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件名:
Re: 解のでない方程式
名前:
タッキー
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2015/11/13
感じとかひらがな
⇒ 漢字とかひらがな
2015/10/13
感じとかひらがな
⇒ 漢字とかひらがな
【参考】対象となる原文
Re: 解のでない方程式
日時: 2015/07/20 21:28
名前:
タッキー
どうも、タッキーです
なんというか、更新速度が…。一日一回投稿していた頃の自分を褒めてあげたいです
それはともかく、今回からまたオリキャラがでます。簡単なプロフィールは後書きの方で。
それでは…
更新!!
11月12日、木曜日。天気……雨
「もぉーー!朝の予報じゃ降らないって言ってたクセにーーー!!」
土砂降りとはいかないが、人間に傘をささせるには十分すぎる雨量の中を綾崎アカリは必死に走り抜けていた。
「どこか雨宿りできるところ…」
公園まで辿り着いたアカリは傘がわりしているランドセルごと頭をキョロキョロと回して、屋根のある場所を探した。そんな彼女の目に真っ先にとまったのは三つほど連続して並んでいる自販機だった。そこには最近になって設置された屋根があり、少なくとも雨に打たれることはなくなる。アカリはいそいで駆け込んだ。
「うわっ、びしょ濡れ…。もう11月だし、早く帰らないと風邪ひいちゃうかも…」
とは言ったものの、彼女の眼前で降る雨は収まるどころか、むしろ激しさを増している。こういうのを不幸とでも呼ぶのだろう。アカリは大きくため息をついた。
「そういえば……」
不幸という単語で、彼女は思い出したことがあった。母親から聞いた、というより聞かされた、ある人のこと。彼女の…父親のこと
「お父さんの誕生日って、昨日なんだっけ…」
その瞬間、彼女の視界を真っ白な光が包んだ。
一瞬の出来事だった。痛みなどは全くなく、特に身体に変化があったわけでもない。思わず目をつむっていたアカリは恐る恐る瞼を開いた。
「あ、あれ!?晴れてる!?」
雨が止んでいたどころか地面に水たまりすらできていない。辺りは少し暗くはあったが西の空には綺麗な夕日も見え、とてもさっきまで大雨だった天気ではなかった。しかも、違和感はそれだけではなかった。
「ここの自販機ってこんなに綺麗だったけ?ていうか屋根もなくなってるし……。どういう……わぷっ!!」
彼女の言葉を遮ったのは風邪に飛ばされてきた新聞紙だった。一瞬また何か起こったのかと慌てたアカリだったが、落ち着いて顔に張り付いている新聞をはがし、日付が印刷されている上部になんとなく目をやった。
「20……05年!?コレどんだけ前の新聞!?まさか私がタイムスリップしてしまったとかそんなわけ……」
急激すぎる天気の変化、見慣れたはずの公園の真新しい景色。思い当る節はいくらでもある。
「いやいや、タイムスリップってあれでしょ?某マンガで執事やってる主人公がお嬢様の帽子追いかけてたら突然過去に行ってしまったっていうアレでしょ。たしかに突然だったけど、私お嬢様の帽子どころか自分の帽子すら追いかけてないし、ただ雨の中を必至に走ってきただけだし………」
なんだか虚しくなってきてしまったアカリは自販機に手をついてガックリと肩を落とした。
「どうしよう……」
もし本当に過去に来てしまったのなら、アカリの住んでいる家はまだ建てられていない。三千院家に行っても向こうは自分のことを全く知らないのだから、迷子か…最悪不審者としてSPに捕まってしまうかもしれない。事情を話したって信じてはくれないだろう。唯一信じてくれるとしたら母親であるヒナギクか、あるいは…
(取り敢えず、早くママを見つけた方が……)
「どうしたの?」
「あ…」
声をかけてきた少年はアカリと同じ優しげな青い目をしていて、髪も青空のような色をしていた。ボブカットのような髪型で、女の子と見間違えそうな容姿。全部、母親から聞かされた通りだった。
まぎれもなく、綾崎アカリの父親……綾崎ハヤテだった。
第4話 『 残り風 』
「アカリも傘持って行ってなかったけど…大丈夫かしら?」
仕事を終え、三千院家の屋敷から外に出たときにはじめてヒナギクは雨が降っていることに気づいた。今朝の予報では降らないと聞いて、それを信じきっていたためあいにく傘は家に置いてある。彼女はしかたなく、マリアに頼んで貸してもらうことにした。
ヒナギクが家に着き、玄関の鍵を開けようしたときだった。
(あれ?開いてる…?)
朝、ヒナギクはきちんと戸締りをして家を出て、彼女自身もそれをしっかりと覚えている。それに娘のアカリが帰ってくる時間にはまだ早く、彼女が鍵を開けていたという線もないだろう。ヒナギクは一瞬だけ泥棒なんじゃないかと考えたが、その可能性も限りなく低かった。今ヒナギクが入ろうとしていた家は三千院家の敷地内にあり、当然SPの監視の目も行き届いている。こんな厳重な警備の中を昼間から堂々とすり抜けられたとはどうしても考えにくかった。
(もしかして……)
淡い期待がヒナギクの頭に浮かんだ。だが、それは絶対にない。万が一にもありえない。なのに、それが分かっていても彼女は小さな希望を抱かずにはいられなかった。
しかし家の中から聞こえてきたのはやはり聞き慣れない声で、ヒナギクは思わず肩を落とした。
(それにしても…人の家でなにしてるのかしら?)
ヒナギクは念のために白桜を構え、中にいる人物に気づかれないよう少しだけ玄関を開けた。はっきり聞こえるようになった声から、中には二人いることが分かった。
「ったく…どんだけビショビショになってんだよ…。ほら、脱がすぞ?」
「ん〜!やぁ〜だぁ〜!」
(本当に、なにをやっているのだろう……)
ヒナギクは会話の内容を変な方向に受け取ってしまったが、すぐに雨に濡れて着替えをしているところだと思い直した。というより、ヒナギクはそうであって欲しいと思った。しかしどちらにしろ不法侵入であり、非常識であることに変わりない。意を決したヒナギクは勢いよく玄関のドアを開け、声の主がいるだろうリビングに飛び込んだ。
「ちょっと!人の家で勝手になにやっ…て……?」
「…?」
女の子がいた。雪のように真っ白な髪はお下げにしてあり、横髪は外側にクセがある。瞳はそれ自体が光源になっているんじゃないかと思えるほど明るい黄色で、唯一着ているように見えるブカブカのTシャツは雨に打たれていたためかグショグショに濡れていた。そして年は…5歳くらいだろうか
「えっと…なに?この子…」
初対面だ。初対面のはずだ。なのに、ヒナギクはこの女の子に会ったことがあるような気がした。しかしそのことにヒナギクが思考を巡らす前にリビングの奥から声が聞こえ、彼女は咄嗟に身構えた。
「こら、人の家なんだから濡れたまま歩き回るなってさっき言っただろ?」
「だってお風呂嫌なんだもん!」
さっきの女の子とは対照的に髪は吸い込まれそうな黒一色で、腰あたりまでストレートに伸びている。目も同じように闇夜みたいに黒く、ボーイッシュな口調だがその声は涼やかでとても綺麗だった。
そして今度は確実に、ヒナギクは目の前のこの人物に見覚えがあった。
「もしかして…ガウくん!?」
「ん?なんだヒナ、意外と遅かったんだな」
驚いているヒナギクとは違って岳はすごくあっけらかんとしていたが、それよりもヒナギクが気になっていたのは彼の綺麗な長い髪だ。もとから中性的…ぶっちゃけてしまうとハヤテ並かそれ以上に女顔であったため、本当に女性のようにしか見えなかった。岳はそれに気が付いたのか、ヒナギクが質問するよりも前に口を開いた。
「あぁ、これか?これはその…レナが……な」
しかし彼のほうとしては自分の意思ではなく、恋人に頼まれてしぶしぶといった感じのようだ。しかし恥ずかしそうな表情でクルクルと自分の髪を弄る岳の姿は誰がどう見ても美しい一人の女性にしか見えず、正直、ヒナギクもレナの判断は正しかったんじゃないかと思うほどだった。それくらい…似合っていた。
思わず見入っていたヒナギクだったが、岳がそれを遮るように話を切り出した。
「あ、そうそう。このちっこいのはリナ。俺の娘だ。ほら、あいさつ」
「こんにちは…」
リナと呼ばれた女の子は行儀よくお辞儀までしてきて、ヒナギクもそれにつられるようにお辞儀してあいさつを返した。
「そういえば、レナは…?」
「レナならルナと…もう一人の娘と一緒にシャワー借りてる。リナとルナは双子なんだ」
ヒナギクは大きくため息をつくことしかできなかった。いくら彼らが神様でも、人の家に勝手に入ってさらにシャワーまで使うのはどういうものなのだろうか。
「まぁ、あなたたちだったら別に構わないんだけど…。でも一応言っとくけどそれ、不法侵入だからね?」
「悪かったって。てか、俺たちが来てることマリアさんから聞いてなかったのか?メッセージも送っといたぞ?」
マリアからそういう話は聞いてないが、ヒナギクがケータイを確認してみると確かに着信とメッセージが残されていた。帰ってくる途中でかかってきたのだろうが、雨の音で気づかなかったらしい。ヒナギクは思わず、また大きくため息をついた。
「ていうか、なんで日本にいるのよ?たしか外国行ってたんじゃ…」
岳たちはヒナギクとハヤテが結婚して丁度一年後くらいに日本を去っていた。彼らがいなくなったのは本当に突然の出来事で、ヒナギクたちがそのことに初めて気づいたのは岳たちの家に改めて訪ねた時だった。そこは空地になっていて建物すらなく、勘違いしてるのかもと思ってきちんと確認してから探してみても結果を同じだった。あとからメールで引っ越したと連絡をもらったときには、ヒナギクは怒りすら覚えたものだ。それほどまで、岳たちは何も言わずにどこかへ行ってしまっていた。
「まぁ、やることがほぼ終わったから…帰ってきたんだよ」
彼らがやることなんてどうせ途方もなく、ヒナギクにはとうてい理解できないことだ。それを察した彼女はあえて何も質問しなかった。そんな唇を閉じているヒナギクをよそに、岳はしゃがみこんで、ずっと彼の足もとにいたリナの頭を撫でてから彼女に一枚のタオル持たせた。
「リナ。レナたちがそろそろあがってくるころだろうから、タオル持っていってくれるか?」
「うん!」
風呂場までかけていくリナをヒナギクは目で追い、それから岳に視線を戻すとすでに彼は立ち上がっていて、どこかいたずらな表情を浮かべていた。
「それに、こっちに戻ってきたのは例の件があったからというのもあるしな」
「……」
‘例の件’ヒナギクはそれが何を指しているのかすぐに分かった。しかし、だからと言ってなんなのだろうか。どうせ岳がハヤテのことを知っていたとしても、神様の力を使って生き返してくれるわけではないだろう。彼はそういことを絶対にしないし、ヒナギク自身もそれを頼み込もうとは思っていなかった。
しばらく沈黙が続いた。だが、ヒナギクはずっと顔を伏せていたため、その静けさを破った岳の口の動きに気がつかなかった。
「なぁ、ヒナ…」
「……なに?」
「ハヤテのこと、生き返らせてやろうか?」
「…!!」
顔のあげたヒナギクの前にいた岳は、さっきよりもいたずらな顔をしていた。
どうも
なんというか、「るな」って
感じとかひらがな
だとそうでもないのに、「ルナ」ってカタカナにすると途端に厨二っぽくなるなぁ〜て。
それはさておき、今回はもうほとんど恒例化してる岳さんが登場する話でした。双子の子供まで連れてるのでまたオリキャラが増えました。いやまぁ、一次小説にしたいわけじゃないんですけど…なんか気づけば多くなっているっていうか…。上にもう一人、男の子もいますし……(ため息
なんにせよ、どんなにオリキャラが増えようと軸であるハヤヒナだけはしっかりやっていくつもりです。……やっていきたいと思っています(小声
取り敢えず、簡単なプロフィールです↓
竜堂 岳(りんどう がく)
正真正銘の神様。最後の台詞のように人を生き返らせることだって造作もありません。ただ、彼自信がそういう行為を良しとしてないため、この話のヒナさんみたいな人を見つけたとしても手を差し伸べるようなことは絶対と言っていいほどしません。それが何故、今回ヒナさんにそういう話をしたのかは後ほど。
本名はガウス・ノバルクといって、彼と幼馴染っぽい関係でもあったヒナさんは略して「ガウくん」と呼んでいます。実は最近、授業でガウス(数学者)の話がよく出てくるようになっていろいろと複雑な気分です(どうでもいい
竜堂 レナ
岳さんの妻であり、恋人。今回はお風呂に入っていて出てきませんでしたが、多分次回からは出てくるかと。取り敢えず、ヒナさんのママ友みたいな感じのポジションです。
本名もそのままレナです。
二人の子供であるリナちゃんとルナちゃんについては今後出番がないので、省力させていただきます。取り敢えず双子でございます。
さて、次回からはお話の方向が結構変わるので、これからもよろしくお願いします。
それでは