Re: 兄と娘と恋人と(完結) |
- 日時: 2014/06/05 02:39
- 名前: タッキー
- ハヤッス!タッキーです。
ペースを上げて更新です。 えっ?試験?赤点取らなきゃいいんです! で、では更新!(汗)
「「兄妹・・・みたいな?」」
「「「「「えっ!?ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」」」」」
「ちょっと、どういうことなんですか!?ヒナギクさん!」
兄妹と聞いた瞬間ハヤテは少し怒ったような表情でヒナギクに詰め寄った。 ヒナギクはハヤテに息がかかる程近くまで顔を近づけられ何か言うこともできずに、顔を真っ赤にさせている。普通こんな状態になると憤慨して止めに入って来るはずの男子生徒やナギも先ほどの驚きから抜け出せず機能停止していた。
「どうしてこんなこと黙ってたんですか!?」
ハヤテも自分がとんでもないことをしているのには気づかず、ますますヒナギクに詰め寄り、終いには浮気した彼女を問い詰めるような感じになってきている。 そんな中、ハヤテは誰かに肩を叩かれ、振り向くと バチン!
岳からなかなか強烈なデコピンをくらった。
「はいはい、そこまで。ちゃんと説明するから皆おちついて。」
岳の呼びかけでクラスは我に返ったが、皆不満そうな顔をしていた。余程説明が欲しいのだろう。
「あ〜、じゃあ今から説明するけど、その前にハヤテ!」
「はっ!はい!!」
突然名前を呼ばれて焦るハヤテ、自分が何か悪いことでも言ったのか、そんなことを考えていると、岳は自分を、いや自分の後ろを指差して
「ヒナが爆発しそう。」
「へっ? うわあぁ!!ヒナギクさん!?大丈夫ですか?ヒナギクさん!!」
第3話 『Message』
ハヤテはヒナギクを介抱しながら、そしてナギや男子クラスメートの殺気をこれでもかというほど受けながら岳とヒナギクの関係を聞いていた。どうやら岳とヒナギクは幼馴染というほうが正しいらしいが、ヒナギクが岳をとても頼りにしていたため、兄妹のほうが近いんじゃないかということで、さっきの発言が出てきたようだ。 誤解が解けたあと、岳への質問は凄まじく3,4個の質問が同時にとんでいたらしい。 ハヤテはヒナギクとの件でナギがご機嫌斜めだったので、無理に誘うようなことはせず、次の時間の用意を始めた。ヒナギクはというと、ハヤテに介抱されていると気づくと凄い速さで自分の机にうつぶせになり、それから一向に顔をあげようとしない。 時間の流れというものは不思議なもので、あれだけ気まずかったハヤテ,ナギ,ヒナギクは昼休みが始まる頃にはいつも通りはなせるようになっていた。
「それじゃ、ハヤテ。私は伊澄とお昼にするから!」
「いってらっしゃいませ。お嬢様」
「あまりヒナギクとイチャイチャするなよ」
「なっ///!!そんなことしませんよ!!!」
まんざらでもない反応が面白くないのかナギはそのまま伊澄とカフェテリアに行ってしまった。
「おーい、ハヤテ。よかったら一緒に昼飯食べないか?」
ナギがいないので1人で昼食をとろうとしていたハヤテに岳が声をかけてきた。
「別に構いませんけど、どうして僕なんですか?」
昼食に誘ってくれるのは嬉しいが、岳と一緒に昼食をとりたいクラスメートはたくさんいるはずだ。現に多数の女子がこちらを見ている。それなのに最初こそいろいろあったとはいえあまり接点のない自分を誘ったことを疑問に思い、思わずきいてしまった。
「あぁ、少しお前と話がしたくてな。あ、ヒナも誘うけどいいよな?」
「え?ヒナギクさんも?/// まぁ構いませんけど。」
先程ナギに言われたせいもあってか妙に意識してしまう。
「よし!決定な。おーい!ヒナー、一緒に飯くおうぜー。」
ヒナギクはOKをだすとすぐに弁当を取り出し、ハヤテたちのところに向かった。
「ねぇ、お昼、生徒会室で食べない?誰も来ないからゆっくり話せるし。」
「それはいいな。じゃぁさっさと行こうぜ。」
生徒会室に着いて岳の目に最初に止まったのはやはりテラスからの景色だ。ヒナギクは相変わらず机に直行していたが、ハヤテは時間こそ違うが自分が救われた景色を見にテラスの方に向かった。
「凄いな・・・」
「そうですね。・・・ここからの景色はとても・・・とても素晴らしいです。 ところで、さっき僕と話をしたいと言ってましたけど、何ですか?」
それを聞くと岳は真剣な表情になり
「教室で話したことも嘘ではないんだがな・・・」
そう言って、ハヤテがさっき聞いた内容と少し違う真実を聞いた。 それは岳とヒナギクが幼馴染ではなく、彼にはそんなつもりはないようだが、岳がヒナギクと雪路の命の恩人ということだった。
ヒナギクと雪路の両親が借金を残して逃亡して1週間、彼女たちはまだ桂家に引き取られてはおらず、昨日までいたアパートも追い出されていた。3月に入っているというのに、まだ気温が低く、高校生の雪路ならともかく、野宿でもしようものならヒナギクが確実に凍死してしまうような状況だった。そんな時、
「よかったら、俺ん家に来ない?」
ヒナギクと年が変わらないような少年に声をかけられた。しかしその少年はその年齢とは思えない程、大人な雰囲気を醸し出し、同時に自分たちを助けようとしてくれていることも伝わってきた。雪路は少年について行くことにした。 少年の家は1階建ての3LDKで広いとは言えないが、二人にとっては十分だった。
「やば!!バイト遅れる!ありがとう、ご両親にもそう伝えといて。ヒナをよろしくね。」
雪路はそう言ってバイトに行ってしまった。残された二人は両親という言葉に寂しそうな顔をしていたが、次第にヒナギクが重い空気に耐え切らなくなり、何か話さなければと考えた結果、
「えーと?名前何ていうの?」
「え?名前?名前はガウス・nっ!!!」
少年はまだ考え事をしていたので、無意識に口にでた言葉を慌ててしまった。
「ガウス?それじゃ略してガウ君だね!」
「え?あ、うん それでいいよ。一応 岳って名前だから。えーと?ヒナだっけ?」
「うん。ヒナギクっていうの。」
岳は略して文字数が増えていることはあえてつっこまないことにして、お腹も減ってきたのでご飯を作ることにした。
「ヒナは何食べたい?」
「ハンバーグ!」
即答だった。岳は少しだけ微笑むとなれた手つきで料理を始めた。 岳が作った料理はとても子供が作ったものとは思えない程とても美味しく、さらに、その後の片付けや洗濯、終いには掃除まで岳は全てを完璧にこなしていた。 子供だったヒナギクにはそんな岳がとても眩しく見えた。だから
「私にも教えて!」
最初は失敗も多かったがヒナギクは飲み込みが早く、岳の的確なアドバイスもあったため、ヒナギクはいろいろなことができるようになっていった。さらに
「強くなりたい」
というヒナギクの要望に岳は剣道を教えた。岳がヒナギクに剣道を教えている光景はまるで兄妹のようだったという。 1ヶ月ほど経ってヒナギクたちが桂家に引き取られる前日、ヒナギクは前から思っていた疑問を口にした。
「ガウ君の両親って見たことないけど、どんな人たちなの?」
「いない・・」
「え?」
「俺には親がいない。」
そのことを聞いた時、凄い罪悪感に襲われた。
「ごめんなさい」
「もう慣れたし、1人でも平気だから。」
それを聞いたヒナギクはそのまま俯いてしまった。 兄はやっぱりまだ弱い妹の頭に手を乗せて、そのまま頭を撫でながら
「呼べば、助けに来てやるから」
その翌日、ヒナギクと雪路は桂家に引き取られた。
「おっと、もうこんな時間だ。今日は用事があるから先に失礼するぞ。じゃ」
岳は話を終えると教室のほうに戻ってしまい、生徒会室にはハヤテとヒナギクだけが残された。
「驚いた?」
「ええ、正直。 初神さんってヒナギクさんにとって大切な人なんですね。」
「うーん?どちらかといえば憧れていた人かな?小さい頃はお姉ちゃんやガウ君の背中を追いかけてたけど、今は自分らしく真っ直ぐに生きようって思ってる。」
ヒナギクらしい、ハヤテはそう思った。自分自身の力で生きていこうとしているこの少女の今をただ純粋に支えてあげたいと思った。そしてその先もずっと
「そうそう、ハヤテ君。ガウ君からの『伝言』なんだけど・・・」
ヒナギクは1切れの紙にかかれていることを読み上げる。
「これからは岳と呼ぶように、そして、 今、持っている気持ちを大切にって。ガウ君らしいわね。 じゃぁ、ハヤテ君、私たちも戻りましょう。」
彼女の笑顔に
「はい、ヒナギクさん」
ハヤテも笑顔で答えた。ハヤテはまだ気づいてないが、今ハヤテが持っている気持ちは
少しずつ
確実に
大きくなっている。
どうも、いやぁ自分でも驚きの展開。書いている途中でネタがどんどんでてきます。 最初は岳君の白皇案内っぽい感じにしようと思っていたのですが、よく考えてみるとあれだけ頭がよければ地図渡すだけでよくね?となり結局過去編っぽくなりました。名前が岳なのにヒナさんはガウ君とよんでいる分けもかけました。多分余計混乱させてしまったとおもいますがm(_ _)m。さて今回の題名はアルバム『Hina3』の一曲目『Message』を使わせてもらい、それに合わせヒナギクがなんでもできる理由、剣道をやっている理由を勝手ながら書かせていただきました。うまくできていたでしょうか?至らぬ点がたくさんあると思うのでアドバイスとかくれると嬉しいです。次から原作キャラを絡ませていこうと思っています。 それでは! ハヤヤーー!!!
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