヒナギクの3人は地がひっくり返るような気分に見舞われた。
「時々お互いの世界がこういうふうに物語として語られることがあると賢明大聖が言っていた。まあ、細かいところに違いはでてるが」
説明するダイを、ハヤテたちはまじまじと見てしまう。彼らは言わばマンガの世界からやって来たようなものだ。神々がどうとかよりも、こちらの方に衝撃を受けてしまう。
改めて借りてきたDVDを確認する。白いMSが出てくるものや戦闘機怪獣の戦い、ラブコメな戦艦に銀河の天使たち、電脳世界の冒険記、少年が神話になる物語。
これら全てが、ダイたちの世界で起こったのだ。
「その・・・・よろしいでしょうか?」
ダイはメディアを止め、訊ねてきたマリアの方を向いた。
「高杉さん、あなたは只者じゃありませんよね。向こうの世界では何をやってたんですか?」
ダイは一息つくと、いつものはぐらかすような様子も無く話し始めた。
「俺がこの歳の時、故郷の星を中心に戦乱が広がっていった。俺はそれを止める為に戦い、戦乱を裏から煽っていた奴を倒した。その頃から俺は、人々から勇者と言われるようになった」 「勇者・・・・」
普段はそういうふうには見えないが、確かにダイは隠れた貫禄がある。勇者というのも頷けるような気がした。
ダイはさらに続けようとする。
「俺は・・・・」
その時、屋敷が大きく揺れ出した。
「地震?」 「いや違う。外に出てみるぞ」
何かを感じたダイは皆を促した。その際にダイは大地に何かささやき、了承を得ると、彼をその場に残らせた。
不審者がいるというSPの情報を元に、その不審者がいる場へと向かうダイたち。
そこにいたのは、ハヤテの元同級生であった。
「西沢さん!」 「歩!」 「やっぱりいたね、ハヤテ君。ヒナさんも一緒だったんだ」
歩は、小さな女の子の風貌をした精霊を従えていた。
「そこにいるタカスギっていう人だけならともかく、シルフィードが加わったら厄介だっていってたから、私が来たんだ」
昨日の咲夜と同様、いつもの人のよさそうな歩の表情はそこに無かった。
「ハヤテ君、私にやられてくれないかな?それとも、私の土のガイアースと戦う?」
歩を相手に戦うのは、いささか気が引けたのだが。
「大丈夫だ。昨日のように精霊を倒せば催眠が解けるはずだ」
と言うダイの言葉を信じ、わずかにためらいながらも戦いを決心した。
「その顔は戦うって言う顔だね。ガイアース!」
火花が散ったとともに、ガイアース地面に拳を叩きつけた。途端に大地が大きく揺れる。
「うっ、うわぁ!」
ハヤテたちの足元がふらついた隙にガイアースは攻めようとしたが、その前に開放形態のシルフィードが立ちはだかった。
ガイアースに襲い掛かり、連打を浴びせるシルフィード。ガイアースは一旦距離をとって再び地に拳を突きつけた。今度は地面がシルフィードに向かってせり上がっていく。
しかし地面に捉えられる瞬間、シルフィードは空へ飛び上がっていた。そのまま足の鉤爪でガイアースを切り裂き、蹴り飛ばす。
ガイアースの身体が光に包まれ始めた。封印されるのかと思い勝利を確信したのだが、ガイアースはその姿を変え始めた。胸当てと手甲を装備した、大人の女の戦士に。
「あれがさらに力が増した人型って奴か」
ガイアースは知るフィードに向かって飛び上がる。シルフィードはさらに上昇しようとするが、間に合わない。
「地砕爆慎拳!!」
ガイアースの必殺技を身体に受けてしまい、シルフィードは受身も取れないまま落下してしまった。
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