Re: 小説/感想を書くときに困ったこと相談所@ ( No.5 )
日時: 2013/05/19 10:40
名前: 双剣士
参照: http://soukensi.net/ss/

S●NYさんの>>1の質問1について、私なりの回答を書かせていただきます。
『どうあるべき』というより『自分の場合はこうしている』を書けばいいと思いますので、
自分の小説を例にとって説明しますね。

竜狐の対決
http://soukensi.net/perch/hayate/subnovel/read.cgi?no=97

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Q.クライマックスやオチの場面をひらめいた後、それを起承転結あるストーリーに仕立てるため、皆さんはどうやって物語を作っているのですか?

私の場合はクライマックス(転)をまず固めた後で、そこに至るまでの理由を考える……つまり転→承→起の順に考えて行きます。
上述の作品の場合なら

(転)桂ヒナギクが、選挙で日比野文に敗れる! 勝負にならないと思われたのに旧生徒会陣営が
   『テストの答えを教えてもらえるから(3人娘)』『面白そうだから(愛歌さん)』と次々と離反

(承)ヒナギクが負ける理由ってなんだろう? 文ちゃん側に勝てる要素が無いとすると、ヒナギク側で
   コケる理由を作るしかない……そうだ、芸能人みたいに『普通の女の子に戻りたい』路線で行こう!
   幸いヒナギクには、彼女を『ママ』と呼ぶ幼女がいたり男子生徒たちから敵視されてる少年と同居してたりと
   つけいるスキがたっぷりあるじゃないか!

(起)しかしヒナギクがスキだらけとはいえ、あの日比野文がそこを的確に突けるとはとても思えない。
   かといって文ちゃんを確変させてしまうと、(転)の意外性がまるでなくなるし……
   おお、そうだ文ちゃんの身近には王族出身の親友がいるじゃないか。シャルナなら政争の経験もあるだろ、
   それに基本的に男子脳のヒナギクには、そういった搦め手からの攻撃に耐性があるとは思えないし!

そして(ここからが肝心なんですが)物語の軸をしっかり固めた後は、ラストで何とかしてそれを曲げられないかって考えるんです。
なぜならこのままの勢いでエンディングまで行ってしまうと、『鬼退治をした後はみんな仲良く暮らしました』『お姫様は幸せになりました』
といった童話同然の締めくくりにしかならないから。そんな単純な構造は私のプライドが許さない。

(結)ここまで作った流れを逆転させるとなると……ヒナギクの悪評の根源たる綾崎ハヤテに、それを否定させるしかない。
   とはいえ全校生徒の前で彼に『ヒナギクさんは悪くないんです!』なんて言わせたって説得力はゼロだろうから
   見る人が『ああ、これが真実であり本心だ』と思い込むだけの舞台装置がいる……そうだ、●●●オチにしよう、
   これならあの2人らしいし! (●●●に何が入るのかは小説本編をご覧ください)

で、ここまでをしっかり固めてから数日寝かせて、冷めた頭で全体を俯瞰して細部を調整(3人娘の裏切り理由の変更など)してから
小説本文の執筆を始めるのです。
(起)(承)(結)が決まってない段階で(転)に惚れこんで執筆を始めてしまうと、たいていは執筆途中で案が浮かばず挫折したり
中盤が思うように行かなくて性格崩壊や特殊能力に頼ってしまったり、クライマックス後が歯抜け同然の取って付けたような
エンディングになってしまいがち。これは短編でも長編でも同じことが言えます。


>>1の2番目の質問に対する回答は、また別の機会に。