小説の書き方を議論するスレ ( No.0 ) |
- 日時: 2013/03/16 20:41
- 名前: ピーすけ(元ピアノフォルテ)
- ひなたのゆめは、二次創作の登竜門的存在でした。
こちら止まり木でも、新たに創作活動をされている方、或いはしてみたい方も多いと思います。マナーについて議論している所はあっても、技術的な書き方そのものについては余り触れられていないようでした。 なので、僭越ながらこの場を設けさせて頂きました。 全くの初心者の方は勿論、経験者の方々も意見を交換し合って、より止まり木のクオリティを上げていけたら幸いです。
さて、当スレッドにて取り扱う議題にとしては
1)小説のレトリック、表現技法に関すること。 2)文法的な話。 3)物語の作り方(プロット、ストーリーの作り方)
を主な内容としていくつもりです。 個人的な考え方でも良し。しっかりとした知識に基づく注意でもおk。
!!WARNING!! ※ただ、小説を紹介するスレッドではありませんので、明確な宣伝行為はお控えください。 ※また、文法的な話題であっても、他の方を卑下するコメントはNGです。確かに書き方に対する批判は、文に関する知識を共有する場である以上、このスレッドの範疇です。しかし、誰かを不快にさせるものであってはなりません。節度をもってコメントして下さい。
その他、これについても議論して良いの?と疑問に思われた方は気軽に質問して下さい。 余り堅いスレッドにはしたくないので、趣旨に反しない範囲であれば、出来る限り取り入れて行きたいと思います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (3/23補足) ※ここに書かれていることは、あくまで『参考』です。 個々によりやり方は違うと思いますし、小説において、絶対の正解というものは存在しません(批判覚悟で言うなら、文法、慣用句の制限すら無いと私は思っています)。 こうしろ。と決めつけてしまうものではありませんので、読むことを強制しても無いのです。 もちろん、一読した上で、ここに書かれている約束事を破って頂いても結構。 このスレッドの本当の趣旨は、まだ書き方すら解らない方に読んで頂く事で、少しでも『小説を書く』ことを身近に感じて欲しい。という一点に尽きます。
今現在、こちらに書きこみをして頂いている方は、(私はさておいてw)いずれもそれなりのキャリアを詰んだ、実力のある方ばかり。 本当の初心者の方が入って来づらくなってしまっているのではないか。と、頭を抱えています。 高尚なタイトルを謳っていますが、オープンな場所なのです。 皆さん長文ですが、止まり木規定に引っ掛からない程度の短文質問も有りなのです。 どうか、お間違えのないよう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
それでは試しに、ショートストーリーを作りつつ、私のやり方を紹介してみようと思います。
1)Q.そもそも、小説って、どうやって作るの? A.ストーリーを考えて文章に起こせば、取りあえず小説です。 ……なにを言っているんだ貴様は?と言われる事請け合いですねw
2)Q.ストーリーってどうやって作るの? A.まずは何でも良いからテーマを決めましょう。絵でも、文でも、音楽でも何でも可。ただし、出来るだけ具体的な方が後々書きやすいです。 最近、開花宣言もありましたし、今回は「桜」にしましょうか。 さらに、桜からイメージされる「進学」辺りも入れて行きましょう。
3) Q.出来たよー
はらはらはら。満開の桜。 千桜「きれいだ」 ハヤテ「そうですね」 千桜「桜が散り始めると、新しい年だって感じがするよな」 ハヤテ「やっぱり、名前に桜が入っていると思い入れがあるものなんですか」 千桜「多少はな」 ハヤテ「・・・桜と書いてハル。素敵な名前ですよね」 千桜「//////////ポ」 ハヤテ「どうしたんですか、顔が赤いですよ」 ガッ。 ハヤテ「ぐふっ、なんですか。肘鉄はやめて下さい」 千桜「きみはそんなんだから……」クルッ。 千桜は背を向けた。
A.別にOKじゃね?
4) Q.もっと小説らしいのがつくりたいの A.じゃあ、順次直していきましょう。 まずは、 人物名「台詞」←この形についての説明から。 一般にト書きと呼ばれる形式で、本来は台本向けの書き方です。 利点としては、最低限の文章で誰が何を言ったのか、混乱なく解る。っていうのが一番大きいです。文章をそのまま売り物にする小説の形式では、細かい描写が不足してしまいがちなので、出来るだけ避けましょう。 そして「//////」などのスレッド向けの記号も避けましょう。 ちなみに「・・・」は・6つで「……」が一般的です。
それでは、まずは単純に。
はらはらはら。満開の桜。 「きれいだ」 千桜が言った。 「そうですね」 ハヤテが答えた。 「桜が散り始めると、新しい年だって感じがするよな」 千桜が言った。 「やっぱり、名前に桜が入っていると思い入れがあるものなんですか」 ハヤテが言った。 「多少はな」 千桜が答えた。 「……桜と書いてハル。素敵な名前ですよね」 ハヤテが言った。 千桜が顔を赤らめる。 「どうしたんですか、顔が赤いですよ」 ハヤテが言った。 千桜が肘鉄をした。たまらずハヤテが言った。 「ぐふっ、なんですか。肘鉄はやめて下さい」 「きみはそんなんだから……」 千桜は言いつつクルッ。とターンし、背を向けた。
4) Q.なんか読みにくい。しかもつまんない。 A.そうですね(苦笑) 原因としては○○は言った。の形を使いすぎて単調になってしまったことが原因です。 また、ト書きで無くなってしまったために、地の文の薄さが浮き彫りになってしまいました。 オノマトペ(はらはら)(クルッ)の使い方も捻りが無いので稚拙に映ります。
ここから先は、語彙と修辞法との戦いです。どれだけ多くの表現を持っているかで全く違ってきます。 第一制限として○○は言ったを出来るだけ使わずに、第二制限として、擬音語を使わずに書いてみましょう。 更に、同じ表現を出来るだけ避けると、それっぽくなります。
春の穏やかな風に吹かれて、桜の花びらが吹雪となって散っている。 一寸先は闇、ならぬ一寸先は桜の状態だ。さくらさくら、霞か雲か。まったく、昔の人は上手い表現をしたものだ。 「きれいだな」 千桜は腕を伸ばした。白い掌に鮮やかな色の花弁が乗って、また風に吹かれて落ちて行く。 「そうですね」 ハヤテが頷いた。美しき桜吹雪と、その中に佇む少女への素直な賛辞である。 「桜が散り始めると、新しい年が来たんだなと思わされるよな」 千桜は、桜の花弁を溶かして作った紅を塗った様な、唇の先を吊り上げる。 元々玲瓏な少女ではあるが、桜を背景にするその笑顔は、より無邪気で美しく映った。 「やはり、貴女にとって桜は特別なのですか」 千の桜――桜と書いてハルと読む。その名を持つ彼女に、ハヤテは問いかけた。 「ま、多少はね。たまに変な名前だって言われるけれど」 千桜の笑みに恥じらいが混じる。頬に桜の色が混じった。 彼女にとって、特殊だが可愛らしい名前は、親に貰った一番の贈り物だった。 「とっても、素敵ですよね。僕は、好きですよ」 ハヤテの表情は、いつだって優しげで素直で、それが嘘でも世辞でもないと解ってしまう。 千桜は、顔に血が登ってしまうのを耐えられなかった。思わず顔を背ける。 桜色から、一気に林檎のようになった彼女の顔を、見当違いの心配をしたハヤテが覗きこむ。 「どうされたのですか」 千桜はハヤテの脇腹に、肘鉄をお見舞いした。 天誅。恥じらう乙女の顔を覗きこむべきではないのである。 呻き声を上げて後ずさったハヤテを睨みつける。 「君はそんなんだから」 一部の女子たちを悶々とさせる羽目になるのだ。と忠告しかけて、止めた。 何故そこまでしてやらねばと思ったのもあるし、言った所でこの男には理解できないだろう。もし理解できたなら、こんな無自覚に女性を喜ばせることなど不可能だ。 鼻を鳴らして千桜は踵を返し、戸惑うハヤテを置いて先に校舎へと向かった。 ――4月。彼女たちは一つ階段を登る。年を重ねれば、いつか彼が、そう言った事を理解する時も来るのかもしれない。というか、そうなってもらわねば、千桜も彼にやられてしまいそうだった。 「待って下さいよ」 後を追ってくる彼から逃げるように、千桜も足を速める。 “――追ってくるんじゃない。馬鹿野郎” 千桜は口の中で悪態を転がした。 桜吹雪は彼女の赤ら顔を隠すカーテンになってくれているだろうか。
5) Q.なるほど、わからん。 A.ここから先は、沢山の本を読んで修辞法を真似たりするのが一番。 やりようは色々有るでしょうし、あったやり方は人によって違うと思います。 私のやり方を真似たければ、どうぞそうして下さい。
他に何かあれば、どんどん意見交換して行きましょう。 それでは。
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