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対象スレッド 件名: Re: 解のでない方程式
名前: タッキー
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Re: 解のでない方程式
日時: 2016/03/05 21:43
名前: タッキー





m(_ _)m


すいません。マジですいません。いや、ほらね……レポートとかあったし、試験とかイラストもあったんですよ。…モンハンも…あったし……(小声
まぁ久しぶりで、そうでなくともいろいろ行き詰っていた回なので今回は正直言ってすごく端折りました。すいません。
いろいろまた問題が多くなるとは思いますが、それでもまだしぶとく更新していくつもりなので、温かい目で読み流しだけでもしていただいたら幸いです(特に今回は
それでは、久しぶりに…
更新!








































「で…、なんでまたここにきた?もう店を閉めたいんだけど…」

「店を閉めるって…、そもそもガウくんがマスターになってからオープンもしてないじゃない」

現在、ハヤテとヒナギクの前では明らかに不機嫌そうな顔をした岳が、喫茶どんぐりのカウンター席にどかりと腰を下ろしていた。ただ、彼の表情を不機嫌とは表したものの、それはハヤテたちが来たことに対して怒っていると言うより、どちらかというと「やっぱり来た…」という呆れた感じの色が強く出ているようだった。











少し前…
泣いて、泣いて……泣きはらした後、ハヤテとヒナギクはお互いの体を離すよりも先に、岳の家へと向かうことを決めた。感謝の言葉はもちろん、謝罪の言葉などいろいろなことを伝えておかなくてはと、両方とも思っていた。
しかしまぁ、一応そういう経緯があって二人一緒に喫茶どんぐりに来たのはいいものの、言葉を伝えたい相手がどうにも話づらい雰囲気を出してていたため、現状、ハヤテとヒナギクはどうしていいか分からずにただ岳の言葉を待っていた。
そんなハヤテたちに岳はため息をつき、めんどくさそうな顔で自分の髪をワシャワシャと掻き回した。

「じゃあ、ヒナ」

「え?…私?」

「あぁ。取り敢えずお前だけ話せ。ハヤテとは少し二人だけで話しがしたいから、言いたいことがあるならその時に聞いてやる」

ハヤテとヒナギクはお互いに顔を見合わせた。ハヤテと二人だけで話したいことというのが気になったが、それついては一旦考えるのを止め、ヒナギクはずっと気になっていたことを言葉にした。

「それじゃあ、なんでハヤテを生き返らしてくれたの?」

「……生き返らせたもなにも、別にハヤテは最初から死んでいなかったんだけど?」

「そ、それじゃ!なんでハヤテのことを助けくれたのよ!?ガウくんが助けてくれたんでしょ!?」

「それはそうなんだが……」

岳は仰ぐように天井を見上げ、少しの間をおいて、視線はそのままで口を開いた。

「まぁ、ぶっちゃけ気分だな」

「……は?」

「たまたまだよ。たまたま、そういう神様みたいなことをしてみようかと思ってたら丁度よくハヤテが海に沈んでたんでな」

「………」

既に視線を戻している岳の黒い目を見て、ヒナギクはすぐにそれが嘘だと分かった。いや、嘘をついているとまではいかなくても、少なくとも言葉を濁していることはなんとなく察することができた。そして、それと同時に彼の言いたいこともヒナギクには理解できたような気がした。



お前に話すことは何もない…と。




「………」

「というわけだから、別に俺はお前の願いを叶えてやったわけじゃない。それに、人の願いを叶えてやるのは人だと…だいたい決まっている」

岳は椅子から腰をあげると、顎でハヤテについてくるよう合図し、そのまま彼の家につながっている休憩室までまっすぐ向かって行った。ハヤテは心配そうにヒナギクのほうを見ていたが、やがて岳についていき、ヒナギクは喫茶店で一人になった。









































「おやおやおや?そんなに浮かない顔をして、ヒナちゃんはいったいどうしたのかな?」

少しわざとらしい心配の言葉が、突然後ろから聞こえてきた。ヒナギクが振り向くと、レナがニコニコとした表情で当たり前のように立っていた。まぁ、ここが岳の店になったということは彼女の店になったということと同義なので、彼女がいるのは当たり前と言えあ当たり前のことではあったのだが。

「レナ……。もしかして、全部聞いてた?」

「いや、私はさっき来たばかりだよ」

ヒナギクには入り口のベルが鳴った音は聞こえなかったし、ましてや岳たちの向かった休憩室から誰かが入ってくるのも見えなかった。だから「さっき来た」というのはおかしな話だと思ったが、彼女が「さっき来た」と言っているのでヒナギクはそれを信じることにした。相変わらずニコニコしているレナが嘘を言っているようにも見えなかった。

「ねぇ、ヒナちゃん…」

「ん?」





































「ガウスが言わなかったこと……教えてあげようか?」














第8話 『 籠庭の入り口 』
















岳に連れられてハヤテが入ったのは、彼が目を覚ました部屋と同じ部屋のようだった。「ようだった」というのは、その部屋がある位置はハヤテの記憶通りだったにも関わらず、その中の景色はハヤテの知っているモノと少しは違っていたからだ。あったはずのベッドがなく、代わりに…ではないだろうが、その位置にはなぜかドアがあった。
そのほかは何も変わらず、ハヤテが最初に感じた通り、何もない部屋だった。

「あの……話って、なんですか?」

「まぁそうせかすな。取り敢えず座れ」

岳がそう言うと、ハヤテの後ろにどこからともなく丸椅子が現れた。ハヤテはそれに驚きこそしたものの、既に岳が何食わぬ顔で座っていたため、何も考えずに腰を下ろした。

「ハヤテ、お前さ……ヒナのことどう思ってる?」

「え?ヒナのこと…ですか?」

「ああ。もっと質問を簡単にすると、お前はヒナのこと好きか?ってことなんだけど…」

「そ、そりゃ!もちろん好きに決まってるじゃないですか!!」


「………。そうか…」

岳の反応にハヤテは思わずたじろいだ。彼は組んだ足の上に肘を置き、顎の下に手を当ててハヤテの目だけに焦点を合わせていた。ハヤテには彼が自分の回答を疑っているようには見えなかったが、どちらかというと、自分の言った言葉をじっとりと吟味されているような感じだった。

「じゃあ聞くが、ハヤテ」

「……はい」

「お前、そのお前の好きって感情が、勘違いだと思ったことはないのか?」

その瞬間、ハヤテの全身に寒気に酷似したビリビリとした衝撃が走った。

「たしかお前、昔ヒナに言ってたよな?大抵の好きという感情は思い違いや勘違いだって。だったらお前のその感情も勘違いなんじゃないのか?今までお前がヒナにささげてきた愛も、全部……ただの思い違いなんじゃないか?」

「そ、そんなこと……!」

「ない。とは言えないだろ?」

「………」

ハヤテは何も言えなかった。この部屋の空気が彼に言葉を発するのを許さなかった。

「まぁいい。お前がヒナを好いているのが勘違いでも、そうじゃなくても別に何か問題があるわけじゃない。それに、お前の言った通り本当に誰かを好きになるなんて方が珍しいのだから、勘違いだったとしてもそれが悪いとは言われるわけじゃない……」

「ぼ、僕は……………」

その先は言えなかった。断言されたわけじゃないが、それでも、岳の言葉はハヤテの体をこれ以上ないくらいに重くさせた。

「………。ヒナはさ……」

ふと、ハヤテは顔をあげた。黒い瞳が彼を見つめていた。

「ヒナはさ、正しいんだ。正解しているんだよ。ヒントも参考書もないのに、勉強しようにもする術さえないのに…ヒナは正解を導き出した。いや、持っていた…と言ったほうがいいか……」

「………」

「ヒナは本当の意味で、お前に恋をして…お前を好きになって…お前のことを愛している。それはとても特別なことだし、それができるヒナ自身もまた特別な存在だ」

岳はそれを嬉しそうに、悔しそうに、羨ましそうにして話していた。何とも言えない彼の複雑な表情に、ハヤテはほんの少しだけ目を奪われていた。

「もっと言うと、ヒナの幸せは誰よりも優遇しなくちゃならない。誰が不幸になっても、ヒナだけは不幸になってはいけない。誰を不幸に落としてでも、ヒナは幸せにしなければならない…。お前を助けたのはそのためだし、逆に言うと、そのためだけにしかオレはお前を助けていない。だからさ、別にお前がヒナのことを好きじゃなくてもいいんだ。最悪ヒナ以外の誰かを好きだったとしても構わない。それでも、例えそうだったとしても……ヒナは変わらずお前のことが好きだから……ヒナにはお前しかいないから……だから………」






































岳は、頭を下げていた




















「お願いだから、もっと…ヒナのことをちゃんと見てやってくれ………」









































































しばらく時間が経った。ハヤテは既に部屋から出ていて、岳はそのまま椅子に黙って座っていた。

「いいの?もっと言いたいことあったんじゃない?」

「……。いいんだよ。アイツはまだ全然足りないから、全部言ってしまったら逆に立ち止まってしまう」

岳は振り返らず、自分の後ろで壁に背をもたれているレナにそのままの状態で答えた。

「焦ってる?」

「別に………」

レナは恋人のそっけない態度にフッと微笑むと、彼の後ろまで移動して自分の腕を軽く絡めた。

「大丈夫だよ。だって…………」

レナは岳の身体に回した腕に少しだけギュッと力を込め、寄り添うように、彼の肩に顔を近づけた
















































「今の私は、こんなにも幸せなんだもの……」

















































































































はい。実を言うとホントはいろいろやりたかったんです。もっとハヤテをディスりたかったんですけど(問題発言)、なんかもうメンド(ry

ということで第8話です。多分、次が最終話でその次がアフターです。

それでは(言うこと少なくてすみません)