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対象スレッド 件名: Re: 兄と娘と恋人と
名前: タッキー
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Re: 兄と娘と恋人と
日時: 2015/01/12 02:59
名前: タッキー

ハヤッス!!タッキーです。
今回で『兄と娘と恋人と』は本当に最後です。しつこいですがこのSSを読んでくれた方々、本当にありがとうどざいました。
あ、ちなみに前回のAfterのあとについていたPrequelは前編という意味です。なので今回は後編という意味のSequelがくっついています。
それでは本当に本当の最終話、アフター後編・・・
更新!!























はじめまして。突然ですが今日は綾崎家のある夕方の出来事をを紹介したいと思います。え?その前に私が誰なのかって?まぁ、それについては後ほど。
ほら、そうこうしている内にこの家のご主人が帰ってきましたよ。ここからが紹介の始まりです。








    After〜Sequel〜
    
       『愛、湊めて・・・』








「ただいま〜。」

玄関のドアが開く音と同時にこの家にとって慣れ親しんだ声が聞こえた瞬間、キッチンの方から桃色の髪を横でポニーテールに束ねた少女が私の横を颯爽と駆け抜けていきました。本当は私のほうが年下なので少女という言い方は少し失礼なのかもしれませんけど・・・。とにかくその人は背中の後ろで手を組み、たった今帰ってきた自分の父親を上目遣いの状態で出迎えたわけなんですが・・・

「おかえり、パパ!ごはんにする?お風呂にする?それともワ・タ・・・」


  スパーン!!


ま、そうなりますよね・・・。さっきと同じように私の横を駆け抜けていった別の女性から丸めたポスターで頭にカツを入れられちゃったんですけど、叩かれた本人はあまり反省していないみたいです。頭を押さえてますけど、もちろん本気で叩かれたわけではないのですからきっとそれもワザとなのでしょう。

「あー!叩いたー!ママがなんか長くて固いもので叩いたー!!」

「子供っぽく言ってもダメよ!まったく、ハヤテが帰ってきた途端にこれなんだから・・・。」

「ヒナ、アカリだってまだ中学生なんだから・・・。」

「もう中学生です!!ハヤテも娘だからって甘やかさない!だいたい何年前から言ってると思ってるのよ!」

「あい・・・。」

とまぁ、こんな感じでこの家の大黒柱が帰宅すると決まって綾崎家は賑やかになるのですが、お察しの通りほとんどがこの瓜二つな母娘の会話によるもの。もし家が建っているのが住宅地の中だったら毎日苦情がくることでしょう。もしかしたら賑やかすぎて逆に苦情がこないんじゃないかってほど賑やかなのです。ちなみにこの家は三千院ナギという大金持ちのお嬢様が住んでいるお屋敷の敷地内、もっと言うとその母屋から2キロくらい離れた場所に建っている二階建ての普通の家です。2キロぐらいと言ってもまだ庭の範囲内だったり、大金持ちのお屋敷の中に普通の家が建ってたりするという不自然な事情はここではスルーですよ?なんでも通勤が楽だからいいんだそうです。

「それよりパパ!今日はオムライスだよ!!私だって手伝ったんだから!」

「おっ!それじゃ冷めないうちに食べないとね。」

「ちゃんと手は洗うのよ〜。」

「「ハーイ。」」

いつもの執事服から着替え、ジーンズに黒のTシャツになったハヤテさんと意味もないのに二度目の手洗いにいったアカリさんが戻った時には既に夕食がテーブルに並べられていて、ずっと椅子に座って食卓が完成していく一部始終を見ていた私のお腹からはグウ〜っと夕食を催促する音が出てしまいました。しかも作業を済ませ隣に座ったヒナギクさんに聞かれるというおまけ付きで。

「待たせてごめんね。まったくあの二人ったら・・・。」

「ま、いつものことですから・・・。」

私は彼女と同時にため息をつき、相変わらずニコニコしている目の前の父娘から料理のほうに視線を落とすとまだでき立てでアツアツを象徴する湯気が出ているオムライスが・・・。しかも見た目が美味しそうということだけでなく、作った人から美味しいという事実が分かっているのですから、これは我慢なんてできませんよね?

「えっと・・・あの・・・。」

「ん?あぁ、はいはい。ほら、二人とも早く手を合わせて。」

普段はあんまり我が儘を言わないようにしてますけど、この時ばかりはちょっと・・・。私が袖を引っ張るとヒナギクさんは笑顔で私の頭を撫でてくれたのですが、こんな優しいところが私はとっても大好きです。ほかの人に自慢したいくらい、私にとって素敵な人なんですよ。ま、それはハヤテさんもアカリさんも同じなんですけどね。おっと、そんなこんなで私のほうが手を合わせるのを忘れていました。

「「「「いただきます。」」」」

いつもやっていることですけど、これを毎日できるって素敵なことだと思います。だけど私が思わず笑みを浮かべていると前のほうから突然箸が伸びてきて・・・

「えいっ!!一口も〜らい!!」

「あーーー!!!ちょっと何するんですか!!!」

「いや〜、なんか幸せに浸ってるみたいな顔してたから。つい。」

私そんな顔してました?取り敢えず犯人であるアカリさんにはそんなに悪気がない、というか彼女の笑顔が無邪気そのものなのでやたらと怒ることもできずに私は頬を膨らませて拗ねていたんですが、そんな私の口元に彼女は箸で器用につまんだオムライスを持ってきました。

「はい、あ〜ん。」

「うぅ・・・。」

ここでこれを口に入れてしまうとなんだか負けてしまう気がします。でも取られっぱなしというのも負けを感じさせますし、なによりアカリさんの笑顔がやはり無邪気というかとても優しいというか・・・。結局、いつだって彼女に押し切られてしまう私は今日も例外なく押し切られてしまうのでした。

「あ、あ〜ん・・・。」


  パクッ・・・


「どう?美味し?」

「ま、まぁ美味しいですけど・・・。」

自分の頬が熱をもっていくのを感じながら、それを見られまいと必死に顔をそらします。しかしそれは逆効果で、綾崎家の人たちから微笑ましい顔で見られているのでしょう。とくにアカリさんからは・・・。

「今回は自信作だったからね〜。美味しいって言ってくれてよかった。」

「もう・・・。ズルいです・・・。」

「ほら、二人ともあんまり喋ってると冷めちゃうわよ。」

「二人が食べないんなら僕が食べちゃおうかな〜。なんて。」

ハヤテさんはやっぱりアレですね。その言葉にアカリさんが食い付かないはずがないのにそれをまったく想定しない、そして全く学習しないで言ってるんですから。

「え!?それじゃパパにもあ〜ん。」

「ちょっ!!アカリ!それは私がしようとしていたのに!!」

「えへへ。早いもの勝ちだよ〜。」

「・・・。」

どんだけ仲がいいのでしょうか、この家族は。実を言うと私も参加したかったりするのですが、これ以上ややこしくなってしまうとハヤテさんが困ってしまうので。
何はともあれこんな賑やかな毎日、これが綾崎家の日常で、私からの紹介は最後です。え?私が結局誰で、何者かですか?それはですね・・・

「よし!!カナエちゃんのオムライスもう一回も〜らい!!」

「あっ!!ちょっと、いい加減に怒りますよ!!










































      お姉ちゃん!!」










  それは・・・まだ、秘密です。