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対象スレッド 件名: Re: 愛しい虹へ
名前: タッキー
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Re: 愛しい虹へ
日時: 2015/04/06 10:02
名前: タッキー

どうも、タッキーです
今回は後編ということで・・・特に話すことはありません。とりあえず短いです
それでは・・・
更新!!






































「うぅっ・・・!!もう・・・ダメ・・・」

「だ、大丈夫!?どこか押したりしたほうがいい!?」
    
「ヒナちゃんは弱音を吐く暇があるならいきんで!ハヤテくんも質問しちゃダメ!」

ヒナの爪が僕の手に痛いくらいに食い込んでくる。でもそれ以上に、目の前で辛そうにしている彼女に何もしてあげられないことのほうがよほど痛く感じたし、まるで自分の胸をえぐられるような気分だった
レナさんの指示はとてもじゃないが普段の彼女からは想像出来ないほど厳しかったけど、そのおかけで僕もヒナもパニックにならずに済んでいたのは確かだった。レナさんはヒナに何度も呼吸法を教えたり、子宮口がどれくらい開いているかを確認するためらしいけど、ときおりヒナの下腹部に手を当てていた。僕も陣痛やいきみの間にヒナにお茶を飲ませたりして必死にサポートしたりして、せわしない時間がちょうど二時間ぐらいを過ぎたころ、レナさんは僕にこれまでとは違う新しい指示を出してきた

「ハヤテくん、ヒナちゃんのみぞおちを思いっきり押して」

「は、はい!」

レナさんに言われた通りヒナのみぞおちに手を添え、心臓マッサージをするような形で体重をかけるとヒナの肌ごしに何かを押し出しているような感触がたしかにあった

「もっと全体重をかけるくらいでお願い!」

「えっ、でも・・・」

僕がお腹を押したせいか、今までより苦しそうにしているヒナを見ているとレナさんの指示が正しくないような気がしてきた。それはきっと5秒にも満たないくらい短い時間だったのだろうけど、ヒナにこれ以上の苦しみを与えたくないって気持でためらっていた僕の耳に響いた声にはまるで心臓を撃ち抜かれるような錯覚に陥った

「ハ・・・ヤテ・・・」

「ひ、ヒナ!!だいじょう・・・」

「キミがためらっている時間だけ彼女が苦しんでるって気づきなさい!!」

「っ!!」

たまらずに目を閉じながら、ヒナが聞きたくないだろう謝罪の言葉を心で叫びながら、僕は思いっきり腕に全体重をかけた

「ううっ!!」





















































   するん・・・




この瞬間を形容するなら、僕はこの言葉が一番正しいと思った。あまりにもあっさりとし過ぎていて、あまりにも唐突すぎて、今まで冷や汗を流していた13時間以上という長い時間がなんだか嘘のようにさえ思えた

「2602gと41p・・・ちょっと小っちゃいけど健康そのもの!二人ともお疲れ様。アカリちゃん、すごく元気だよ」

大きな泣き声が響く部屋の中、僕がふとヒナを見てみると彼女は大きく息を切らしていて・・・そして、笑っていた。なんだか熱いものがこみあげてきて、なんて表現していいのか分からなくて、ヒナと同じように僕も自然に顔がほころんでいて、そして、なんとなく・・・
































「すごく・・・幸せだな・・・」

  




   ・・・て、思った










































   〜Sequel〜
 
 『 今日はきっとキミの色 』









































目を覚ますと私はさっきまでとは違う部屋のベッドの上に横になっていた。あのあと疲労からとか痛みからの解放からとかでどっと眠気が襲ってきたのは覚えてるから、きっとそのまま眠ってしまったのだろう

「もったいないことしたちゃったな・・・」

「何が?」

それは私の大好きな声。さっきずっと私のことを励ましてくれた、私にとって一番愛おしい声。その声の主の方へ顔を向けると、彼の少しだけ揺れる腕のなかに私のつぶやきの原因がぐっすりと眠っていた

「この子に・・・アカリに早く顔を合わせたかったなぁ〜て」

「ヒナは結構すぐ寝ちゃってたからね。実はアカリ、さっきまで起きてたんだけどこれが泣き止まないのなんのって・・・」

「ふふ・・・。でも、やっと会えた・・・」

この日をどれほど待ちわびたことだろう?ハヤテから薄桃色の毛布に包まれているアカリを受け取りながら、私はふとそんなことを考えていた。小っちゃくて、軽くて、あったかくて、まるでおサルさんみたいなこの子を見てると顔がほころぶのが止まらなかったし、そもそもそれを止めようとする考えも今の私の頭にはなかった

「はじめまして。アカリ・・・」

少し強めにぎゅっと抱きしめてみる。眠ってるらしいから気のせいかもしれないけど、ちょっと笑ったような気がした

「これからよろしくね・・・」

アカリにはできるだけたくさんのモノをあげよう。楽しんでいるときは一緒に笑ってあげよう。悲しんでいるときは励ましてあげよう。泣いてるときには・・・ちゃんと抱きしめてあげよう

「ハヤテ・・・」

「ん?」

「・・・ううん。なんでもない」

「え?」

「ふふ。なんでもないの」

私の笑顔にすっとんきょうな顔をするこの人と一緒に、あなたを幸せにしてあげる。私たちにこんなに大きい幸せをくれたあなたを、私たちがもっと大きい幸せでつつんであげる





















「愛虹・・・生まれてきてくれてありがとう」






あなたの毎日が今日みたいな幸せの色で包まれるように、私たちがんばるからね
























































ふぅ・・・。生まれた・・・。やっと生まれた・・・。長かった・・・。


赤飯じゃーーーーーい!!!!


コホン・・・。取り敢えずアカリちゃんが生まれたということで自分のSSにもかかわらずなんかテンション上がっております。
出産の様子は全部ネットで拾った知識なので正しいとは限らないです。てか陣痛室とかがない時点でいろいろ素っ飛ばしているんですが病院じゃないのでセーフです。これでも結構な時間情報あさってたんで勘弁してください。
ちなみにサブタイは『本日、満開ワタシ色!』から思いつきました。少しニュアンスは違うかもしれないけど、結構いいんじゃないかなって思っています
次は少し趣向を変えたSSでいこうかなと思っています

それでは