兄と娘と恋人と |
- 日時: 2014/06/03 23:45
- 名前: タッキー
- どうもタッキーと申します。根っからの新米なのでどうか温かい目で見守って下さいm(_ _)m
まずこのお話のCPはハヤヒナです。オリキャラも3人ほど登場させる予定です。 誤字脱字などは手厳しくお願いします。 それでは早速更新です!
11月1日 私立白皇学院の生徒会室、そこの生徒会長用の机に山積みになっている 書類と格闘しているのはこの学院の生徒会長、桂ヒナギク・・・ ではなく三千院家の執事、綾崎ハヤテだった
第1話 『木の芽風』
何故彼が1人で生徒会の書類を整理しているかというと、 話は少しだけ程遡る。 「ごめんね。ハヤテ君。 生徒会の仕事手伝わせちゃって。」 「いえ。先月は学校行事が目白押しで ヒナギクさん大変そうでしたし、このぐらいは。」
確かに10月は学校行事がたくさんあり、 おまけに生徒会三人娘の方も仕事を全くしないどころか、 溜め込んでいく一方だったので、 いくら完璧超人と言われているヒナギクでも 多少の疲れが溜まっていた。
「それにしても、 執事君がお嬢様をほったらかしにしてていいの?」
想い人がそんな自分を気遣ってくれていることを嬉しく思いながらも、 彼と他の女性の心配をする性格は彼女の美点であり、 恋愛事に関しては欠点だともいえる。
「はは。今日お嬢様は新作のゲームをやり込んでいらっしゃるので、 少しだけなら遅くなってもいいとマリアさんが。 でもどうやったらもっと登校してくれるようになるんでしょうか?」
「そうねぇ〜、 でもハヤテ君がナギの執事になってからは 大分来るようになったわよ。 1,2学期なんか2ヶ月に1回学校に来るか来ないかだったし。」
(それはほぼ学校に行ってないのと同じなのでは) と改めてもう11ヶ月は仕えている 自分の主の引きこもりっぷりに呆れながらも 書類の続きに手をつけようとしたその時、
バタン!!!!!
勢いよく生徒会室の扉が開き、
「ヒナ!!!お金貸して!!!」
と、実の姉とは思えない発言をして桂雪路が飛び込んできた。 ハヤテは内心 わちゃ〜 と思いながら隣を見てみると 予想通り俯いて体を震えさせている生徒会長の姿があって
「お姉ちゃん?確か昨日も同じこと言ってなかったっけ?」
「いや〜昨日は無理だったから、今日はいいかなぁ〜って。 てことでお金か・し・て♪」 プチッ
するとハヤテの目の前にはいつの間にか 白桜を構えたヒナギクが立っていて
「貸すわけないでしょ!このバカーー!!!!!」
「えっ!?ちょっ!?ヒナ!!??うわっ!!! キャーーーーー綾崎君お金貸してーーーーーー!!!!!!」
「待ちなさーーーーーい!!!!!」
ハヤテは雪路を追い掛けて行ったヒナギクを見て ヒナギクさんって年中大変だなぁ〜 と思いながら結局書類を1人で片付け始めた。
さすがは三千院家の執事、 最初にヒナギクとそこそこ終わらせていたはいえ、 それから10分も経たないうちに書類をあと数枚まで減らしていた。
「書類も大分片付いたし、ヒナギクさんももうすぐ帰ってくるだろうから、 少し休憩でもしようかな。」
ハヤテは中央に置いてあるソファーに腰掛けると 日頃の重労働のせいかすぐに 眠りについてしまった。
ハヤテはお屋敷にいた。そこには昔から今に至るまで、 ハヤテの知る全員がいて、 自分もその中に入ろうと一歩踏み出そうとしたその時、
「ハヤテ、お前はクビだ。」
「えっ?」
最初ハヤテは自分の主が言った事が理解できなかった。
何故ですか?そうナギに言おうとしたが、 彼女のまるで汚物でも見るかのような目に言葉を無くし、 隣にいるかつて自分が愛した少女に助けを求めた。
「アーたん・・・」
「ごめんなさいハヤテ、 でももう私たち、あなたを信じられないの。」
1度永遠を誓ったはずの少女はハヤテに冷たく言い放った。
「マリアさ・「私たちはみんな、ハヤテ君に騙されてきたのに、 なんなんですか? その自分は悪くないみたいな顔は。」
違う!僕は本当に悪くない!そう叫んでしまいそうになった瞬間
「もう・・・もう!私たちを不幸にしないで!」
「・・・っ!!!」
そう言われたとき世界の全てが真っ暗になって、 世界の全てが自分を拒絶したのが 分かった。もう自分はいらない、 誰からも必要とされない、 もう死んでもいいかなと何もないただ黒いだけの空間に足を向けた瞬間
「・・テ君、ハヤテ君!」 さっき1番最後に自分を拒絶した人が自分の名前を呼んでいるのが聞こえた。 正直、怒りが湧いた。 さっきまで自分を拒絶していたじゃないか! ハヤテはそのまま進もうとしたが
「ハヤテ君!ハヤテ君!」
その自分の名前を呼ぶ声はあまりにも悲しくて、切なくて、 だけど何よりも温かくて自分をここから救い上げてくれる。 そんな気がして思わず上を見上げてみると
「大丈夫?ハヤテ君?」
今にも泣き出しそうな顔のヒナギクが自分を見つめていた。
ヒナギクの話によるとハヤテは相当うなされていて、涙まで流していたらしい。
「すみません。見苦しところをお見せして。」
「いいわよ。書類もほとんど片付けてくれていたし、 疲れも溜まっていたんでしょ。 それよりハヤテ君がうなされてたなんて一体どん・・っ!」
どんな夢をみたの?そう言いかけたヒナギク自分の口をつぐんだ。 先ほどのハヤテの様子から相当悪い夢であったのは間違いなく、 それを掘り返して大切な人を傷つけるようなことはしたくなっかたからだ。 しかしハヤテは少し悲しそうに微笑むと夢の一部始終を話した。 ヒナギクはただ黙ってその話を聞き、 聞き終わると 「ハヤテ君?私をテラスまで連れて行ってくれない?」
突然だった。 高所恐怖症のはずのヒナギクが自分を高いところに連れていけと言ったのだ。 彼女を知っている者だったら驚かずにはいられない。
「あの・・・?ヒナギクさんって高所恐怖症のはずじゃ?」
「だから連れて行ってって言ってるのよ!」
「はっ・・はい!それじゃしっかりつかまっててくださいね。」
握っている彼女の手は震えていて、やっぱり戻りましょうと言いかけたとき 「凄い・・・」
その声につられて外を見たとき、自分が何かに救われたように感じた。 ハヤテとヒナギクが見たのは白皇の広い校舎と自分たちの住んでいる街が、沈んでいく夕日のオレンジに優しく包まれていて、 3月3日のヒナギクの誕生日に見た景色と同じように2人を小さく照らしていた。 そこに吹いている風はまるで春のように暖かく優しい風だった
「私ね、ハヤテ君がいないとこんな綺麗な景色は見れないの。ハヤテ君が支えてくれているから今ここに立っていられる。」
「・・!!!」
「さっき話したようにナギはハヤテ君と出会って成長した。マリアさんも歩もハヤテ君と いて楽しいって。ルカだって振られちゃったけどハヤテ君と話しているときはとっても楽しそう。天王州さんもハヤテ君がちゃんと助けてあげたじゃない。」
「・・・・・」
「他の人だってそう。もしかしたら知らず知らずのうちにハヤテ君が誰かを笑顔にしてる かもしれない。だからハヤテ君が拒絶される世界なんてあっていいはずがない。 もしそんな世界があっても誰かが・・ううん、私がその世界を壊してあげる。 私がハヤテ君のために、ハヤテ君の隣にずっといるから、だから・・・ だから・・・そんなに泣かないで。」
気がつくとハヤテこれ以上ないくらい泣いていた。 自分の周りにいる人はいつだって味方になってくれる。 そう思うと涙が溢れて止まらなかった。 するとヒナギクが突然ハヤテから少しだけ離れ右手を差し出してきた。
「嬉しい時は泣いてもいいけど、少しだけにしなさい。 ハヤテ君は笑っている方がずっとずっと素敵だから。 でも、もし悲しくて泣いているときは私が手をかしてあげるから、 その時は、絶っっ対に笑いなさいよね。」
彼女は誰もが見とれるような笑顔をしていたので、 高いところを克服したのかな、と一瞬思ったけど、 差し伸べられた手を握ったとき、やっぱりその手はとても震えていた。 けどその手はまた涙が溢れてしまいそうになるほど優しくて、温かくて、 何よりすごく強く感じた。 その手に触れた瞬間自分のなかで何かが入れ替わる音が聞こえて、 自分の大切なものが変わってしまったような感じだったけど、
とても・・・・
とても・・・・
心地よかった
どうも。1話目から長くてすいません。まずはハヤテがヒナギクに惚れる話が書きたかった です。ハヤテの夢の中のことなど不快なことがあったらすいません。悪夢でなければ、 みんなハヤテの味方です。目指せハッピーエンド!というかハッピーにします。 皆さんお気づきでしょうが少しだけ歌詞ネタです。『木の芽風』は自分のなかで1番と言ってもいい程好きな曲なので最終回にしようかなとも思ったんですが、あえて最初でみたいな? 重要な回は大体こんな感じでいきたいとおもっています。 ちなみに次回はオリキャラがでます。また長くなるとおもいますがよろしくお願いします。 あと題名の「兄」はあのバカ強いイクサ兄さんではないです。まぁ最強通りこして、無敵キャラなんですが・・・ ま、まぁきちんとプロフィールものせますよ。それじゃぁ ハヤヤー!
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