Re: 兄と娘と恋人と |
- 日時: 2014/06/06 20:03
- 名前: タッキー
- ハヤッス!タッキーです。
数学の試験終わったーー! 二重の意味で終わったーー!orz 凄く旅に出たいです。ちなみに財布の中身は・・・12円orz まぁなんだかハヤテっぽいということで少し嬉しかったり、でも現実を見るとやっぱり・・・ ええい!挫けちゃダメだ! ということで更新!
今日の僕は、なんだか自分らしくないと思う。 人との会話は上の空、授業だって、ノートこそとっているものの、先生の話は全く頭に入ってこない。そしてなにより・・・
イライラしている。
その原因の目星は一応ついている。今、隣で楽しそうに談笑している1組の男女だ。 彼らは昔からの知り合いで、昨日久しぶりに再会したのだから、話が盛り上がるのは分かる。でも彼と楽しそうに話している彼女を見ていると胸が締めつけられるような気分になった。 あ、また彼女が笑った。 彼女が笑顔でいることは僕にとっても嬉しいはずなのに、今日はなんだか面白くない。 ホント、この気持ちは一体なんなんだろう? 今日は、自分らしく皆さんに接することができない気がする。
第5話 『Feeling ugly yourself』
今朝、ハヤテはヒナギクと一緒に登校していた。ハヤテは生徒会の仕事はいいのか、と尋ねたが、先日ハヤテが片付けた分でほぼ終わっていたらしく、その心配はないらしい。 ちなみにお嬢様の方は言わずもがなアレである。なんでも今日はアパートの大家として、自宅警備に専念するらしい。夏休みやラスベガスの件で結構成長したと思っていたハヤテとヒナギクはナギの将来をマジメに心配し、頭を抱えていた。
「昨日はちゃんと学校に来てくれたのに。さすがに自宅警備を理由に出すと、この先が思いやられますね。」
「いくらお金があるからって、あのままニートになられるのは、ちょっとねぇ。」
もう完全に娘のことを心配する父と母である。
「おはよー、ってなに二人とも朝からくらい顔してんだ?」
校門についたところで二人は岳から声をかけられた。
「あ、おはようございます。まぁ、ちょっとお嬢様の引きこもりを何とかできないかと。」
「ナギったら今日、学校にきてないのよ」
「あぁ〜ナギちゃんね、成程。ていうか何だか夫婦みたいだな、お前ら。」
岳の爆弾発言に、お湯が沸騰する勢いで顔を赤くさせる二人。ヒナギクが必死に反論しようとするが、
「そ、そんな!///私たち、まだ結婚は早いわよ!!!」
「ふ〜ん。『まだ』ねぇ〜。」
思いっきり地雷を踏んでしまった。 そのあとヒナギクは岳に散々からかわれ、ハヤテはそんな二人の会話に気絶しそうになっていたので、ヒナギクのフォローに入ることができなかった。教室に入る時、岳はとてもご機嫌な表情をしているのに対し、後ろの二人は顔を赤くさせて、お互いの顔を見ないように背けていた。そんな光景を疑問に思った美希は何があったのか聞こうかしたが、ハヤテとヒナギクはその前にそそくさと自分の席に行ってしまい、そのまま黙り込んでしまった。もちろん顔は背けたままで。
「おはよう、それよりあの二人何かあったのか?」
「ん?まぁ二人とも純情でお熱いってことだ。」
岳に聞いても詳しくは教えてくれなかった。
そして、ハヤテの中に黒い感情が生まれるのは2時間目の休み時間のときだった。
「ねぇ、ガウ君?さっきの授業を応用したやつなんだけど。」
「あぁ、それならこの部分をこういうふうに変換させて・・・・」
先程の授業の内容ではなく、まだ習っていないその応用を質問をするヒナギクも十分凄いが、それにあっさりと答えていく岳はもっと凄いだろう。ハヤテは勉強の参考になるのではと、話に混ぜてもらおうとしたが、隣を見た瞬間、動けなくなってしまった。 二人の距離は肩が触れ合う程近く、何も知らない人からしたら、仲のいい恋人と思われても仕方ないようなほど、二人は楽しそうに話していたのだ。 ハヤテはまだこの感情の名前を知らないが、それが自分の中にあることだけは、はっきりと自覚した。 何故ヒナギクは自分じゃない人とあんなに笑っているのか、何故彼女の隣にいるのが自分じゃないのか、など様々な考えが頭を回り、ハヤテは周りが見えなくなっていた。
「・・テ君、ハヤテ君!」
「っ!はいっ!!!」
ハヤテはこの感情を嫌悪し否定しようとしていて、ヒナギクに呼ばれているのに、いっとき気付けなかった。
「大丈夫?ハヤテ君、なんかボーっとしてるみたいだったけど?」
「え?あ、あぁ別に・・・・・」
そう言っている途中でふとヒナギクの後ろを見てみると、岳がなんだか勝ち誇ったような笑みを浮かべていて、それを見た時ハヤテのなかで何かの堰を切ったような音がした。
「・・・・・・」
「な、何よ・・・」
「それにしてもヒナギクさん、なんだか随分と楽しそうですね。」
ヒナギクは最初、自分の耳を疑った。いつもは優しい表情で話しかけてくるハヤテが急に声のトーンを落とし、いかにも自分は今、不機嫌ですよと言わんばかりの顔で話してきたのだ。
「もしかして、怒ってる?」
ヒナギクはハヤテの急な変化に戸惑うことしかできず、いつもはハヤテのセリフなのに、その言葉が思わず口に出ていた。
「別に、そんなことありませんよ。」
そう言い捨てるとハヤテは教室から出て行ってしまった。ハヤテの方もヒナギクが少し悲しそうな顔をしているのを見ると耐え切れなくなり、逃げてしまったのだ。 クラスの皆はその光景をとても驚いた様子で見ていて、我に返った三人娘が
「ど、どうしたの!?」
「ハヤ太君と喧嘩でもしたのか!?」
と心配そうに訊いてきたが、ヒナギクは少し落ち込んだ様子で、曖昧に答えることしかできなかった。 ハヤテとヒナギクはそのまま放課後までお互い口を聞かず、授業が終わるとハヤテはすぐに帰ってしまった。
生徒会室、岳はヒナギクの相談に乗るため彼女を待っていた。元々自分が原因だとはわかっていたため、今日中には仲直りをさせようと考えている。 エレベーターが開く音が聞こえてすぐ、ヒナギクが生徒会室に入ってきた。いつもは自分一人の空間に先客がいると気になるわけで、
「どうしたの?ガウ君。何か用?あとここは役員以外立ち入り禁止よ。」
ハヤテのことで落ち込んでいたため、言葉にトゲがでてしまう。しかし岳はそれを全く気にしていないようだった。
「すまん、すまん。まぁ可愛い妹の悩みでも聞いてやろうと思ってな。まぁそんなわけで最初の質問だがヒナ、お前ハヤテのこと好きだろ?」
「なっ!!///なんでそのこと!!!」
さっきまでの落ち込んだ雰囲気は何処へやら、ヒナギクは必死に照れ隠しをしようとするが、全然隠せてない。
「否定はしないのな。」
「もぉーーーー!!!///」
それから結局ヒナギクは岳に悩みを打ち明けた。ハヤテの急に態度を変えたことは自分が悪いんじゃないか、ハヤテに嫌われてしまったのではないか、など。しかし一通り話し終えて、岳の方を見ていると、なんだか笑うのを堪えている様子だった。
「な、何よ!私は真剣な話をして!」
ヒナギクはもう泣き出す一歩手前だった。
「あぁ!!悪い、悪い!俺が悪かったから泣くなって!」
「べ、別に泣いてなんか・・・」
相変わらずの負けず嫌いだなぁと思いながら岳はヒナギクの頭に手を置き、話を始めた。
「でも、たとえ嫌われても、ハヤテのことが好きなんだろ?」
「!!!」
「たしかに嫌われるのは悲しいし、辛い。すれ違いが重なって大切な人を酷く傷つけてしま時もあるかもしれない、けどな・・・・」
ヒナギクが顔を上げたその先には、助けてくれる、励ましてくれる、見るだけでそう直感させられるような表情をした兄の姿があって、
「その人を大切に思っている気持ちが本物なら、必ず想いは伝わる。やり直せる。だから心配すんな。それにお前は俺の自慢の妹なんだから。」
ヒナギクは強く頷くと、ありがとう、と一言だけ言って、自分の進むべき方向に駆けていった。
「ハヤテに嫉妬させるためだったとはいえ、少しやりすぎたからなぁ。 まぁ、ハヤテの方も大丈夫っぽいし、一件落着ってことで。」
残された岳もほっと安心したように微笑むと、彼女の後を追った。
どうも!読んでいただいた方、ありがとうございます。 今回はハヤテ視点に挑戦してみたり、ハヤテを嫉妬させてみましたが、どうだったでしょうか?やっぱりなんだか普段のハヤテとは全然違う感じになってしまいました。いや、まぁハヤテも高校生なのでちょっと誰かに当たりたくなる時もあるんじゃないかなぁと。こんなのハヤテじゃねぇー!と思われた方、誠に申し訳ありません。次回はハヤテサイドを書こうと思っているので、多分短い・・・かな? そして次はあの人がでます!(オリキャラじゃないよ) ちなみに岳君は男子でも女子でも下の名前で呼ぶ癖があります。実はこれにも理由があるんですよ。 とりあえず今回はハヤテ的にすいませんでした。 次はちゃんとキャラを大事にしていこうと思っています。 それじゃ! ハヤヤー!
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