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対象スレッド 件名: 聖母、健在 第2章1話
名前: 双剣士
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聖母、健在 第2章1話
日時: 2022/02/06 10:00
名前: 双剣士

「他の後継者候補の人にも伝えなさい……三千院家の遺産が欲しいなら、お嬢さまに手を出す前に僕を倒せと!!」
「ハヤテ!!」
「ナギお嬢さまが継ぐべき遺産は、この三千院ナギお嬢さまの執事……綾崎ハヤテが守っているから、遺産が欲しいならまず
 その執事を亡き者にしろと!!」

 三千院家の遺産を狙うギルバートとの戦いで、綾崎ハヤテは高らかにこう宣言した。ナギからの信頼はこれによって確固たる
ものになったのだが……雇われ執事に過ぎないハヤテの言葉が遺産継承条件を左右するなどありえないことだし、これから倒す
相手に向かって宣言したところで何の意味もない。彼の宣言に効力を持たせるには、当主である三千院帝の了解を取る必要がある。
「あのお爺さんはマリアさんには弱いので、マリアさんに頼んで変更してもらいます」
 ハヤテ本人はそう簡単に言い放つのだが、勝手に頼りにされたマリアとしては天を仰ぎたい気分であった。

「遺産継承の条件を変えろ? ふざけたことを言うでないわ」
「で、ですよね〜」
 ダメもとで三千院家本宅を訪れたナギ・マリア・ハヤテの3人に対し、帝の返答は取り付く島もなかった。だが拒絶の理由は、
マリアたちの想像とは少し違っていた。
「そもそも、ナギを泣かせて謝らせれば遺産を継げるなど、本気にする方がおかしいんじゃ」
「え、でも、その条件はお爺さまが直接……」
「だから信じる方がバカだと言っておる。嘘は嘘であると見抜ける眼力のない者など、最初から論外じゃ」
《あなたがそれを言いますか……》
 心の中でツッコむマリア。それに対し、ナギのために戦ったばかりの少年執事は強気に切り込んだ。
「でもその嘘のお陰で、お嬢さまが危険な目にあったんですよ? 泣かすだけならともかく殺されそうになったんです!
 どうせ嘘の条件なら変えてくれたっていいじゃないですか、標的を僕に変更してください」
「ハヤテ……」
 顔を赤くして見つめる孫娘とは対照的に、苦々しそうに帝は吐き捨てた。
「それで貴様が倒されれば、そいつに遺産を譲れというのか?」
「僕は死にましぇん!」
「なんでオヌシの歳でそのネタを知っとるんじゃ……じゃがまぁ、覚悟はわかった。ただ断るだけでは引き下がりそうにないの」
 そして帝は、三千院家の遺産を継ぐための『真の条件』について語りだした。

  ・三千院家の地下に、帝の遺言書がある。そこに後継者の名前を書き込むことが遺産継承の条件
  ・遺言書に書き込むためには鍵を手に入れる必要がある
  ・その鍵は代々ある箱に納められ、遺産継承のときに先代が隠し次の継承者が見つけるという習わしになっている
  ・鍵なしで遺言書の箱を無理矢理開けようとすると、遺書の間の入口が閉まり水が注入され、中の者は死ぬ

「ここでいきなり原作の第49巻に飛びますか……」
 意味不明なマリアの独白をよそに、ハヤテはいきり立った。
「そうだったんですね! だったらその鍵を手に入れればいいんだ、そうすれば名実ともにお嬢さまが後継者に……」
「しかし先日この箱の、恐るべき秘密が発覚した!!」
「え? それは……?」
「それはこれじゃ――!!」
 パカッと開いた箱の中には、一枚の紙片だけが入っていた。

  『カギはいただいた!! ゆかり子参上(はぁと)』

(続く)