京アニがアニメ化とかしてる方の日常(合同小説本転載枠) |
- 日時: 2013/11/09 00:56
- 名前: ロッキー・ラックーン
- こんにちは、ロッキー・ラックーンです。
今回は、合同小説本転載枠の作品をお届けします。 連載中(放置中)の作品より、パロディ満載でお送りします。 29巻「京アニがアニメ化とかしてない方の日常」というサブタイトルをみて思いついたお話です。 アリス・ナギの友情をおかしな話で育みました。
それでは、どーぞ!
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皆様ごきげんよう。 アリス(仮名・実年齢16歳)でございます。 実は今、私は非常に困っておりますの…大事件です。
【京アニがアニメ化とかしてる方の日常】
本日の起床…正午。あいも変わらず、派手に寝過ごしてしまいましたわ。 ヒナとハヤテと千桜さんはもちろん学校へ。マリアさんはちょっとした用事で、朝から外出。(出て行く姿は見てませんが)夜まで帰ってこないそうです。 …つまり、私の他にこのアパートにいる人間はいないという事なのです…ただ一人を除いて。
コンコン
「ナギさん、いらっしゃいますか?」
部屋の扉をノックしても返事が無い。ただの空室のようですわね…っていえいえ、あの方が普通に起きて学校だなんてあり得ませんわ!
「ちょっと、ナギさん!入りますわよ!!」
と言いながらズカズカと入っていきますと…やはり、中には布団にうずくまる大家さんの姿がありました。こちらもあい変わらずHIKIKOMORI全開ですわね。
「ナギさん!起きてください!大事件ですわよ!!」
「う〜んムニャムニャ 映画化なんて幻想か〜ムニャラ」
「映画化もアニメ4期も現実ですわよ!!」
「なにーーー!…って、アリスじゃないか。こんな朝早くにどうしたと言うのだ?」
「朝早く」なんてどの口がおっしゃいますか… おっと、そんなツッコミより事件の方が大事ですわね。
「おはようございます、ナギさん。落ち着いて聞いてください。今、このアパートには…私と貴女しかいないのです!」
「ふ〜ん…」
「何をのんきにしてらっしゃるのですか!?私たち二人でなんて、どうやって昼食の用意をすれば…」
「見くびるなよ、お姫様!!」
「!!」
いわゆるドヤ顔で私の前に立ちふさがるナギさん。 おお、寝起きだというのに急に頼もしく見えてきましたわ。 さすがに今の私の倍の年齢だと言えますね…。
「誰もいないなら…寝ながら帰りを待てば良いではないか!」
ズコー
この私をギャクまんがのようにコケさせるとは…さすがは三千院家のご令嬢。 そこにシビれもしませんし、憧れもしませんけど。 それにしてもダメですわこいつ…早くなんとかしませんと…。
「じょ、冗談だ!昼メシくらい、この私に任せろ!!」
「ジトー」
さすがにこのドン引きの視線を送れば、日和ってくれましたわね…。 でも、事態としては一つも前に進んでないような気もしますが。
「さて、着替えも済んだ!アリスよ、これから私は千桜直伝の究極奥義を使うぞ!!」
「…して、その究極奥義とやらは何でしょうか?」
「フフフ、聞いて驚くな…コンビニ弁当だぞ!!」
・・・
「まあ、昼食さえ調達出来れば良いですからね…」
「頼む、ソコはツッコんでくれ…」
マリアさんが出かけるのに、私たちの昼食の用意をしてない事は少々不自然に思いましたが(毎日本当にありがとうございます)、実はナギさんが「コンビニに一人で行ってみたい」と事前に言っていたそうなのです。
「さぁアリスお嬢様よ、何でも食べたいものを言ってくれ!」
「…では、焼きそばを」
以前、ヒナが昼食に作ってくれた焼きそばがとても美味しくて、それから私の好物になりました。 ちなみにハヤテとマリアさんにも別の日に作ってもらいましたが、それぞれ味付けの好みが違うようです。
「なに、そんなもので良いのか?任せておくアルよ!」
「ある…?」
「すまん、聞かなかった事にしてくれ…では、お留守番頼んだぞ!」
「はい…早く帰って来てくださいね?」
「ああ。…三千院ナギ、ガン○ムスロー○ド○イ、行きまーす!!」
なんだかよく分からない事を言いながら行ってしまいました。 そしてついにアパートには私一人となってしまいました。 一人きりは慣れっこでしたが、最近のココの賑やかさを思い出すと少々寂しいですわね…。
ピンポーン
アンニュイな気持ちから我に返させる呼び鈴。 少し寂しかった所ですし、ちょうど良いタイミングですわ。
ピンポンピンポンピンポーン
「はいはーい!」
と扉を開いた瞬間、稲妻が走り土砂降りの雨が降り出しました。
「新聞を取ってください」
「え!?」
何ですかこの世紀末な感じの方々は!?新聞?意味が分かりません! というか、つい一瞬前まで快晴でしたわよね?
「新聞を取ってください」
「えと…今は主人が留守ですので…」
「ホホホ、たとえ世界が破滅しても新聞を取らなそうな顔をしてるね。傘も差さずに勧誘する…みじめな姿はしれた事。しかしこうして自然の音を直に感じる…これが一番の音楽だと気付く… さあ、新聞を取ってください」
ダメだ、何も聞いてませんわ! 今の姿の私に新聞だなんて、いったい何を考えてるのでしょう?
「すみませんが、子供の私では…」
「頑(かたく)なな女だね…頑なな女は全滅したと聞いたが、まさかこの関東に生き残ってたとはね…彦六!!」
「ヘイ!」
「こうなったら、アレをお見舞いしな!!」
「クックック…」
「ひころく」とか呼ばれた手下っぽい世紀末な方が前に出てきました。 そのトゲトゲしい服で私は何をされるというのですの!!?
「ベ●スターズ戦のチケットです」
「ほえ?」
「フフフ…では、パパとママによろしく…」
去ってしまいました。野球のチケットを残して…。(いつだったか「ミル●ィホームズのライブを試合でやってた、行きたい!」とか言ってたから、ナギさんと千桜さんにあげるとしますか) そして天気はまた快晴になりました。 これはいったい…
それから10分後
「おーい、帰ったぞ!!」
「おかえりなさい、ナギさん」
「それより聞いてくれ!帰り道に凄い連中とすれ違ったぞ。それはもうもはや世紀末といった感じの…」
何故だか知りませんが、ナギさんの口調はとてもエキサイトな感じです。 あーいった方々に憧れてるのでしょうか…?
「私も南斗五車星の一角の娘として一戦交えてみたいところだったが、持病のシャクが…」
「……」
もう私もお腹が空いて少し気が立っているのでツッコみません。 こうなったら自分で本題に入るしか無さそうです。
「ナギさん、そんな事よりもお昼食はまだでしょうか?」
「おお、すまんすまん。アリスはこれだったな…ホレ!」
と、ようやく渡されるはコンビニの袋。 やっと昼食にありつける訳ですわね…。
「ありがとうございます……ん!!?」
容器を開けてみると、そこには焼き魚が一尾。 少々展開についていけませんが…まさか!まさかとは思いますが…!
「ナギさん…これって…?」
「ん?焼き鯖(さば)だぞ」
「私がお願いしましたのは…?」
「え?焼き鯖だろ?」
「焼きそばですわよ!!!」
「もしかして…聞き間違えちゃったか?メンゴメンゴ」
「そんなカワイイレベルの問題じゃありませんわ!ゆゆしき問題です事よ!!」
や…やはりナギさんの聞き間違えですか…。 それにしても、よくコンビニに焼き鯖なんてありましたわね… まあ、ナギさんも悪気があった訳じゃありませんし、犠牲になった鯖の命のためにも頂く事にしましょうか。
「はぁ…せっかく買って来て頂いたので、これを頂きますわ…それで、ご飯のほうは?」
「ん?…どゆこと?」
「白メシですわよ!!!」
「え、いや…そんだけだが…」
「単品で食べろとおっしゃるのですか!?」
「いや、だってアリスが焼き鯖って言ったから…」
「焼きそばですわよ!!!」
「焼いた!ソバ!ですわよ!!」
「でも、ホラこーゆー事件もブログとかに書いて消費すれば…」
「コンピューターもってませんわよ!」
「えーっと…じゃあ、鯖で!」
「鯖ぁーーーーっ!!」←叫ばずにはいられません。
「だいいちナギさんには前々からイライラしてたのです!ハヤテが毎朝毎朝起こしに来るのにサボってばかり!少しは自分で起きるとかしたらいかがですか、この引きこもり!!」
カチーン
「…私が引きこもりなのとアリスが鯖を食うのは全然関係無くないか?」
「全然関係ありますわよ!」
「何だよ!?言ってみろ!!」
「引きこもりだから、鯖単品を不思議と思わずに買ってくるんでしょう!!」
「…だぁあああ!!」
さあ、ここから引きこもりとの熱い熱いバトル展開が始まります。 乞うご期待!ですわ。
「聞き違いくらい、誰だってあるだろ!?それをネチネチと心がせまいぞ!引きこもりじゃないし!!」
「この幼少の身体に昼食は死活問題ですわ!引きこもりには分からないでしょうけどね!」
「引きこもりじゃないし」
「言っておきますけどね、今度からナギさんは絶対起こして差し上げませんわよ!?」
「はいはいそりゃ結構!アリスが起きられなくても起こしてあげないぞ!!」
「誰が貴女みたいな引きこもりに起こされると言うのですか!」
「引きこもりじゃないし!」
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「お話の続きだけど、ごめんなさい。桂ヒナギクよ! いきなりだけど、むかし戦から五十歩逃げた兵士が、百歩逃げた兵士の事を笑ったという事があったの。 でも、五十歩逃げた兵士も『逃げた』事には変わらないということで、『程度の差はあっても本質的には変わらない』という意味で『五十歩百歩』という言葉が生まれたわ。日本のことわざの『どんぐりの背比べ』も同様の意味になるわね。 …ひょっとして今回の私の出番ってココだけかしら?」
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「引きこもり引きこもりうるさいぞ!お前だってハヤテやヒナギクがいないと何も出来ないじゃないか!!」
「私は子供ですわよ!貴女の半分にも満たない年頃ですわ!!…それにしても何なんですか、いつも描いてい
るあのマンガは!!アホですか!!」
「な、な、なん…だと…もういっぺん言ってみろ!」
「何度でも言って差し上げますわよ!アホですかアホですかアホですか!!」
「こ…の…アホでも引きこもりでもない!!ほら、お前が頼んだ焼き鯖だ!!文句を言わずにさっさと食え!!」
「焼きそばでしょうが!!!」
「だぁぁ、もう!!そんなに焼きそばが好きなんだったら…私がハヤテに習って作ってやらない事も…無いぞ?」
・・・←微妙な間
「な、な、な…何を言ってるんですの!?…でも、貴女のそういうポジティブな所…嫌いではありませんわよ?」
・・・←微妙な間2
「は、はぁ〜!?何言ってるんだ!…可愛いくせに!!」
「うるさいですわ!この…ツンデレの天才!いえ、天才のツンデレ!!」
「そっちこそお姫様のツンデレのくせに」
「そっちこそ可愛いくせに!」
「そっちこそ可愛いくせに!…アーちゃん!!」
「逆にそっちこそ可愛いくせに!…なら貴女はナーちゃんですわ!!」
・・・←微妙な間3
いつの間にか、私たちは固い握手を結んでいました。 これが親友。これが心の友。昼食というものは、こんなにも素晴らしいモノをプレゼントしてくれるんですね! これからの生活が、ますます楽しみになってしまいますわね♪
◆
「ただいまー!アリスとナギ二人だけだったわよね?すぐにご飯作るから待っててね♪」
「「おかえり、ヒナ(ギク)」」
こんにちは、桂ヒナギクです。変なことわざの紹介だけで出番が終わらず一安心してます♪ 今日はアリスとナギとで留守番していて、私の他の住人はみんな夜の帰りになってしまうとの事で、私が夕食当番。 二つ持っていた買い物袋の片方を持ってくれるアリスの姿に、疲れが少し癒された気がした。
「フフフ、慌てる必要は無いぞヒナギク!なあアーちゃん!」
「ですわね、ナーちゃん!私たち二人ならお腹を満たす事くらい、朝メシ前ですわ!」
「…ん?なんだか良く分からないけど、焼きそば作ろうかと思って買い物してきたけど食べないのね?」
「それとコレとは!」
「話が別ですわ!…お願いしますヒナ」
仲良く揃って私に土下座する二人。 なんだか、昨日までとはちょっと違った雰囲気ね…。
「なんか、急に貴女たち仲良くなったわね?そんな呼び方してたかしら?」
「よくぞ聞いてくれた!私たちは二人で今日の昼メシという修羅場を潜り抜けた!」
「ですから、もはや戦友…固い絆で結ばれているのですわ!」
「そ、そーなんだ…」
プリ●ュアの決めポーズを見せる二人に、私は苦笑いしか返す事が出来なかった。 でもよくよく考えてみると、アリスはアパートの住人(私とハヤテ君を除く)とコミュニケーションが少ないような気がしたからコレは良い事かもしれないわね。
「よし、アーちゃん。ハヤテが帰ってきたら、とりあえずちょっかいかけるゾ!」
「なぜちょっかいをかけるか理由がさっぱりですが、がってんしょうちのすけですわ!」
二人の異次元な会話を聞いていたら、いつだったかアリスに「住むと決めたからには楽しまないと損だ」とか言われた事を思い出した。 これからのこのアパートでの暮らしがこの二人によって劇的に変わる事を、のんきに焼きそばを作る私は知る由も無かった。
…って、一体私の身に何が起こるって言うのよ!?
おわり
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【あとがき】
あらゐけいいち氏著「日常」3巻と7巻から取りましたネタ。 勢いのみで書いた2年前の事を少し思い出しました。肉まんのお話を読む前でしたね。 もともと連載の筆休め的ポジションで書いたので、一話完結風にするためヒナに登場してもらいました。 細かいお話は合同小説本でいたしましょう。
ご感想・ご質問などお待ちしております。 ありがとうございました。
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