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対象スレッド 件名: Re: 兄と娘と恋人と
名前: タッキー
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Re: 兄と娘と恋人と
日時: 2014/07/18 02:07
名前: タッキー

ハヤッス!タッキーです。
前回書き忘れましたが、アカリちゃんのモデルはこのサイトにいないです。普通に「ハヤヒナss」でググってもらえればいいと思います。
さて、今回はそのアカリちゃんがお母さんであるヒナギクさんと出会います。(少しだけ)
それでは・・・
更新!





ヒナギクとの決別やアカリとの出逢いなど、いろいろ衝撃なことが多すぎて、ハヤテは疲れがピークに達していた。このまま襲ってくる睡魔に身をゆだねようと布団に潜り込もうとしたとき、コンコンと控えめなノックの音が聞こえた。ハヤテが眠気を押し殺し、返事をすると入ってきたのは枕を抱えた寝巻き姿のアカリだった。

「な、なんでそんなに驚いてるのよ?」

「いや、まさか訪ねてくるのがアカリだとは思わなかったから。」

半日一緒にいただけだったが、アカリがハヤテのことをあまり好きではないということは誰の目にも明らかだった。最初に事情を話したとき以外ほとんど口を聞かなかったし、岳がハヤテの話を振っても嫌そうな顔をしてすぐに話題を変え、今だって少し冷たい態度をとっている。しかし部屋を訪ねてきた彼女はどこかよそよそしい感じで、ハヤテはまるで夜に眠れないナギのようだと思った。

「で、どうしたの?」

このままでは埒があかないとハヤテは用件を尋ねたが、それを聞くなり彼女は顔を赤くさせてもじもじし始めた。髪を下ろしている彼女はまるで本当にヒナギクのようで、ハヤテは一瞬、抱きしめたい衝動にかられたが、これ以上嫌われたくもなかったので必死にそれを押さえ込んだ。しばらくすると、アカリがやっと口を開いたが、その言葉は小さくてよく聞き取れなかった。

「・・・てもいい?」

「へ?」

「だから!一緒に寝てもいいかって聞いてるの!」

そう言うと彼女は返事を聞く前にハヤテと同じ布団に入り込んでしまった。ハヤテは少し呆気にとられていたが、同じように布団に入ると、アカリに話しかけた。

「どうしたの?急に・・・。」

「お父さんには関係ない。」

同じ布団で寝ているとはいえ、アカリはハヤテから背を向けるようにしている。相変わらず好かれてはいないようだ。しかしハヤテは自分の娘のことをもっとよく知りたいので、しつこく質問を続けていると、アカリはしぶしぶながら答えてくれた。

「私・・・暗いところダメなの・・・」

「へ〜。でもなんだか納得できる気がする。」

「もう私寝る!!おやすみなさい!」

アカリがそう言って頭まで布団を被るのをハヤテは微笑ましく見ていた。もう少し話していたかったが、アカリはもう喋ってくれそうになかったし、さすがに眠いのもあって、今日はもう寝ることにした。

「おやすみなさい・・・」

娘に一言かけると、ハヤテはその重い瞼を閉じた。











ス−スーと、隣で将来自分の父親になる人が規則正しい寝息を立てている。
アカリは自分に向けられている背中にそっと手をおいてみた。暖かかった。今度は顔も近づけてみる。いい匂いがした。それらは自分の記憶にあるものと同じよう優しくて、これに触れていると自分がなぜこの人を好きになれないんだろうと疑問を持ってしまう。

「早く帰ってきてよ・・・」

許せない気持ちと信じたい気持ちが、アカリの頭の中でぐちゃぐちゃに入り混じっていた。





 













 「パパ・・・。」





  第20話  『Cradle』





ハヤテが目を覚ますと、まず目に入ったのは見慣れない天井で、それと同時に感じたのは片腕の重たい感触だった。首を横に向けると、未来からきた自分の娘であるアカリがピッタリとくっついていて、スヤスヤと気持ちよさそうな寝息を立てていた。
離れようとすると袖を強く握ってくるので起きることもできず、仕方ないからハヤテは頭の中で今日の予定を立てていた。まずは伊澄のところに行き、仕事を手伝う許可をもらう。それから・・・
ハヤテはもう一度、隣で眠っているアカリを見た。ヒナギクたちは本当にこの子のことを信じてくれるだろうか?それに自分はヒナギクに会っていいのか?娘だと説明することに様々な不安を感じていると、アカリがもぞもぞと動きだし、ゆっくり目を開けた。

「おはよう、アカリ。」

彼女はボーッとしていて目をしょぼしょぼさせていたが、しばらくすると意識が完全に覚醒したのか、ハヤテから飛ぶようにして離れた。

「な、なんでお父さんが私の部屋で寝ているのよ!?」

「いやいや、ここ僕の部屋だから。」

「へ?」

アカリはわけが分からないという感じだったが、突然ハッとしたかと思うと、みるみる顔が赤く染まっていった。ハヤテは赤くなった理由を風邪なんじゃないかと見当違いの方向に捉え、起き上がって熱をはかろうとしたが、彼女の額に手を当てた瞬間、枕で顔を引っぱたかれてしまった。

「お、お父さんの変態!」

「なんで!?顔が赤くなってるから熱をはかろうとしただけだよ!?」

「・・・やっぱ、親子だと仲がいいな。」

実の娘であってもいつものように女の子に怒鳴られているハヤテに、岳は笑いそうになるのを押し殺しながら彼の部屋に入っていった。アカリはよくない!と否定していたが、それを軽く無視して岳はハヤテに用件を伝えた。

「朝飯はもう作ってあるから冷めないうちに食っとけよ。あと、俺は今日用事があって夜にしか帰ってこないから。」

「あ、分かりました。」

それじゃ、とドアノブに手をかけた岳は最後に一応釘をさしておいた。

「ヒナのとこにはお前もちゃんと行けよ。」

岳の言動には自分の心の内を見透かされているようでドキリとする。ハヤテは冷や汗をにじませた顔を縦に振ることしかできなかった。

ハヤテたちがリビングに行くと、テーブルの上にスクランブルエッグやフレンチトーストなどの洋風な朝食が並べられていた。作ってからあまり時間が経ってないのか、まだほかほかで、もちろん味も絶品だった。アカリは無視されていたことをブツブツ言っていたが、朝食を一口食べると突然表情を輝かせ、おいし〜と言って手を頬に当てていた。
彼女が笑っているのを見ていると、ハヤテはなんだか嬉しくなってしまった。それは自分の娘が幸せそうにしているから嬉しいのか、それともまるでヒナギクが笑っているようだから嬉しいのか、どちらかは分からなかったが、自分がちゃんと割り切れてないことを自覚して、それを消し去るように頭を左右に振った。

「どうしたの?お父さん。」

「い、いや。別に何でもないよ。」

アカリはふ〜ん、と言ってあまり気にしてなさそうにしていたが、すぐに朝食を食べ終わると食器を片付けながら、また話かけてきた。

「ママのことなら、もう諦めたほうがいいんじゃない?」

さすがはハヤテとヒナギクの子なだけあって、洞察力は鋭いようだ。ハヤテは彼女の発言に驚いたが、その後、意外に冷静に答えられた自分にも驚いていた。

「でも、それだとアカリがいなくなちゃうんじゃないの?」

「別に・・・ママが幸せになれるんだったらそれでいい。現に幸せになってないから、むしろその方がいいと思う。」

「・・・」

アカリはまだ八歳とは思えない程大人な物腰で話を進め、ハヤテはそれに驚くと同時に未来の自分に腹が立った。何故、自分の大切な人を幸せにしていないのか、何故、自分の娘にこんな想いをさせ、重みを背負わせているのか。もしかしたら自分は両親と同じような人間になっているのかもと、ある種の予感が頭をよぎったとき、アカリの口からそれを肯定するような言葉が聞こえた。それも連続で。

「本当にお父さんはダメ人間で、ダメ人間で、ダメ人間で、・・・。」

「いや、そんなにダメダメ言われるとさすがに傷つくんだけど・・・。」

ハヤテは真剣に自分の将来に関して不安を抱いた。

(やっぱり僕って未来でもヒナギクさんに迷惑かけてばかりなんだな。てか、なんでヒナギクさんは離婚とかしないんだろう?僕に弱みを握られてるとか?結局彼女を幸せにできないんなら、やっぱり諦めたほうがいいだろうな。
     ・・・やっぱり?)

ハヤテは自分の思考を嘲笑った。あれだけのことをして、彼女以外の人だって傷つけたのにまだ諦めきれてない自分に再び腹が立った。

「ていうかお父さん?今日どっか行くんじゃなかったの?」

「え?あぁ、そういえば。」

ハヤテは少し考え込んでいて、アカリの声で我に返った。彼女はハヤテの食器まで片付けてくれていて、テーブルもちゃんと拭いてあった。

「あ、食器ありがとう。アカリって家事とか好きなの?」

「まあね。それよりどこ行くの?ママのところ?」

アカリはヒナギクと会えることを楽しみにしているようで、ハヤテはできれば早く会わせてやりたかったが、心の準備がまだ出来てないことなどがあって、あいにく午後からの予定にしてある。

「それはお昼をとったあとにしようと思ってる。午前中は伊澄さんのところに行く予定もあるし。」

「伊澄お姉ちゃんか・・・。咲お姉ちゃんにも会えるかな?」

アカリが早く会いあたがっているのはヒナギクだけではないらしい。少し嬉しそうにしている彼女を見ているとハヤテは準備を急がずにはいられなかった。

(父親ってこんな感じなのかな?)

自分の子どもが笑っていられるようにしっかり支えてあげる。言葉にするのは簡単だが実際にするのは難しく、現に未来の自分はそれをできていない。ハヤテはアカリがここにいるときだけは、ちゃんと父親の役目を果たそうと決意した。

「じゃ、行こうか。」

しかし、一緒に支えるはずの母親を連れてきてやれないことが悔しくて、なにより自分が寂しかった。







鷺宮邸につくと咲夜が迎えてくれて、ナギとハヤテの事情を知っているようだったが、黙って案内してくれた。

「なぁ、ハヤテ?さっきから気になっとんのやけど・・・。」

案内している途中の咲夜に怒っているような雰囲気はなく、どちらかというと不思議そうな顔をしいていたが、ハヤテは彼女の質問に言葉を濁すしかなかった。当然と言うべきか、咲夜の疑問はえらく自分になついている少女のことだった。

「咲お姉ちゃん久しぶり〜!!」

「いや、久しぶり言われても、ウチら初対面なんやけど・・・。」

アカリは咲夜の手を握って上下にブンブン振り回している。正直、悪い気はしない・・・というよりあれだけ満面の笑みでいられると咲夜の方まで嬉しくなってくるが、さすがに困ってしまう。

「伊澄さんのところに着いたらきちんと説明しますので。」

ハヤテの方に顔を向けてもちゃんと話してくれなかった。咲夜は仕方ないと思ったことのほかに、お姉ちゃんと呼ばれたのが嬉しかったこともあって、少しの間だったが、ちゃんと相手をしてやることにした。





咲夜に案内された居間には伊澄がお茶を飲んでくつろいでいて、ハヤテたちに気づくとおはようございます、と挨拶をしてきた。

「おはようございます、伊澄さん。急ですがちょっとお時間よろしいですか?」

「ええ、かまいませんよ。それよりハヤテ様、あの子はいったい・・・?」

「そうやで。いい加減教えてくれてもええんとちゃう?」

咲夜は元気な子どもの相手をしていてさすがに疲れたらしく、伊澄の隣、ハヤテの向かい側にドカッと腰を下ろしながらハヤテに早く答えるよう促した。

「え〜と、この子の名前はアカリって言うんですけど・・・」

「伊澄お姉ちゃん久しぶり〜!」

「あら、久しぶりね、アカリちゃん。」

「えっと・・・、話続けてもいいですか?」

アカリは相変わらずのテンションで、伊澄も合わせてなのか、ボケてなのか、多分後者だろうがアカリと凄く馴染んでいた。そんな二人に呆然としていると、咲夜が気にしなくていいというような視線を送ってきたので、ハヤテはとりあえず続きを話すことにした。

「その・・・アカリは、未来から来た僕とヒナギクさんの娘なんですよ。」

「「へ?」」

伊澄と咲夜は驚きで声も固まってしまっていたが、それは予想通りだったのでハヤテは構わず説明を続けた。元々超常現象にはなれている二人だったので納得させるのにあまり時間はかからなかった。
一通り説明を終えると、それを見計らっていたかのようにアカリが咲夜を庭に連れ出してしまい、居間にはハヤテと伊澄の二人きりになった。

「ハヤテ様、用件というのはアカリちゃんのことだけですか?」

咲夜たちの声が聞こえなくなって、伊澄は唐突に質問してきた。彼女は口を袖で隠していて、なにより真剣なその表情にハヤテも真剣に答えた。

「今日は、伊澄さんと一緒に仕事をさせてもらう許可をもらいに来たんです。」

「・・・ナギの執事をしていてはそれが出来ないから、というのが執事を辞めた理由なんですか?」

「はい。」

ハヤテには伊澄が怒っていることがすぐに分かった。たまにしか見ないそれも、自分ではない誰かに向けられているのを横で感じるだけで、実際に正面から感じる威圧感は予想をはるかに上回っていた。しかし、ハヤテは彼女から目をそらそうとはしなかった。

「目的が何なのかは知りませんが、それを達したらハヤテ様はナギのところに戻られるのですか?」

「それは難しいと思います。多分、僕はもう執事には戻れません。」

伊澄とハヤテはもはや睨み合っているようだった。

「今、ハヤテ様にとって一番守りたい人はナギですか?」

「・・・いいえ。」

むしのいい話だということは分かっていたが、それでもハヤテには引けない理由があった。だからこそ嘘もつかなかった。

少しの間、二人には沈黙が流れていたが、伊澄がそれを破った。

「いいでしょう。これからハヤテ様には私と一緒に仕事をしてもらいます。仕事が入るのは不定期ですので、こちらから連絡します。」

ハヤテは伊澄が承諾してくれたことに驚いたが、すぐに深く頭を下げた。いくら感謝してもし足りないくらいだった。

「ありがとうございます、伊澄さん。」











「じゃーねー!伊澄お姉ちゃ〜ん、咲おねえちゃ〜ん!」

門の前で手を振ってくるアカリに手を振り返しながら、咲夜は伊澄に話しかけた。

「ホンマにこれでよかったん?」

「いいのよ。今一番苦しんでるのは、きっとハヤテ様だから・・・。」















ハヤテたちはファミレスで昼食を済ませたあと、そのままヒナギクたちのいるアパートに向かった。アカリは鷺宮邸に行く時よりも嬉しそうにしていて、凄くそわそわしていた。大人びたことを言ったり、ハヤテに冷たかったりで分かりにくかったが、ハヤテはどこか危なっかしい彼女を見ていると、自分の娘はまだまだ子どもなんだなと実感させられた。

「よ〜し!ママのところまでダッシュだー!」

「ちょっと!急に走ると危ないって!」








  ドンッ!!

ハヤテの注意も虚しく、アカリは曲がりかどで人とぶつかり尻もちをついてしまった。幸い怪我などはないようだったが、ぶつかった人が心配してアカリに声をかけてくれた。

「ご、ごめんね!怪我とかはないかな?
て、ヒナさん?でも少し小さい気が・・・。」

「あ!歩お姉ちゃんだ!」

タイミングがいいのか、間が悪いのか、どちらにせよアパートの住人と出会ってしまったことにハヤテは思わず頭を抱えてしまう。歩は自分にしきりになついてくるチビヒナ、もといアカリに困惑してハヤテに気づくのに少し時間がかかった。

「あれ、ハヤテ君?」

「こ、こんにちは。西沢さん。」

歩は帰宅途中だったらしく、そのままハヤテたちとアパートに向かうことになった。ハヤテは彼女がもともと人懐っこい性格だとは思っていたが、まだ自己紹介すらしていないアカリと楽しそうに話しているのを見ていると、その適応力に驚かずにはいられなかった。しかし、その些細な驚きも、彼女たちの無邪気な声によって遮られてしまった。

「アパートかぁ〜。楽しみだなぁ〜。」

「ホント?じゃぁ急ごっか。」

「へ?・・・あっ、待ってくださいよ〜!」

気がつくと前で話していた二人は走っていて、ハヤテも急いで追いかけようとしたが、何故か走り出すことができなかった。しかしこのまま帰るわけにもいかないので、重たい足をゆっくり前に進めた。











「ただいま〜。」

歩たちがアパートに着き、玄関に入るとルカ、千桜、それにアテネがいて、買い物に行く準備をしているところだった。

「あ、お帰り。・・・ん?その子誰だ?知り合いなのか?」

「なんだか随分とヒナに似てますわね。」

「でも目はなんだかハヤテ君に似てない?まるでハヤテ君とヒナの間に子どもができたみたい。」

アカリは三人の様子にキョトンとした様子だったが、やがて口を開いた。

「みたいもなにも、私のお父さんはハヤテでママはヒナギクだけど・・・。」

 

    ピシッ!!!



先程の三人に歩を含めた四人の時が止まる前に、アカリにはそんな効果音が聞こえた気がした。彼女たちはしばらく固まっていたが、ハヤテが玄関に入ると同時に四人の時が再び動き出した。

「おじゃまします。アカリは・・・て、皆さんなぜここに集まって・・・」

「ハヤテ、ちょっとそこに座りなさい。正座で。」

「え?」

「いいから正座するんだ、綾崎君。」

「は、はい・・・。」

ハヤテはアテネと千桜の凄まじい威圧感になす術なく、そのまま正座をさせられた後、今度はルカと歩から前の二人と同等の威圧感を向けられた。

「ハヤテ君、どうしてこの子のこと黙ってたのかな?」

「え?それは西沢さんが尋ねてこな・・・」

「私たちは言い訳をしてって言ったつもりはないんだけど。」

「す、すいません・・・。」

ヘビに睨まれたカエルとはこのことをいうのだろう。ハヤテは女性陣に対してすっかり小さくなってしまっていた。アカリは立ち入ってはいけない雰囲気を感じ、逃げるのも兼ねてヒナギクを探しに行ってしまっているので助けを求めることもできなかった。どうすればいいか迷っているうちに玄関の戸が開き、誰かが帰ってきた。ハヤテはまた怒られるかもと肩をビクッと震わせたが、聞こえてきた声に怒気のようなものは含まれておらず、むしろ自分と同じ怯えた感じすらした。

「ただい・・・は、ハヤテ君!?なんで正座なんか。
・・・て な、何で歩たちはそんなに険しい顔してるのよ。」

「ヒナギクさん・・・」

ヒナギクが入ってきてもその場の雰囲気は変わらないどころか、より悪くなってしまった。彼女がその雰囲気に飲まれそうになっていると、ドタバタと廊下を慌ただしく走る音が聞こえてきて、その音源は飛ぶようにして、ヒナギクの腰に抱きついた。

「ママー!」

「え?えっ!?」

ヒナギクは状況が飲み込めず、顔をキョロキョロさせていると、自分の親友が目に入った。

「取り敢えずヒナさんも座ろうか。正座で。」

歩はニコニコと無邪気な笑顔をしていたが、ヒナギクにはそれが一ミリも笑っているように見えなかった。











どうも、
ふ〜、やっと更新できた〜。

今回はアカリちゃんが年相応に子供っぽくて無邪気な感じをだそうと思っていたんですが、上手くかけていたでしょか?もうちょっと多くても良かったかなぁとおもっています。最後のあたりでアカリちゃんとヒナギクさんと出会わせることはできましたが、彼女たちの本格的な絡みは次回に持ち越しです。
あ、ちなみに題名の『Cradle』は揺りかごという意味です。

それじゃ  ハヤヤー!!