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対象スレッド 件名: Re: Meaning of living (5/7更新)
名前: サタン
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Re: Meaning of living (5/7更新)
日時: 2013/05/07 22:22
名前: サタン

2、末路の先には…





2、末路の先には…





「だいぶ長引いちゃったな。 急がないと」

三千院家で想定外の至福のひと時を過ごした僕は自転車のスピードを極限まで出してバイト先を目指していた。←※因みに法定速度はバリバリ守っています。

しかし、その途中に派手な色合いの外車とすれ違った。
その瞬間、赤く染まった車に乗車している男女が僕を見た途端に不敵な浮かべたように見えた。
すぐに振り返ったが、外車は既に僕の視界から消えていた。

…いや、でもそんな大金僕の家にあるわけないし、見間違いだろう
嫌な予感がしたが、バイト先が目の鼻の先なので迷わずそちらに向かう事にした。
そして、仕事完了の報告を上司にいち早く言いに行ったが、まさかの通告を受ける。

「おお、綾崎君か。 最後の仕事ご苦労様だったな」
「ど、どういう事ですか!? それは…?」
「君を今日限りで解雇するという事だ」

予感が当たった…!
だが、首になる要因は自分には思い当たらなかったので、僕は上司の机をおもいっきり叩いて抗議してみた。

「何故ですか! 僕はきちんと仕事をこなして…無断欠勤だってした事ありませんよ…!」
「確かに君はうちでトップクラスの速さで且つ誠実だ…だが、君は年齡を偽っているね」
「あ…」

上司に言われて思い出した。
僕は年齡を詐称してここで働いていたんだった…!←※年齡詐称は犯罪ではないそうです。

「君も知ってるだろう。 うちの募集規定は一八歳以上だということは…君はまだ一六歳だそうじゃないか」
「しかし、何故それを?」


二歳差くらい誤魔化せると思ったから、応募して今ここにいるのに…どうしてだ?
履歴書にもバレないように色々施したのに…

「今さっき君の両親がそう告げられに来たぞ」
「両親がですか!?」

両親という言葉にさっきの外車の中にいた男女が思い浮かぶ。
やっぱり、さっきの二人は両親だったのか! でも、何故ここに…まさか!?

「とりあえず、君の今月分の給料一八万円は両親に渡して置いたからな」
「ええええええええ、あの両親に全額渡しちゃったんですかー!?」

そんな…あの両親にそんな大金与えたら、どうなるか予想は大概つく…!
これはマズイ!

「君は高校生なんだろう。 親に渡すのが当然の話じゃないか」
「あの両親に一八万も渡したら、競馬で全て消えるじゃないですか!」
「ふ、何を馬鹿な事を… そんな事をする親がいるはずないだろう」
「…いるから僕が年齡詐称してまでバイトしてるんですよ!」

僕はもう行くこともないバイト先に荒々しく本音をぶちかまして出て行ったのだった。
少しでも給料が残っているという淡い希望を抱きながら。





〜 〜 〜 〜 〜





はあ…はあ…
それから僕は無我夢中に自宅に向かって走っていた。
一刻も早く両親から給料を取り返さなければならなかったから。

父さんたちだって分かってるはずだ…うちにはもうあれ以外お金がない事を!
僕の給料をあてにして生活している両親だ。
いくらなんでも、すぐには全部使い果たす事はないだろう。
見慣れた建物に到着すると、階段を駆け上がり、部屋のノブを手に掛けると鍵が開いていた。

「全く、鍵を開けっ放しにして置くなんて…不用心だな」

今朝、扉をきちんと閉めて僕は出かけたので、誰かがここを入室したかは一目瞭然である。
そして僕の他に部屋の鍵を持っていたのは、紛れもなくあの二人しかいないので間違いない。
まあ、盗られる物なんて、塵一つないので良いのだが。

「あれ、これって…」

茶の間に入った僕の目に真っ先に入った物があった。
テーブルの上に毎月必ず僕に渡されている給料が入ってるはずの封筒が置いてある。

「よ、良かったー まだ使ってなかったんだね! 僕の給料!」

期待混じりに封筒を手に取ったが、なんと非情にも開封した痕があったのだった。
僕は恐る恐る封筒の中身が出てくるように振った。
出てきたのは―

「…百二十円でどうやって年越すんだよ…」

現実は残酷だった… いくら振っても百円玉と一つに十円玉二つ…それにただの紙切れ一枚しか出てくる気配がなかった。
一ヶ月間働いた努力が一瞬にして全て水の泡と化したのだ。
もう何の為に働いていたのか、自分で曖昧になってきた。
落ち込んだのを少しでも紛らわそうとして、封筒から出てきた紙をせめての救いとして…期待を寄せながら読んでみたが…案の定、見事に裏切られた。

”ハヤテ君、給料ほぼ全部外車の頭金に使わせてもらったよー ありがとうねー”
”そうそう… ハヤテ君の給料だけじゃ全然足りなかったから、沢山借金しちゃった〜 てへぺろー”

「な、何!? 一体何考えてんだあの両親は!」

ほぼって…百二十円しか残ってないじゃん!
読むにつれて両親に対する怒りがどんどんむき出しになっていく自分がいた。
だが、これぐらいで両親への憎悪は収まる事はなかった。

”でも私たちお金持ってないし、ハヤテ君の稼ぎでも絶対足りないと思ったので名案を考えました”
”そうだ…! 息子を売却しよう♪”

「ええええええええええええええ!そ、そんな…」

無慈悲に溢れた両親からのメッセージ。
両親には過去に色々な仕打ちを受けてきたが、これほど酷い物は例がなかった。
まるで使えない奴隷を捨てるかのような息子への扱いであった。
親が子を売るなんて…

”大丈夫だよ! もし、払えなかったら、体で払えば済む話だしね〜 バンジージャンプより簡単な事だよ!”
”では、お迎えが上がると思うのでよろしく♪”

もうこんな奴ら両親でもなんでもないな…ただの生ゴミだ…!
とんでもなく腐った…!

「子供を売るなんて親として最低だな」
「ですよね…! こんな奴らもう人間として生きていく資格なんてない… ってあなたたちは!?」

知らない間に僕の背後には黒服の男があふれていた。
僕は警戒するように身を引く。

「びびらなくてもいい。 俺たちはただの取り立て屋だ」
「そ、そうでしたかー うちにはもうお金なんてないですよー」
「大丈夫…大丈夫。 こういう稼ぎ方もあるから♪」
「!?」

左目に傷を負った男がそう言うと紙を突き出してきた。
それには内蔵の値段が各臓器毎に明記されていた。
これを見た僕は身の危険が一層増し、窓から飛び出そうとした。

「おっと… お金を支払ってくれるまでは逃さないぞ。 何せ、君の両親には外車の借金以外にも一億円のツテがあるからな」
「うぐぐ… ツテ?」
「これを見な」

逃げようとした僕を二人がかりで抑え込んできた黒服たち。
毎日鍛えている僕でも大人数人相手だと動きが自由になることはなかった。
さらに、また紙きれを僕の目の前に提示してきた。

「一、十、百、千、万…一億! こ、これは…!?」

どうやらこれは借用書のようで、借金の額がなんと九桁に上っていてたのだった。
いつの間にかあのクズがこんなに借金してたとは、僕には思いもよらず、また気づけなかった自分に後悔した。

「さあ、返済してもらおうか。 それができないなら…さっき見せた書類通りに事を運ぶぞ」
「い、嫌だー! 離せ!」
「静かにしろ! このガキが!」

僕はありったけの力を使って男たちの拘束を解こうとした。
しかし僕の抵抗に虚しく、僕の口元になにやら薬の臭いが漂うハンカチを嗅がされてしまった。
羽交い締めにされたまま、僕は意識がもうろうとしていく。

「しかし兄貴。 今日はクリスマス・イブだというのに子供を見捨てる奴が二組もいるなんて…日本もどうかしていますね」
「確かにな。 …まあ、俺たちは商売だから同情する訳にはいかないがな」

薄れていく僕の意識からそんなヤクザたちの会話が微かに聞こえていた。




〜 〜 〜 〜 〜





う…ここは?
目を開けると倉庫のような場所に僕はいた。
いや、正しくはヤクザの集団に捕まって無理やり連れて行かれたみたいだが。

「それにしても数時間前の屋敷でのひと時が夢のようだな…」

あのまま屋敷に入れば、こんな目に遭わなかったかもな。
まあ、絶対迷惑だけどね。
でも手足は縛られてはおらず、身動きはとれる分まだ良い方だ。
さて…あのような酷い仕打ちを受けていた僕であったが、まだ諦めていなかった。
このままクズの思いの通りにお金に変身するのは流石に納得がいかず、少しあがいてみる事にした。
すると…

「あれ、誰かいるぞ…?」

視線の先に一人の少女が倒れていた。
僕は慌てて少女の元に駆け寄る。
この少女との出会いが、僕の生き方を変えるキッカケになるとは、今の僕に知る由もなかった。




続く




予想以上に早く更新できましたー(^^)
暇な時間を有効に使って書いた次第です。
そして、ハヤテと出会った少女の正体は…?
多分、読者の皆さんはもうお気づきでしょうね。
そう…あの方です!
では、またの更新でお会い致しましょう!