Re: YYY |
- 日時: 2014/06/30 23:20
- 名前: 双剣士
- やがて。肥料を積んだ自転車を押しながら楽しそうに談笑する綾崎ハヤテと京橋ヨミの後ろを、こっそりと尾行するYYYメンバーの
姿があった。 「おのれ、我らがヨミちゃんと一緒に並んで歩くとは、八つ裂きにしても飽き足らぬ奴……」 「我慢しろ。これで奴の居所を割り出すことが出来れば、ヨミちゃんが帰った後でどうにでもできる」 「そうとも。ヨミちゃんの思い出を美しいまま終わらせてあげるのも、我々の務めというものではないか」 一度は慎重論に傾いたYYYメンバーであったが、こうも羨ましいシーンを見せつけられ続けては自制するにも限界がある。復讐の機会が 近いうちに訪れる、そう信じ込む方向に一同の心理が流れてしまうのは無理からぬところであった。 一方、そんな周囲の思惑があろうとは露知らぬ鈍感男と鈍感女のカップルは……。
「アパートのみんなはスイカが食べたいって口を揃えたんですけど、マリアさんは今の時期だとゴマとかパセリになるって言うんですよね」 「あははは、それじゃ他の人はがっかりしちゃいますね。でもガーデニングは別に食べ物に限りませんよ?」 「でも食べ物以外を育てて、どうするんですか?」 「もう、食いしん坊だなぁ、ハヤテさんは♪」
……という色気の欠片もない会話をしていたわけだが、尾行しつつ身を隠すことに精一杯なYYYメンバーは気づかない。 「ちくしょう、ヨミちゃんの表情がSランクを通り越してS+まで来たぞ。下手するともっと上のランクが必要になるかも知れん」 「えぇい、連邦軍のモビルスーツは化け物か……」 「そんな事を言ってる場合か! あのヨミちゃんの表情は絶対に撮り逃せんぞ……うっ、バッテリーがもう残り少ない!」 「くそっ、部屋でコンセントに繋ぎっぱなしにしてたせいでバッテリーがヘタレたか! この根性なしめ!」 こいつらにヘタレ呼ばわりされては、バッテリーも良い迷惑である。 「急いで予備のビデオカメラを調達しろ! なに電器店まで遠すぎる!? まったくこの肝心なときに……おっ、あれは?」 そのときYYYメンバーの1人が見かけたのは、彼らと同じように京橋ヨミたちを尾行しながらビデオカメラを構える、3人の女子高生の姿であった。
※ (すみません、思ったより長引いたため6月末までに完結できませんでした。もう少し続きます)
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