Re: リレー小説〜ハヤテとアテネのラブコメ〜 |
- 日時: 2021/11/20 18:35
- 名前: 双剣士
- 〜回想〜
ヒナギク「なら、私の家に来る?空き部屋なら離れに一つ建ってるから、中を片付ければ取り敢えず寝床は確保できるわ」 アテネ「!?」 動揺するアテネを横目にヒナギクは話を進める。 ヒナギク「今晩ウチに泊まればハヤテ君の大事な指輪も早く戻ってくるし♪」 〜回想おわり〜
ハヤテの宿泊先をヒナギクが提供すると言い出したとき、アテネの受けた衝撃は小さなものではなかった。 幼いころにひどい別れ方をしたハヤテとまた会えた、彼と仲直りできた、そしてその彼が今自分の隣にいる……最高神の 祝福を受けたとしか思えない、夢のような今日の出来事。この後は当然、会えなかった時間を取り戻すように2人で朝まで チュッチュチュッチュを繰り返す至福の時間が待っているものと思いこんでいたのだから。 「ちょっと待っ……」 とっさにそう口出ししかけたアテネの言葉が途中で止まったのは、直後のヒナギクの言葉があったためだった。あの指輪… …自分とハヤテの蜜月を切り裂くきっかけになった指輪がもうすぐ戻ってくる。その持ち主はヒナギクの姉で、彼女の帰る先で 今夜取り返すとヒナギクが言ってくれている。 思えばハヤテと再会できたのもヒナギクが彼を連れてきてくれたおかげだった。ここでヒナギクの提案に異を唱えるのは 得策ではないのでは? 彼女の機嫌を損ねたら指輪が戻ってこないばかりか、ハヤテに幻滅されてしまうことだってありうるのでは? 《アーたんがこんなに我儘で依怙地だなんて知らなかったよ。行こう、ヒナギクさん》 《そうよね、行きましょうハヤテ君、私たちの愛の巣に♪》 そんな最悪の未来絵図が一瞬で頭を駆け巡る。硬直したアテネが続く言葉を発せないまま、ヒナギクの家にハヤテが泊まる話は サクサクと進んでいったのだった。
そして今、アテネはヒナギク宅の離れにいる。指輪を取り戻したハヤテが眠りに来るであろう離れの一室で、生まれたままの姿で シーツだけを巻いてハヤテの帰りを待っている。 「ハヤテ、喜んでくれるかしら・・・私のために取り戻した指輪ですもの、一刻も早く私に見せたいはずですわよね。 そして感激のあまり私がハヤテに抱き着いて、彼がやさしく抱き留めてくれて……そして10年の時を取り戻すような 熱い夜が今夜から始まるのですわ。うふふ、うふふふ……」
そしてそのころ。 ヒナギク「それじゃあ今夜はゆっくり休んでね。おやすみ(スマイル)」 そう言いヒナギクは居間から出て自室に向かった。 ハヤテ「...おやすみなさい、ヒナギクさん」 ヒナギクが二階に上がっていくと同時にハヤテも居間の電気を消し蒲団に入り込んだ。(★居間の布団である。離れの布団ではなくて!) ハヤテ「明日は4時に起きて朝食の準備を手伝おう...」 そう言いハヤテは暗闇に意識を手放した。
そして翌朝。一睡もせず待ち続けたアテネのもとに、とうとうハヤテはやってこなかった。午前4時に起きたハヤテは離れになど 目もくれず、ヒナギク宅の台所で朝食の用意を手伝い、ヒナギクや彼女の家族と一緒に笑顔で朝食をとっている。 「裏切ったな! 私の気持ちを裏切ったな! 親切ぶっておきながら、あの女狐め!」 身を起こすアテネの全身から暗黒のオーラが立ち上る。その枕元に置かれていた王玉からは、昨日までとは違う鈍い光が放たれていた。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------- DARKNESSさんが用意してくれた伏線(★)を膨らませてみました。 別にアテネとヒナギクを仲違いさせて面白がってるわけじゃないんです!
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