Re: 解をだせない‘想い’の方程式 |
- 日時: 2015/06/17 00:31
- 名前: タッキー
- どうも、タッキーです
試験とかいろいろあって遅くなっちゃいましたけどやっと更新です。 それじゃ、特に言うこともないのでさっそく第2話… 更新!!
正直に言って、それほど寂しいとは思っていなかった。別に彼がいないことがなんともなかったわけじゃない。たまに彼が帰って来てくれた時はすごく嬉しかったし、その時間が終わった後の喪失感だって痛いほどに感じていた。だから、私のハヤテを好きな気持ちが変わったことだけは…絶対に無かった。 しいて言うなら…
「それじゃママ、いってくるね!」
「いってらっしゃい。あんまり先生に迷惑かけちゃダメよ?」
しいて言うなら…満足感だろうか。ハヤテと結ばれたこと、ハヤテとの娘ができたこと。心に余裕ができたっていうか…安心しているっていうか…。
「むー!私いい子にしてるもん!」
なんにせよ、目の前でふくれっ面を作っている我が子を見ているだけで温かい気持ちになれているのは確かだった。
「はいはい。それじゃアカリ、また夕方迎えに来るからね」
「うん!」
そう、私は幸せだった…。
今日、娘を幼稚園に送って…気紛れに商店街に寄り道して…そこで、私たちのために仕事をしてくれているはずのハヤテを見るまでは……。
小さなプレゼントと一緒に、天皇州さんに…私たち以外の人に向けられたあの幸せそうな表情を見るまでは…
第2話『 ワスレモノ 』
食器を片付けている途中、すぐそばで声をかけられてはじめて私はハヤテが帰ってきたことに気づいた。玄関のドアが開いた音にも、その時にハヤテが「ただいま」と言ってくれたことにも気づいていなかった。それぐらい、さっき見た光景のことで頭がいっぱいだった。
「ヒナ…ただいま」
「あ、おかえりなさい…ハヤテ…」
ハヤテは少し嬉しそうに見えたけど、私にはその理由が分からなくて……いや、ホントは分かっていたはずなのに、その答えに自信を持つことができなかった。
「えっと…アカリは?」
「幼稚園よ。平日なんだから当たり前じゃない。それにしても仕事のほうはもういいの?」
目は合せなかった。私の沈む気持ちとは逆方向に、ハヤテの声のトーンはだんだんと弾んでいく。それが…なぜか面白くなかった。
「うん。遺産の件もようやく片付いたし、後始末まで全部終わらせたから…これからは毎日帰ってこれるよ」
「そう…なんだ」
嬉しい知らせのはずなのに素直に喜ぶこともできない。それどころか意に反してふつふつと沸いてくる感情は、自分でも分かるくらいにいやしいモノだった。
「ねぇ、ハヤテ…?」
「ん?」
「なんでさっき……」
ホント、自分のことが嫌いにになるくらい……嫉妬していた
「天王州さんと、一緒にいたの…?」
「え…?」
何も、言ってくれなかった。べつに言い訳をしてほしかったわけでも、謝ってほしかったわけでもなかったのに、なぜかそれは私を激しく葛藤させた。
「ねぇ、何か言ってよ…。家族ほったらかしにしてまで仕事してたのはなんで?私たちのためじゃなかったの?」
「ち、ちがう!僕はずっとヒナとアカリのためにって…!!アーたんはただ買い物に付き合ってもらってただけで……」
「じゃあなんで…!!なんで、彼女にネックレスをあげてたのよ…!!」
多分、彼がどう答えていても私はこの問いを投げかけただろう。だけど一番心に引っかかっていたのはこれじゃなかった。
「そ、それは…!」
「私ずっと待ってた!寂しかったけど、心細かったけど…!それはきっとハヤテも同じだからって思って…ずっと我慢してた!!なのにハヤテは仕事が終わってもすぐに家に帰ってこないし、それどころか先に天王州さんと会っていて…!」
「だ、だからそれはヒナがちょっと誤解してるだけで…!!」
「誤解!?あんなに楽しそうに笑っていたのに!?」
私は…ホントに寂しかったのだろうか?ふとそんな疑問が頭をよぎった。でもそれは一瞬で、思考を巡らせる間もなく頭の中から消えてしまった。だって…
「ハヤテにとって私たちはなんなの!?あなたが私を大切だと言ったことも…特別だって言ってくれたことも全部うそなの!?」
「うそじゃない!!結婚だってしてるんだから……」
ハヤテが…こんなことを言いだしたのだから……
「結婚してるから…アカリがいるから……私は特別なの?」
言っていることは無茶苦茶だったと思う。後で冷静になって考えればもっと良いとらえ方が…自分に都合のいい解釈ができたのかもしれない。
「ち、ちがう…。僕は…そんなんじゃ……」
「もういいわ……」
「僕は…ヒナとアカリのこと、ずっと……」
「もういい!!」
「………」
ハヤテは…辛そうだった……
「もうハヤテなんか…!!」
私も…悲しかった……
「ハヤテなんか…!」
なぜか、この時だけは二人の気持ちが一緒だと…確かにそう感じることができた。
ホント、皮肉にもほどがあると…そう思った。
「いなくなっちゃえばいいんだーーー!!!」
私が我に返ったのは、ハヤテの目から流れているものに気づいた時だった。その瞬間「言い過ぎた」と、そう思ったのに、先に謝ってきたのはハヤテの方で、私は言葉をなくしてしまった。
「ご、ごめん…!辛いのはヒナのほうなのに……!」
「……」
そう。私はハヤテがいない間、とても辛かった。だから…
だから…?
ハヤテが背を向ける。その瞬間、背筋にゾクリと悪寒が走った。手は…伸ばさなかった。
ハヤテがドアに手をかけた。まだ間に合う気がしていのに、手は…伸ばせなかった
「ちょっと…出かけてくる……」
ドアが閉まる音が、一人ぼっちの部屋に虚しく響いた。
ハヤテがいない間、私はそれほど寂しいとは思っていなかった。だけどその分、すごく…すごく……辛かった
だから、帰ってきたときにはせめて…
抱きしめて…ほしかった…
「私は、ハヤテに抱きしめて…欲しかったんだ……」
どうも、 なんかヒナさんの心情の変化がややこしいですが、まぁ、次で落ち着くとこに落ち着くかと。上手く書けるか分かりませんけど落ち着けるように努力します。 短いですが今回はこれで
それでは
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