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対象スレッド 件名: しあわせの花びら(ハヤヒナ短編集)【35巻妄想話】
名前: ロッキー・ラックーン
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しあわせの花びら(ハヤヒナ短編集)【35巻妄想話】
日時: 2013/02/16 00:59
名前: ロッキー・ラックーン

こんにちは、ロッキー・ラックーンです。
あんまりにも久しぶりの投稿ですが、病気などもせず過ごしております。筆が遅いだけであります。汗

さてさて今回は、コミックス35巻表紙のヒナと雪だるまが可愛かったので、どんな感じで作ったのかを「しあわせの花」風に妄想してみました。
ちょうど、この間の大雪の日のイメージです。

実は人物が一人しか出ない話を書くのは初めてでした。
ヒナはこんなに独り言いわないだろと思いつつ。笑

それではどーぞ!




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2月のとある土曜日。関東地方に大寒波が襲来し、東京は大雪に見まわれた。
首都圏の交通は完全にマヒ。電話も繋がりにくい状況。多くの帰宅難民を生み出す事となってしまった。
都心に買い物に出かけていたハヤテとお義母さんとアリスもその例から漏れず、予定した時間になっても帰ってくる事は無かった。
偶然にも、急な生徒会の仕事で徒歩で学校に行っていた私だけは、無事に帰路へとたどり着く事が出来たのだった。



「やっぱり電車動かないんだ…。泊まって来る?…うん、こっちは大丈夫。気をつけてね」

ガチャッ



いつまで経っても繋がらなかった電話も、日が暮れる頃には何とか回復し、出かけていた3人の無事も確認出来た。
さてさて今回はこんな雪の日のお話。
私、桂ヒナギク一人でお送りしますが、最後までお付き合い頂けると幸いです。





【 Teenage Diary -ある雪の日- 】





「わ〜っ!こんなに積もっちゃったんだ…」



日曜日の朝、目覚めた私は誰もいないリビングの暖房を入れる。
窓の外は一面の銀世界。20センチを超えるのではないかという見事な積もり方だった。
小さい子供であれば、ただただ無邪気に喜んでいた所だったと思う。子供にとって雪というものは、雪合戦や雪だるまやかまくら…と、滅多に手に入らない遊び道具だからだ。
ただ今の私の頭の中には「明日の学校は大丈夫かな」とか「三人はちゃんと帰ってこれるのかな」といった事ばかり…つまるところ、大人にとって雪は日常生活に支障を来たしてしまう物にすぎないのだと痛感するのだった。

ふと、幼少の頃の記憶がよみがえる。
お姉ちゃんと二人で雪だるまを作って、それを実の両親に見せて自慢した事。
お父さんは「すごいな」と言いながら頭を撫でてくれて、お母さんは冷えきった私の手を温めてくれたんだっけ…。



「はぁ…」



思い出に浸るのは後の方が良さそうだ。
とりあえずは朝食と身支度を済ませて、家の前の雪かきをしないと…!







「あれ、案外寒くない…」



いざ外に出てみると、空はまだ厚い雲に覆われて風も無かったので、覚悟したほどの寒さではなかった。
もちろん、それ相応の防寒対策を整えた上だけど。

それよりなにより、いつもの見慣れたはずの玄関先の風景が一変していた事に驚いた。見渡す限りの白・白・白。
それともう一つ不思議だったのが、その静けさ。もともと車通りの少ない道ではあるけど、それを差し引いて余りある静寂に包まれていた。
そういえば、雪の結晶の複雑な隙間が周囲の音を吸収してしまうのだと聞いた事がある。
足跡ひとつ無い地面も相まって、私一人だけ世界に取り残されてしまったかのような感覚がした。



「あっと、雪かき雪かき…」



たそがれている間にも小雪がちらついている。
我に返った私は、滑らないように小走りで物置へとスコップを取りに行った。







「ふぅ〜、とりあえずはこんなものかしら…」



家の前の道路からすぐ近くの十字路まで、ひと通りの雪を道の脇へと移した。
新雪でサクサクと掘れたので、思っていたより簡単に終わってしまった。
これなら荷物を持ちながらアリスをおんぶしたハヤテでも、足元を気にせずに歩けるだろう。



「…そういえば」



さて仕事も終わり、さっさと帰って温まろうと玄関のドアノブに手をかける瞬間、ふと家の庭の様子が気になって踵を返した。
当然ながら桂家の庭にも雪はたくさん積もっていた。



「せっかくこんなに雪があるんだし…」



まだ誰も足を踏み入れてないふわふわの新雪に、私の子供心は大いにくすぶられた。
ウチの庭の雪は全部私のもの。この際、思いっきり遊んじゃおうかしら。







「むむむ…かなりの力作になってしまったわね」



完成したのは、上下合わせて150センチにでもなろうかという巨大雪だるま。それも、ただの球体二つを重ねただけのものではない。
バッチリと決まっている特徴的な髪型、いつも着用している執事服をイメージした黒い布。ご丁寧にリボンタイに見立てた赤いロープまで装備しているという凝り方。
親しい人であれば一目見れば分かる程に、その雪だるまは私の恋人…綾崎ハヤテのイメージと完全に一致していた。
…我ながら、ツボにはまった時の集中力は大したものだと思う。



「…ゆきんこハヤテ」



うん、なんかイイ響き。貴方の名前は、ゆきんこハヤテ。
ハヤテと付き合って、ネーミングセンスにもさらに磨きがかかったような気がする。(←それはひょっとしてギャグで言ってるのですか? byアリス)



「…一緒にいたいの?」



なんとなく、そう求められたような気がして出た言葉。
いや、きっとそれとは逆で、モデルそっくりの優しげな顔に、私が彼の事を求めたのかもしれない。
私は物置から屋外用の木製の椅子を取って来て、ゆきんこハヤテの背後へと腰掛けた。



「よいしょ…しばらくの間、よろしくね!」

『ハイ。これでもう寂しくないですね』(←『』囲みはヒナの妄想です)

「うん…」



合わせた背中は、なぜだか温かかった。
雪なんだからそんな訳無いでしょと言われればそれまでだけど、ハヤテの温もりを心で感じている気分になれた。
きっと、ゆきんこハヤテも私に恋してくれていて、雪の体の中に熱い気持ちを宿しているからなのかもしれない。
やっぱり、恋をする事って素晴らしいわね。



3人が帰ってくるまでの間、私は彼とのおしゃべりに夢中になってしまうのだった。
ハヤテ達が帰ってきて、アリスとお義母さんに散々からかわれたのは、また別のお話です…。


おわり


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【あとがき】

せっせと雪だるまを作って、脳内会話を堪能したヒナでした。
改めて35巻見てみると…ヒナの手、素手ですよね?寒そう…。
野暮な話ですが、原作のヒナだったら、歩なりナギなりにツッコまれた時に勢いで破壊しちゃいそうですね。



さて、お話について。

サブタイトル、→「HiNA2」からです。
ヒナ単体の話に最適なワードじゃないかなと思いました。

アリス・ヒナママ→出してしまうと完全にイジリモードに入ってしまうため、今回はお休みです。ハヤテもその煽りを受けて。笑

一人芝居ヒナ→雪だるまと(一方的に)会話する奇妙な女子高生の図。もちろん、アリスによってどこからか動画撮影されてます。



最後に本編(別スレ)の話でありますが…。
温泉編、もうしばらくかかりそうです。
途中で投げ出したりはしないよう頑張りますので、気長にお付き合いして頂けると幸いであります。

ご感想・ご質問などお待ちしております。
ありがとうございました。