Re: 女神と共に (10月31日更新再開) ( No.5 )
日時: 2011/10/31 23:24
名前: masa

お久しぶりです。masaです。

これからの構想を練っていたので遅くなりました。

前回までのがプロローグで、今回から第1部となります。

では、本編どうぞ。
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あれから10年ほどの月日が流れた。

今現在は、クリスマスイブの夜。街のあちこちからクリスマスソングが流れ、とても楽しそうな雰囲気が漂っていた。

その雰囲気から1歩外れた、道路で一人の少年が走っていた。

「まずいな。すっかり遅くなっちゃった」

その少年は時折腕時計を見ながら、急いでいた。

「仕方ない。ここは近道するか」

その少年は、割と大きめな公園に入って行った。


           × ×


一方、その公園内ではちょっとしたひと悶着が起ころうとしていた。

「うう寒いな。まあ、せっかくここに自販機があるし、あったかい飲み物でも」

しかし、

「あ、財布持ってきてない」

その少女が困ってると、

「ねーねー彼女一人?」
「俺たちと一緒に遊ばない?」

見るからにチャライ2人組がその少女に話しかけた。

「えっと、困ります」
「そんなこと言わないでさあ」
「優しく言ってるうちに行こうぜ」

一人が、その少女の腕をつかみ、引き寄せようとした。

「やめてください。人を呼びますよ」
「呼んだところで誰も来ねえよ」
「そうそう。こんな日にこんな公園にくる奴なんていねえよ」

しかし、

「何やってるんですか?」

先ほど走っていた少年が話しかけてきた。

「あ、なんだよてめえは」
「関係ないだろ」
「そうも言ってられないんでね」
「っち。今このこと遊びに行こうとしてたとこだよ」
「でもその子は嫌がってるように見えますよ」
「うるせえな。痛い目見たくなかったら---」

そう言いながら少年につかみかかろうとしたが、その少年は表情一つ変えずに、その不良を投げつけた。

「てめえ」

投げられた不良がすぐに立ち上がり、反撃しようとしたが、またしても素早く後ろに回り、その不良の腕を極めた。

「これ以上痛い目に会いたくなければ、大人しく立ち去りなさい」

諦めたのか、あっさりと引き下がった。

「あ、あの」
「ん?あ、大丈夫でしたか?」
「え、ええ私は。でも」
「僕は平気ですよ。鍛えてますから」

少年はやさしく微笑んだ。
すると、その少女はその笑顔に動揺した。

「それより、失礼を承知で聞きたいんですけど」
「な、なんでしょう」
「どうしてそんな恰好をしてるんですか?」

その少女の恰好はとても冬場に着るような服ではなく、肩などが露出した寒そうな格好だった。

「近くでパーティをやってたんだけど、嫌になったから抜け出してきたんだ。でも、少しあわてて出てきたから上着も財布も忘れちゃって」

少女は肩を震わせながらそう言い切ると、小さなくしゃみをした。
すると、少年が着ていたコートを少女に羽織らせた。

「え?あ、あのこれ」
「差し上げますよ。安物ですけど」
「そ、そんな悪いです」

少女が脱ごうとしたが、

「じゃあ、預けておきますよ。いつかまた、出会う時が来るまで、あずかっててください。その時に、返していただければ結構ですよ」
「で、でも」
「女の子が寒がってるのにほおっておけない男の気持ちを尊重させてください」

さすがに少女も折れた。

すると、少年が

「あ、いけない。もう行かないと。では、僕はこれで」

少年は走って行ってしまった。


「名前、聞けなかったな」

少女が何気なく頬に手をやると、熱を持っていた。

「あつい。それに」

胸に手をやると、まだドキドキしていた。
さらには今まで感じたことがない気持も芽生えていた。



この2人の出会いが、のちにかなりの厄介事を引き起こすことになることを2人は知る由もない。


               × ×


一方の少年はまた走っていた。
そして、家いや豪邸と言い換えてもいいところへ入って行った。

広い庭をしばらく歩くと、玄関に黒いドレスを着た少女が明らかに苛立ちながら立っていた。
少年は頭を2,3回かいた後、黒いドレスの少女に近づいた。

「全く。買い物をするのにどれだけ時間をかけているんですの」
「ごめんごめん。この時間だから混んでて」

しかし少女の機嫌は治らないようだ。

「それにコートはどうしたんですの?まさかなくしたとか」
「違うよ。人助けをして、その子が寒がってたからあげたんだよ」

少女は呆れたようにため息をついた。

「やれやれ。あなたらしいというかなんというか」

少女はしばらく頭を抱えると、

「ともかく、パーティーに戻りますわよ」

すると、

「ねえ、もしかして怒ってる?」
「怒ってませんわ」

しかし、声は明らかに不機嫌だった。

「怒ってるんでしょ?」
「だから怒ってなど---」
「すきあり」

少年が黒いドレスの少女にキスをした。

「フフフ。これで機嫌を直してくれるよね」
「ま、全くハヤテったら//////////」
「機嫌治ったね、アーたん」

そう、先ほどの少年はハヤテである。
現在のハヤテは、10年前から欠かさずにきつい修行を続けていたため、原作より筋肉質で、女装よりもかっこいい服が似合う大人の男に成長していた。

そして、黒いドレスの少女はアテネである。
ちなみに、原作と容姿などは変わってない。

「と、ともかく主賓が長いこと抜け出しては問題ですわ////////」
「じゃ、もどろっか」

そう言うと、ハヤテはアテネの手をつかみパーティ会場へと戻って行った。

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以上です。
次回は未定です。
では。