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対象スレッド 件名: Re: しあわせの花(ハヤヒナ)【アフター第1話その?更新】
名前: ロッキー・ラックーン
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Re: しあわせの花(ハヤヒナ)【アフター第1話その?更新】
日時: 2012/04/08 21:42
名前: ロッキー・ラックーン

こんにちは、ロッキー・ラックーンです。
最近月1ペースの更新だったからか、なんだかとっても早く書けた気がします。

今回はカップル成立後の一日、夜の部です。
色々あってまだ今回では終わりません。
それではどーぞ!




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「ごちそうさま〜!」

「ごちそうさまでした!」

「は〜い、お粗末さまでした!」


こんばんは、綾崎ハヤテです。
前回に引き続き、桂家お泊り大作戦(?)のため、ヒナの実家にいます。

夕食はお義母様の特製必殺カレー。
ヒナの大好物であるのはもちろんの事、僕も一口でその味の虜となり、鍋の中のほとんどを二人で平らげてしまった。
母の味とはよく言うが、まさにその表現が最適だと感じる食べ物だった。
僕たちの食べっぷりに、お義母様も上機嫌のようだ。



「じゃあ、片付けはお義母さんがやっとくから、二人でお風呂入ってきちゃいなさい!」

「ハイ…って、えええええええ!?」

「お義母さん!!サラッと自然な感じで何を言ってるのよ!?」

「あら、ハヤテ君はヒナちゃんとお風呂入りたくないかしら?」

「え?」



ヒナとお風呂…一糸纏わぬ身体の二人…ウェヒヒヒ
僕の脳内で弾かれた回答はただひとつ。



「もちろん入りたいです!入りたくないワケが無いじゃないですか!!」

「まあ!ハヤテ君は素直な良い子ね」

「ハヤテ…」



満面の笑みのヒナ。
ゆっくりと僕に近づくその姿はまさに天使そのもの。
まさか…ホントに…!!



「このエロ執事!!」



本日2回目のゲンコツを頂きました。気持ちイイ…
あ、僕は決してエロ執事なんかではありません。
ただ、ヒナとの身体の触れ合いを望んでいる事を公言しているだけです!(←世間ではそれをエロと言う)





     After第1話そのC【 俗・先生さよなら絶望 】





「ふぅ…」



サブタイトル前の奮戦もむなしく、僕は一人でお風呂を頂いた後、離れの部屋で宿題を片付けていた。
ちなみにお風呂には今はヒナが入っている。


「ん゙〜〜っ!終わったぞ…」



無事に宿題は終了。
さてさてヒナがお風呂からあがってくるまでの時間、何をしようか…。



「……」



静かに目を閉じて、瞑想する。
明鏡止水の心に映るものは、やっぱり最愛の人。
柔らかな笑みで伸ばすその手が優しく僕を包み込む。
あぁ…いつまでも、いつまでも触れられていたい。




トントン

「入ってもいいかしら?」

「!!」



すっかり自分の世界に陶酔していた僕を現実に引き戻すノック。
ドア越しのその透き通った声に僕の心は否応なしに高鳴った。



「は、はーい。どうぞ!」

「お邪魔します」



開けた扉の前には、つい今まで脳内を独占していた想い人、桂ヒナギク。
風呂上がりの艶っぽい肌がまた僕の煩悩を刺激した。



「何してたの?」

「あ、はい。宿題を片付けてまして…ついさっき終わった所です」



貴女の事を考えてましたというキザったらしいセリフも頭に浮かんだが、当然ながら却下。



「じゃあ、私もココにいて良いかしら?」

「はい、もちろん!…というか、いて下さい!」

「うん。いっぱいお喋りしよ」

「はいっ!」



二人きりの部屋。こんなに落ち着いて話すのはいつ以来か…。
学校の事、生徒会の事、バイトの事、アーたんの事…
話す内容は本当にたわいもない事ばかり。



「あ、そうだ…ちょっと聞いても良いかしら?」

「はい。何でもどうぞ」



ふと思い出したかのように質問しようとするヒナの面持ちはいささか緊張気味だった。
僕はそれを気にもせず、彼女からの言葉を待つだけ。



「どうして、私を好きになってくれたの?…教えてもらっても良い?」

「!!」



その質問は至極単純ながらも、今の僕の生活の根底にある気持ちを表す必要のある奥深いものだった。
ヒナの顔は真剣そのもの。
きっと勇気を出して聞いた事だろうから、僕もその勇気に応えるべく、他人に伝えて分かりやすい表現をボキャブラリーの乏しい脳みそから絞り出す。



「…いつだったか、雛菊の花言葉について話してくれた時がありましたよね?」

「うん、そんな事もあったわね…」



何を言ってるか分からない読者様は上スクロールにて第4話をどうぞ。



「その時にハッキリ気付きました。僕にとってヒナは『しあわせの花』なんです。ヒナといる時は心が温かくなってとても幸せな気持ちになります。これまで不幸だと思っていた自分の人生が完全に変わってしまいました。…まあ、ヒナは『雛菊』なんだからそれが当たり前なんでしょうけど」

「……」

「気が付いたら恋をしてました。寝ても覚めても貴女の事ばかり考えていました。『しあわせの花』を僕だけのものにしたいと思うようになりました」

「……」

「ヒナがヒナであるから。これが僕がヒナを好きになった理由です。ちょっと日本語がおかしいかもしれませんけど」

「……」



むむむ、いざ言葉にすると難しい。
もちろん、美しい顔が好きだとか、誰からも好かれる爽やかな性格が良いだとか、たまに出る隙がまたカワイイだとか、ヒナにとってはコンプレックスである胸も僕にとっては奇跡の丘だとか、細かい事を挙げればキリが無い。
でもこれらは木で例えれば枝や葉に当たるもので、要はその前提となる根や幹に相当する「桂ヒナギクという存在そのもの」に僕はどうしようもないくらいに魅かれているのだと言えば少しは伝わるだろうか…?

先程からずっと無言のヒナ。
俯いている顔を下から覗き込むと…その美しく大きな瞳に涙を一杯に溜めていた。



「えっ、ヒナ!?僕はまた何か失礼な事を…?」

「嬉しいのよぉ…ばかぁ…」



見当はずれな事を言う僕をポカポカと叩いて照れ隠しをするヒナ。
ぐちゃぐちゃに涙を零しながら満面の笑みを浮かべるその顔は、いつもの美しさとは一線を引いた愛らしさがあった。



「私がハヤテの『しあわせの花』だなんて、言われてこれ以上嬉しい言葉なんて無いじゃない…」

「…なんか、スミマセン」

「ばか…」



泣き顔を見られないようにしながら身を寄せるヒナを僕は優しく抱き寄せた。
やっぱり、制服より実物のヒナの方が良い匂いがする。(←最近匂いフェチの気を見せてきた綾崎ハヤテ君)



「じゃあ、この際ついでなんですが…」

「ん?」

「ヒナはどうして僕なんかを好きになってくれたんですか?僕がヒナに惚れるのは当然として、ヒナが僕に惚れるなんてちょっと信じられなかったんで…」



ヒナの勇気に便乗しての質問。
正直なところ、ココで聞かなかったら永遠の謎になっていたかもしれないテーマ。



「…どうして私がハヤテを好きになるハズが無いって思ったの?」

「借金持ちで、女顔で、ヘタレで、優柔不断で、デリカシーが無くて、女装趣味で、不幸体質で、他の女の子が好きと公言してたくせに身の回りには女の子とのトラブルばかりで、ヒナに惚れられる要素が見当たらなくて…」

「…自覚あったんだ?」

「最近、ようやく自分を客観的に見れるようになってきたんで…」



そうそう、ヒナを好きになったと同時に、コレまでの自分の人生の反省を毎晩寝る前にするようになった。主に女の子との付き合いについて。
なったはいいものの、毎晩が自己嫌悪の連続。自分で言っててイライラするレベルの最低男だ…。
だからこそ教えて欲しい。
こんな最低な男に恋してしまった最高の女の気持ちというものを!



「…笑わない?」

「…ええ、もちろん」



その言葉は「今から言うよ」という合図だった。
瞬間、告白した時と同じレベルの緊張が脳内に走った。



「一目惚れよ」

「…え?」

「だ〜か〜ら〜、一目惚れ!!」

「あの…お米とかじゃなくて?」

「分かりにくいボケはいらないわよ!学校のあの木で初めて会った時から気になってたの!!」

「そ、そーなんですか…」



一目惚れ…。
初対面の時というと、ヒナが木から下りられなくなっている時に僕が通りかかって、スカートの中を見せてくれたあの時か…
今でも何気なくスパッツを僕に見せ付けるヒナの姿を覚えている。…ゲフン!ゲフフン!!

確かに僕も、出逢って以来ずっとヒナの事を考えていたかもしれない。
とてもキレイで、それでいて無茶ばかりする放っておけない人だと最初は思っていた。いや、多分今もそこから大きくは変わらない。
そんなヒナが好きで好きでたまらなくなってしまった。それだけが今と昔の違いだと思う。



「でもハヤテ、貴方はまだ自分の事を客観的になんて見れてないじゃない」

「…と言いますと?」

「綾崎ハヤテという人はね、優しくて…ホントどうしようもなく優しいの。それに人の心の痛みを知っているわ。知っている上で、後ろを振り返る訳でもない、今と向き合って生きる事を忘れない。…そんな貴方だから、私はもっともっと好きになったの」



照れながら僕の事を話すヒナ。
その表情はとても優しく、僕は本当にこの人から想われているんだな〜、と嬉しくなった。

ふと、目が合った。
交じり合った視線をお互いそらす事は無い。
その美しい瞳に僕の心は吸い寄せられる。まさに虜といった状態だ。



「ヒナ…髪、触ってもいいですか?」



辛抱出来なくなって手が伸びてしまう。
ところで「彼女の身体のドコが一番好きか?」と問われたら、僕は真っ先に髪だと答える。
多分ヒナ自身、身体で一番気を遣って手入れをしている所だろう。美しく、鮮やかで、風に揺れているのを見た時なんかは心が躍って仕方ない。
毎日毎晩…というか常に、ヒナの髪を自分の手で梳く妄想をしているものだ。



「…イヤ!」

「!!」



拒絶の言葉と同時に、伸ばしていた手が弾かれた。
…ヤバイ、いきなりすぎたかな?



「なんて言うと思う?…どうぞ!」

「!?」



間髪入れずに僕の胸に背中を密着させるヒナ。
あまりに急すぎて、事態の把握が出来ない僕。



「ひっ、ヒナ!?」

「髪、触りたいんでしょ?これならやりやすいじゃない」

「じゃあ、遠慮無く…」



鼻先に髪が触れてくすぐったい位の距離。
ヒナは上半身の体重のほとんどを僕に委ねる。
僕はその身体を左手で優しく支えて、右手では差し出された桃色の髪を何度も何度も梳いた。



「ヒナの髪、大好きなんです…ずっと、触りたいって思ってました…」

「そうなの…嬉しいな…もっと…」



艶っぽい声と同時に前髪のヘアピンをはずすヒナ。
その行為ひとつで、彼女がどれだけ僕の存在を受け入れてくれているのかが分かった。
僕は今まで以上に丁寧に丁寧にヒナの前髪をかき上げた。



「んっ…なんだか、くすぐったいわね…」

「…スミマセン。やめますか?」

「…分かってるくせに」



無意味なやりとりをしつつ、触るのをやめない。
ところで、前髪をかき上げて分かった事がひとつ。ヒナのおでこは結構広い。
それがどうしたと問われればそこまでだが、前髪をかき上げるのを許された僕だけが知っている事だと思うと、優越感に浸れるというものだ。



「ひとつ言って良いですか?」

「ん?」

「僕、今すっっっっっっっごく幸せです」

「…ばか」



言葉と同時に、撫でていた手も止まる。
見つめ合ったまま決して動かない二人。

いつしか僕を見つめていた二つの瞳は閉じられていた。
その行為が意味する事を僕は勘違いする事無く受け止め、柔らかく艶やかな唇へと自分の口を近づけた。
唇が触れ合う直前、ふと僕らが二人きりでこの行為をするのが初めてだった事に気がついた。

それから2分経ったか3分経ったか分からなくなった頃、不意に自分の口内に何かが侵入してくる違和感に襲われた。
驚いた僕は唇を離そうとしたが、ヒナの両手が僕の頭を押さえていたため無理だった。
程なくしてその違和感の正体に気づき、離れようとした事を後悔するのも忘れて、ヒナをむさぼるのに夢中になった。
熱くてとろけてしまいそうな程に甘いヒナの感触は、髪とはまた違った充足感で僕を満たしてくれた。
あぁ…このままずっとずっとこうしていたいな…



・・・バタン!!

「ヒナえも〜ん!!」

「!?」「!!?」

「………あ゙っ」









凍った。








…何がだって?
時間が、空間が、空気が、ヒナの目線が、僕の表情が、とにかくこの世のあらゆるものがです。


そして時は動き出す。
何が起きたかを理解したヒナはワナワナと震えながら世界の凍結の原因となった人物へと近づいていく。
口元のだらしない状態もお構いなしだ。
僕はその姿を黙って見守る事しか出来なかった。口周りをぬぐいつつ。



「オ、オネエチャン。イツカラココニ…?」

「『僕、今すっっっっっっっごく幸せです』から…ぜ〜んぶ見てたわよ!」

「ワタシイツモ『のっく』ヲシナサイト、イッテルワヨネ…?」

「ひ、ヒナったら、そんな言葉遣いしてると読みにくいって読者から反感買うわよ〜?あ、あと、口から糸引いてる…」

「モンドウムヨウ!!」



ヒナは一瞬で間合いを詰める。
対して桂先生は慌てて距離を取る事しか出来なかった。



「くそ〜、姉より優れた妹なんていないのよ〜!!」



というセリフと共にやぶれかぶれな攻撃を繰り出す桂先生。
あ〜あ〜、そんなセリフを使ったら…



「アタタタタタタターーーッ!!!!」



一瞬の内に百発のパンチを繰り出すヒナ。
上のセリフは幻聴かもしれない。
こんな声が聞こえそうな程、ヒナの百裂拳は凄まじかった。
当然、桂先生は壁に吹っ飛ばされる。



「お姉ちゃん、私の名を言ってみなさい!!」

「…ぐぐ、これで勝ったと思うなよ〜!!ガクッ」



気絶する桂先生。
世紀末の救世主のオーラを出して僕の元へ戻ってくるヒナ。
急展開に完全に置いてけぼりを食らった僕。



「もう、あの程度で気絶するなんて我ながら情け無い姉ね…」



いやいや、「あの程度」って!?
もはや世紀末覇者しか耐えられないレベルじゃないですか!

というツッコミを入れる間もなく僕に寄り添うヒナ。



「続き、しよっか?」



上目遣いでの訴えかけに、僕の理性は簡単に吹き飛んでしまったのだった。
次回が楽しみだな…ウェヒヒヒ



つづく…?




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さ〜て、読者の皆様お待ちかねのバックステージだぞ!(以下、素の文はナギ)
この三千院ナギが色々と解説を…


「って、待ちなさーい!!私は本気で無視なんですか!?ねえ、ねえ!!?」(以下、「」囲みは雪路)


ああ、桂先生の出番はあったじゃないですか。私は名前すら出てないのに。
ご満足頂けませんでしたか?


「あったりまえじゃーー!!パロディでオトしただけじゃないの!!もっと本編にか〜ら〜み〜た〜い〜!!お姉ちゃんらしいトコ見〜せ〜た〜い〜!!」


うわ…コレが30手前の大人のワガママか!
厄介な人だ…こんなだから結婚出来ないんだろうな…


「結婚なんてまっぴらよ!!…どうせコレ以上ヒナ達のイチャイチャなんて規制かかって文章に出来ないでしょ〜?私を出せば万事解決よ〜!!」


ゔっ…変なトコだけ妙に鋭い…


「よっしゃ〜!!次回、最強お姉ちゃんの活躍に乞うご期待!これで勝ったと思うなよ〜!!!」


うわっ!勝手にシメちゃったよこの人…
次回はメ・イ・ン!!ヒロインのこの私に期待して欲しいぞ!!
読者のみんなが熱望すれば、出番はある!!…かも。




つづく



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【あとがき】

長い一日の夜の部でした。
本当はココで雪路を活躍させてアフター第1話終了という予定でしたが、ハヤヒナのイチャイチャが書き出したらやたら長くなってしまったので、雪路は次回に持ち越し・アフターは延長です。

サブタイトル、アニメ1期で印象的だったので使ってみました。
「俗」は本家絶望先生を真似てます。

ついにハヤテに言わせてしまいました「しあわせの花」というワード。
なんとなく雛菊の花言葉を調べてタイトルを決めた頃が懐かしくなってしまいました。
ていうか、ハヤヒナがこんなにおしゃべりする予定は全然ありませんでした。
ココのボリュームの関係で、雪路はオチのみの登場に。

そしてそこそこ濃い目なイチャイチャ。
あまり直接的な表現を使わずに書きましたが、伝わっているでしょうか?
動き出したのはヒナからです。アリスの特訓の成果がモロに出た形になりました。うらやましい…
ちなみにヒナのおでこの件は、中の人補正です。

最後に雪路。
登場シーンをどうするか悩んだ結果がアレです。
ずっと見ていたにもかかわらず、一番イイトコで入っちゃうあたりがハヤヒナ泣かせな人です。(作者としては大助かりですが。笑)
そして北●の拳パロ…「姉より優れた…」を言わせたかっただけです。
あと、捨てゼリフの元ネタが分かってくれる人がいたら嬉しいです。中の人ネタです。


さてさて次回は夜の部パート2として、雪路先生に活躍してもらいます。
ハヤヒナ濃厚イチャイチャは今回限りです。
そして、ナギには出番があるのか…笑


ご感想・ご質問などお待ちしております。
ありがとうございました。