Re: 雛菊の幸福 |
- 日時: 2014/03/04 10:17
- 名前: ハヤヒナ
- ハヤテとヒナギクが恋人同士となるバレタインデーまで遡る。
この日、ヒナギクはドキドキソワソワしていた。 それはなぜかと言うと、・・・・・・・・チョコを持っていたからであった。ハート型の。 そう、ヒナギクは昨日、チョコを作っていたのであった。好きな人に渡す為と告白する為に。 その人とは勿論、綾崎ハヤテであった。・・・・・・・・だが、ヒナギクは思っていた。 (ハヤテ君はどのくらいチョコを貰うのかしら。) 明日はバレタインデー。ハヤテの事が好きなのはヒナギクだけではない。他にも居る。 女子生徒の九人に七人がハヤテの事が好きな事を、ヒナギクは知っていた。 時分の好きな人、ハヤテが自分以外の女の子からどのくらいチョコを貰うかを気にしていた。 (ウジウジしてもしょうがないわ。明日を逃したら、次はいつになるか分からないわ。 思いが篭ったチョコを渡して、ハヤテ君に告白するんだから!!)
・・・・・そして、次の日。バレタインデー当日。白皇学院。 ヒナギクの予想通り・・・・・いや、それ以上の女子がハヤテにチョコを渡していた。 (何コレ。私の予想を上回ってるわ。こんなにもハヤテ君を好きな人が居たなんて。 ・・・・・でも昨日、決めたんだから。今日こそハヤテ君に告白するって!!)
・・・・・それから放課後。 「ごめんねハヤテ君。こんな所に呼び出して。」 「別に良いですよ。所で用事って何ですか?」 「それはねハヤテ君・・・。先ずは、此処が何か覚えているかしら?」 「勿論ですよ。此処は初めてヒナギクさんと出会った場所ですから。」 「(覚えててくれていたんだハヤテ君。)じゃあハヤテ君、呼び出した理由を言うね。」 「あ、はいヒナギクさん。」 すると、ヒナギクは鞄の中に入れていた物(チョコ)を取り出し。ハヤテの前に差し出した。 「!!ヒナギクさん、コレは!!?」 ヒナギクは深呼吸した後、一息いれた。・・・・・そして、 「ハヤテ君の事が好きです!! 私と付き合って下さい!!」 「えっ!!?」 その時、一筋の風が通り抜けた。 「ハヤテ君、返事を聞かせてくれ・・・・!!!!????」 ヒナギクは驚いた。最後まで言えなかった。それはハヤテがヒナギクを抱きしめたからであった。 「・・・好きですよ。僕もヒナギクさんの事が前から好きでした。」 「へぇ!? それ、本当なの?」 ヒナギクは再び、驚いた。 「こんな僕で良かったら、僕と付き合って貰えませんか。」 「ハヤテ君・・・・・。」 「ヒナギクさん・・・・・。」 ハヤテは再び、ヒナギクを抱き締めた。今度はヒナギクもハヤテを抱き返した。・・・・・そして、 「ねぇハヤテ君。してくれない?」 「勿論ですよヒナギクさん。」 ハヤテとヒナギクはお互いに抱き締めたまま、さらに強く抱き締めた。・・・・・そして、
・・・・・・・・・・顔を近づけ・・・・・・・・・・、
・・・・・・・・・・口を近づけ・・・・・・・・・・、
・・・・・・・・・・唇を・・・・・・・・・・重ね合わせた。
しかも只のキスではなかった。お互い、口の中に舌を絡め合わせたのだった。 ハヤテとヒナギクのキス、ファーストキスは大人のキス、ディープキスであった。 その瞬間、ハヤテとヒナギクの幸せを願うかのように、雪が降り始めた。
そして、現在。結婚して初めてのヒナギクの誕生日を迎えた。 「誕生日おめでとうヒナギク。」 「有難うハヤテ。」 「結婚して初めての誕生日だねヒナギク。」 「そうねハヤテ。その前に結婚して初めてのハヤテの誕生日があったね。」 「そうだったな。」 「これからも宜しくねハヤテ。」 「コッチの方こそ宜しくヒナギク。」 一年前のヒナギクの誕生日に贈ったハヤテのプレゼントはプロポーズであった。 今日、十九歳を迎えたヒナギクの誕生日は、プロポーズ記念日でもあった。 そんなハヤテとヒナギクは、新たに宿った生命ともに幸せな日々を過ごすのであった。
雛菊の幸福 〔終〕
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