Re: 兄と娘と恋人と |
- 日時: 2014/11/25 01:44
- 名前: タッキー
- ハヤッス!!タッキーです。
参照が4000を超えました!!読んでくれた方、本当にありがとうございます。実際、まだ文才がないことが悩みなんですが・・・。と、とにかくありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!! さて、今回の本文は取り敢えず西沢さん視点でいこうかなって思っています。実は前回で西沢さんと決着をつけさせるつもりだったんですが、どうも三人称ではやりにくかったので・・・。あ、冒頭はやっぱり岳くんとレナちゃんの話しです。なんかこれで安定してきた気が・・・ そ、それでは・・・ 更新!!
(まさかガウスがここまで強引だったなんて・・・)
-ずっと俺だけ見てろ・・・-
(私はまだドキドキしてるのに・・・なんでこんな可愛い顔して寝れるのかな?)
同じベットの上でレナは隣で寝息をたてている岳を見るたびにため息をついていた。ちなみにシーツこそ被ってはいるものの二人とも服は着ていない。つまり事後だ。 レナが岳の頬を指で軽く突くと、彼は少し顔をしかめてまた寝息をたて始める。顔はまだ赤いものの、それを見ていたレナは微笑んでいた。
「これからはずっと一緒に歩いていこうね・・・。」
そう呟いても当然反応が帰ってくるはずもなく、レナは少し残念そうにため息をついた。聞かれていたらそれでもの凄く恥ずかしいのだが、答えてくれないのも寂しさを感じさせる。 しかしそれでは癪なので、このままこっちからキスでもしてやろうかなどと考えながらレナがもう一度岳のほうを見てみると、その顔は不自然なほど真っ赤に染まっていた。
「お、起きてた・・・?」
「起きてない・・・。」
ボフッ!!!!
それはレナが枕で岳の顔を抑えた音だった。
「忘れて!!お願いだから忘れてー!!!」
「やめろって!!!てか忘れられるわけねーだろ、バカ!!!」
なんとか枕を奪い取って拘束から抜け出した岳はレナの胸に枕を押し付けた。レナは不満そうに頬を膨らませ、若干涙目の顔で岳のことを睨みつけていたのだが、岳はそんな彼女を見てまた顔を赤くしていた。
「な、なんでガウスが赤くなるの!?恥ずかしい台詞言ってきたのはガウスもなんだからね!!」
「分かった!!分かったからそんな顔すんな!!」
岳は正直目のやり場に困っていた。レナは腕と足、さらにはシーツまで使って身体を隠そうとはしていたのだが、それでも隠せていない箇所があるのだ。そんな彼女から目をそらした岳は口を隠すように手を当てた。
「・・・また押し倒したくなる。」
「ひゃっ!!!」
レナがさらに強く自分の身体を抱いてもやはりちらほらと白い肌が見えている。岳は一旦深呼吸をして落ち着きを取り戻し、適当に服を取り出して彼女に投げてよこした。レナがそれをそそくさと着て一件落着とはいかず、お互いに悶々とした空気のなか、何も話さずベットの上に背中合わせてで腰掛けたままの状態が続いた。
「あのさ・・・。」
「なんだよ?」
しばらくして口を開いたレナに岳はぶっきらぼうな返事をしたが、その後の彼女の言葉でまた顔を沸騰させた。
「赤ちゃんできたら・・・どうするの?」
「っ!!!!な、なんでそういうこと聞くんだよ!?また思い出しちまうだろーが!!」
「ガウスがそのままでしちゃうからでしょ!!まったくこういう時だけ無駄に強引なんだから・・・!!」
気づけば吐息がかかる程に顔を近づけ合っていた。それに気づいた二人はバッと顔を離したのだが、レナのほうは勢い余ってベットから転げ落ちてしまった。
「お、おい・・・大丈夫か?」
「大丈夫・・・。それより、さっきのこと・・・。」
「・・・。」
岳はレナの手が自分の手に触れた瞬間、彼女を思いっきり抱き寄せた。
「それこそ大丈夫だ。」
「で、でも私たちまだ学生やってるし・・・、ガウスはともかく、私はまだこの世界のことすらよく分かってないし・・・。」
ポフッ・・・
岳はレナの頭にそっと手を置き、優しく撫で始めた。これまでヒナギクやアカリの頭を撫でたときとは違う・・・それが何かは岳自身もよく分かっていなかったが、レナだけは特別な感じだった。
「俺がいる。いざとなったら学校を辞めたっていい。」
「で、でもそれじゃ・・・。」
続きを言わせないように岳はレナの顔を自分の胸に埋めさせた。
「こんな時のために今まで頑張ってきたんだ。ずっと一緒に歩いてくれるんだろ?それならなんとかなるさ・・・。それにハヤテたちだっているんだから、お互いに協力すればいい・・・。」
「・・・。うん、そうだね・・・。」
(ガウスはこんなに変わってしまったのに、私の気持ちはちっとも変わらない・・・。やっぱり好きなんだなぁ・・・。)
「ん?どうした?」
岳はまだ何か考えているのかと思って声をかけたのだが、顔を上げたレナの笑顔はとても輝いていて、微塵も迷っている様子なんてなかった。
「ううん、なんでもない!!」
再び頬を赤く染めた岳を見たレナは、自分のおなかのあたりがトクンと高鳴るのを感じた。
第37話 『Walkin'』
どうしようーーー!!!!! 言っちゃった!!言っちゃった!!!てかさっきヒナさんは関係ないとか言ったけどこれ絶対怒られるよね!?うわぁー!!どうしたらいいのかな!?かなーーー!! ハヤテくんもなんで何も言わずにただ赤くなっているのかな!?そんな期待をもたせるようなことしちゃ・・・いや、期待しちゃいけないんだけれども!!
「あ、あのね!!ハヤテくん、今のはその・・・」
「ごめんなさい・・・。西沢さん。」
・・・。あれ?初めてじゃないはずなのに、分かっていたはずなのに、なんでこんな胸が痛いんだろう・・・?
「気持ちは嬉しかったですし、僕も西沢さんのことが嫌いではありません。でも、僕にはヒナギクさんが・・・。」
言わないで!!お願い、これ以上何も聞きたくない!!お願いだから・・・
「・・・いや、ヒナギクさんは・・・関係ないんです。」
「!!!」
「あれ?関係あるのかな?えっと・・・う〜ん・・・。」
こんな状況で頭を抱え始めたハヤテくんを見てたらちょっと吹いてしまった。でも、関係ないってどういうことなんだろう。
「えっと・・・ハヤテくん?」
「あ、はい!ですから・・その・・・僕はヒナギクさんが好きなんですよ。」
「うん、知ってる。」
「「・・・・・・」」
あれ?なんなのかなこの微妙な間は。もしかして言っちゃいけなかったのかな?
「いや、まぁそうなんですけど・・・。」
なんか私が出鼻を挫いちゃったみたいだけどハヤテくんはすぐに笑顔をつくった。私の大好きな優しい笑顔・・・。
「付き合っているとか・・・そんな前提の前に僕がヒナギクさんを好きなんですよ。愛してるなんてまだ言う資格はないかもしれですけど・・・それでも好きなんです。だから、もう僕の心が西沢さんに傾くことはありません。ごめんなさい・・・。」
ハヤテくんがじっと・・・私だけを見つめている。フられちゃったはずなのに、なんでこの続きをずっと見たいなんて思っているんだろう?
「・・・ありがとう。」
「え?」
「いや、ちゃんと断ってくれたこと。そうじゃないと私・・・ずっと諦めきれずいたかもしれないから・・・。ね、ハヤテくん?」
「はい?」
まだ完全にってわけにはいかないけど、結構吹っ切れたんじゃないかな?でも、最後くらいは我が儘言ってもいいよね?
「に、西沢さん!?」
今、私はハヤテくんに抱きついている。温かい・・・。これで最後・・・ホントに最後だから。 でもこんなのヒナさんに見つかったら絶対怒られちゃうよね。もう十分気が済んだし、これぐらいで・・・
「パパ・・・?何やってるの?」
そっか〜、そうきたか〜。恋人の代わりに娘が来るなんて、ハヤテくんってやっぱり不幸体質なんだなぁ・・・。
「あ、アカリ!?これはその・・・。」
「問答無用!!!」
「まったく、そうならそうと事情を説明してくれれば・・・。」
「アカリ?問答無用とか言ってなかったっけ?」
「何か?」
「いえ、何も・・・。」
なんかハヤテくんの未来を知っちゃったかも・・・。それにしてもアカリちゃんもヒナさんと同じで怒るとすごいな〜。ハヤテくんボロ雑巾みたいにされちゃったし・・・。
「ところでアカリちゃんは何で商店街に来てたのかな?」
「ん?ああ、ナギお姉ちゃんの誕生日プレゼントを買いに来たの。ホントはパ・パ・と・買いに行きたかったんだけどいつまでたっても帰ってこなくてママが先に帰ってきちゃったから、ママに連れてきてもらったの。」
アカリちゃん、ハヤテくんを見る視線が怖いよ。まぁ、ほとんど私のせいなんだけど・・・。
「え!?ヒナギクさんも来てるの!?」
「そう。だからママに見つからなくて本当によかったね。まぁ、そのママなんだけど向こうのお店にいるから、せっかくだし一緒に帰ろう。」
さっきとはうって変わって無邪気な笑顔を見せるアカリちゃんはホントにハヤテくんのことが好きなんだと思う。やっぱりお父さんだからかな。
「あー、こんなところにいた。ってなにハヤテくんと腕組んでるのよ!!??」
「いいのいいの。だって私パパの娘だしこれぐらい普通だよー。」
う〜ん、結構本気なのかな?アカリちゃん最初はあんなにハヤテくんのこと避けてたのに、やっぱりハヤテくんは相変わらずだな。
「あ、歩も来てたんだ。」
「う、うん。私もナギちゃんのプレゼントを選びに・・・ね。」
「ママー!!歩お姉ちゃーん!!先に行っちゃうよー!!」
「あ、ちょっと待ってって!!ほら、歩も帰ろう。」
なんか、ハヤテくんがあんなにヒナさんのことを好きなっちゃった理由が分かったかも。ヒナさんの手、すごく優しくて・・・すごく温かい・・・。
「うん!!」
「へー、そんなことがあったんだ。」
「怒らないの?もしかしたら私がハヤテくんを奪ってたかもしれないんだよ?」
ヒナさんたちは今日アパートに泊まっていくらしい。ちなみに今はお風呂に入った後に二人で縁側に腰掛けてるんだけど、思い切って商店街のこと話したらなんだか呆気ない返事を返された。
「いや、そうなんだけど。なんていうか・・・信じてるのよ。」
「ヒナさん、惚気すぎ・・・。」
「し、仕方ないでしょ!!そういう話をしてるんだから!!!」
信じてる・・・か。やっぱり強いなぁ・・・ヒナさんは。
「それに、多分私たちにとっても必要なことだったとも思う。いつまでも中途半端なままじゃ歩も・・・私も前に進めない。だから・・・ありがとう。あっ!!これはフられたことじゃなくてハヤテくんに告白してくれてってことで!!!だからそういう意味じゃ・・!!」
「あはは。そんなの分かってるよ。」
やっぱりヒナさんはかわいいなぁ。思わず抱きしめたくなっちゃうくらい。
「って、歩?何してるの?」
「ん〜?」
前言撤回。やっぱり抱きしめました。
「苦しかったし、切なかったけど・・・やっぱり楽しかったから私はいい恋をしたんじゃないかな。だから、こちらこそありがとう。前にも言った通り恨みっこなしだから・・・ずっと友達だよ・・・。」
「・・・うん。」
ヒナさんは私の背中を撫でて、それから私の顔を隠すように抱きしめてくれた。こんなことされたらヒナさんが辛いはずなのに・・・私はなんでこんなに泣いちゃうのかな・・・。
「おはよう!ハヤテくん!!」
「あ、おはようございます。西沢さん。今日は早いんですね。」
12月3日、土曜日。遮る雲のない空から降り注がれる朝日が冬の澄んだ空気の肌寒さを溶かして、だんだんと私の体を温めていく。なんてモノローグを思いつくぐらい私は完全に立ち直ってる。
「そういや今日はナギちゃんの誕生日だね。」
「そうですね。これまでお世話になった分ちゃんと祝わないといけませんね。」
「なんか堅いけど・・・ハヤテくんらしいかな。」
昨日私はこの人に失恋しちゃったけれど、後悔がないなんて言えないけれど、私は私らしく歩いていける。笑顔も優しい言葉もちゃんとキャッチできる。これは綾崎ハヤテという男の子に「好き」って言った時から変わらない自分ルール。
「あ、そうだ。ハヤテくん。」
「はい、なんでしょう?」
「・・・いつもありがとう!!」
「へ?」
ハヤテくんはいきなりのお礼にキョトンとした顔をしていたけれどそれでいい。感謝していることなんていっぱいありすぎて私も全部は分からないもん。その中で一つあげるとすれば・・・西沢歩という少女に恋をさせてくれてありがとう・・・かな? これから彼以上の出逢いがあるのか分からないけど、まぁ、別の恋をするまではハヤテくんとヒナさんのお応援でもしていればいいんじゃないかな?
「えっと・・・西沢さん?」
「ん?なんだいハヤテくん。悩みがあるなら私に言ってごらん。」
「いや、悩みとかじゃなくてですね。そろそろ退いてもらわないと・・・掃除が・・・。」
「わぁああ!!ご、ごめん!!!」
「い、いえ・・・。」
せ、せっかくいい雰囲気だったのに!!!神様って本当にイジワルなんじゃないかな!?かなーー!!??
「へくちっ!!!ったく・・・そういうのと俺は全く関係ねぇっての・・・。」
「どうしたの?ガウス。」
「別に・・・。ちょっとくしゃみが出ただけだ。」
「うん。女の子みたいで可愛かったよ?」
「・・・。バカにしてる?」
「ぜんぜん・・・。」
どうも。 取り敢えずこれで西沢さんとの決着は終りです。 それにしても冒頭を書いていて思ったことなんですが・・・これ、ハヤテのSSでしたよね?いや、実は結構ハヤヒナ的にも必要なイベントだったりするんですけどやっぱりオリキャラだけだとこうなってしまうので。なんというか・・・再びすいません。 さ、さて今回は西沢さんのキャラソン『Walkin'』を使わせてもらいました。『Cuties』のエンディングテーマはどれも個人的に気に入っていたりするんですが、カラオケでないんですよね〜これが。ま、それは置いておいて『Walkin'』はその中でもホントにいい曲だと思うのでまだフルで聴いていない人は(アニメはちゃんと見ている前提)是非聴いてみてください!できればインスト(?あの歌詞抜きのやつ)も聴いてみてくだい!! 次回はナギちゃんの誕生日のお話です。
それでは ハヤヤー!!
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