Re: play the game |
- 日時: 2013/10/15 22:09
- 名前: kull
- 明日台風らしいですね。
どうも、試験やらでなかなか更新出来ないkullです。 今までは構想を大体固めてあったので更新頻度が高かったのですが、これからはそうもいきません。 更新が遅くてもお許しください。
夏もそろそろ中盤。 毎年毎年宿題は進まないが、今年はナギや千桜というゲーム友達が増えて例年にも増して進んでいなかった。
「さて・・・・・どうしますか。」
朝起きたものの、眠気がまだ覚めていないと朝食を食べ、食休みと言ってゲームをし、昼食まで食べ終わってしまった。 我ながら勉強へのモチベーションが全く感じられない生活だと思う。 宿題をやらなければ・・と感じながらも俺はまだ居間でゴロゴロしていた。
「・・・ていうか、何で千桜はそんな進んでるの?」
隣で宿題を進めている千桜を見る。 ページ数からみるに、どうやらもうほとんど終わっているようだ。
「何でってそりゃ、日頃からコツコツやっているからだろ?」
「毎日一緒にゲームしてたじゃん!」
「一緒にやってたって言われてもな・・。一応その日のノルマをこなしてからやってるし、寝る前も少しやってるし。」
確かに千桜がゲームをするのは夕食後すぐでは無いし、俺やナギのように夜更かしをすることもあまりない。 千桜が進んでいて俺が進んでいないのは、至極当然のことだった。
「う〜・・ずるいぞ・・・ところで、他の皆は?」
「出かけてしまったよ。残っているのは私と亮介くんだけだ。」
そんな・・・。 これじゃあ綾崎君を頼ることも、マリアさんに勉強を教えてもらうことも出来ない。 これは、今日も進まないパターンだな・・・。
そう考えていると、不意に玄関のインターホンが鳴った。
「・・?。誰だろ。」
暇だった俺はすぐに反応し、扉を開けてみる。 そこにいたのはウチのクラスの瀬川さん、花菱さん、朝風さんのいわゆる3バカと言われている人達だった。
「やっほ〜!遊びに来たよ!」
「違うだろ泉。私達は宿題を教えてもらうために来たんだ。」
「そうそう美希の言う通りだ。・・・・って、君はうちのクラスの立花君じゃないか。何故ここに?」
「いや、まあ色々あって・・・。三人はどうしたの?」
「さっき言った通り、宿題を写しに・・いや、教えてもらいに来たんだ。ハヤ太君とヒナと千桜はいるかい?」
「千桜だけならいるけど・・・・。」
「なんだと・・・・!?予定外だ、どうする理沙!」
「二人もいないのは痛いが・・・仕方ない、我慢するしかないな。」
「えっと、私達、一応教えてもらう立場だよね・・・?」
相変わらず見てて面白い人達だなぁ・・と感心していると、後ろで千桜がため息をついていた。
「もうそろそろ来ると思っていたけど・・・。」
「あ、ちーちゃんだ!今日もよろしくね♪」
「宿題を手伝うのは構わないんだけど・・・・この前から、少しは進んだのか?」
「ふ!勉強大嫌いな私達が自主的に宿題を進めるとでも!?」
「否!進めるはずがないだろう!?」
「だから何でそんな偉そうなの二人とも!」
「まぁいい・・・。とりあえず中にはいろうか。」
「ビザンツ帝国の首都はローマだっけ?」
「違うんじゃないか?確か、ロンドンだった気が・・・・。」
「花菱さん、朝風さん、それどっちも違うから・・・。ビザンツ帝国の首都はコンスタンティノープルだよ。」
「むむっ、本当だ!やるな、立花くん!」
三人が宿題をやるというので俺も一緒に宿題をやろうと思っていたのだが、突っ込み所が多すぎる三人のおかげで全く進んでいなかった。 いや、まあとても愉快で楽しいんだけど。
「亮介君、悪いな。バカの相手を手伝ってもらっちゃって。」
「誰がバカだ!」
「そうとも、この中だったら私が一番頭が良いはずだ!」
「美希ちゃんも理沙ちんもそこまで変わらないんじゃ・・・・」
「はは・・・・まさか、この俺が教える立場に回るなんてね。・・あれ、でも瀬川さん、ここの問題全部正解だよ。」
「ほんと?やったあ!」
「バカな!あの泉が・・・・!?」
「泉!一体どんな裏技を使ったというんだ!」
「裏技じゃないもん!放課後にハヤ太君と一緒に勉強した成果だよ!」
「綾崎君、相変わらずお人好しなんだな・・・。」
千桜は呆れていたが、俺は内心感心していた。 貴重な放課後の時間を使ってまで人に勉強を教えるなんて、そうそう出来ることではない。
「あーもう、やる気が・・・・。」
「うむ、なんだかんだ結構勉強したしな・・・。」
「そうだね・・じゃあ、ここらで少し休憩する?」
「亮介君、そんな甘いことは・・・・」
「休憩さんせーい!」
「休憩賛成!」
「やる気の無い私達に休憩は必要だ!」
「三人もこう言ってるし・・・。ちょっと位ならいいんじゃない?」
「・・・・仕方が無い、少しだけだぞ?」
千桜は不満そうにしていたが、実際には俺も少し疲れていた。 授業の60分ですら集中することが困難な俺には、長時間机に向かうことは中々にハードである。
「じゃあ、私は紅茶でも入れてきてやるから・・・大人しくしてろよ?」
千桜はそう言い残し、台所へ向かう。
「うーん、久々の勉強はやっぱ疲れるなー・・・・って、ちょっと!それ俺のケータイ!」
少し目を離した隙に、花菱さんと朝風さんは充電してあった俺のケータイを覗き込んでいる。 俺は面倒なのでパスワードを設定していない。 まぁ普段は人にケータイを勝手にいじられることは無いんだけど。
「ふむふむ・・・・これが一般男子のデータフォルダか・・。」
「いやあ、ハヤ太君はバカみたいに健全だから、たまにはこういう普通の男子も面白いな。」
「ちょっと!勝手にデータフォルダ見ないで!てか俺そんな面白いの無いよ!」
少し慌てたが、女の子が相手なので乱暴に取り戻すわけにもいかず、別に見られて困るものも無いので好きにさせることにした。 どうせ漫画のキャラの画像ばかりだし、すぐに飽きてくれるだろう。
「なら別にいいじゃないか。・・んー、女の子とのメール履歴は無いようだな。」
「私の情報によると、立花君はいまだに彼女がいたことは無いようだぞ。」
「花菱さん、何でそんな情報を・・・。」
「・・・あれ?このメール、プリクラの機械からじゃない?」
・・しまった。 この前、千桜とプリクラを撮った時にケータイにデータを送信したのを忘れていた。 瀬川さん、そんなとこに気づかないで!
「ふむ、彼女のいない君がプリクラ・・・。よし、見てみよう。」
「え、ちょっと待って花菱さ・・・・!」
「・・・・・千桜とのツーショット?」
時既に遅し。 パスワードくらい設定しておくべきだった。
「おいおい、千桜のやつもスミに置けないな。まさか男子と二人でプリクラを撮るなんて。」
「ち、違うんだ!それはその、ゲーセンでそういうキャンペーンがあって・・・!」
慌てながらも俺は当時の状況を説明する。 焦っていたので上手に説明出来なかったが、なんとか分かってもらえたようだ。
「・・・ふむ。それでそのぬいぐるみを手に入れるために仕方なく二人でプリクラを撮った、と。」
「・・そういうこと!だからほら、仕方無かったんだ!花菱さん、分かってもらえた?」
「うむ。・・・でもその割には、まんざらでもないようだが?」
「う・・まあ確かに、千桜みたいな可愛い女子と一緒に写れるのは嬉しかったけど。」
「そこは素直に認めるんだな。・・・まあいい。君の事情は分かった。」
「ほんと?良かった、説明した甲斐があったよ。」
「うむ。つまり君は・・・千桜が好きってことだな!」
「・・・え?ど、どうしてそうなるの?」
「だってそうだろ?事実、君は一緒に写れたのを嬉しがっていたし。」
「千桜を可愛いとも言っていたじゃないか。」
「いや〜、ちーちゃんも意外にモテるんだね〜!」
「ちょっと!話を勝手に進めないで!」
「おいおい、大人しくしていろと言ったじゃないか。」
紅茶をいれ終わった千桜が台所から戻ってきた。 幸い、今までの会話は聞かれていないようだ。
「いや〜それがさ、立花くんがさ・・・」
「花菱さん!ほら!勉強再開しよ!」
「・・・?何を慌てているんだ、亮介君。とりあえず、紅茶でも飲みなよ。」
千桜に勧められて紅茶を口にする。 動揺して熱くなっていた俺には、その紅茶は普段以上に熱く感じられた。
「今日はありがとね〜!」
「いやあ、今日はマジメに勉強したなぁ!」
「マジメっていっても、途中ふざけてたじゃん・・。」
夕方。 とりあえず妥協点まで宿題を進めたので帰る三人を見送りに、俺は玄関へ来ていた。
「おや?いいのか?そんなこと言っていると、千桜にあのこと言っちゃうぞ?」
「いや、確定事項にしないでよ!別にそんなんじゃないからね!」
「まあ、そう熱くなるなよ。我々とて、人の恋路を邪魔するほど野暮ではないからな。」
「せいぜい頑張るんだな。」
「・・あーもう!ほら、帰った帰った!」
からかってくる三人を俺は強引に外に追い出す。 全く、とんだ勘違いをされてしまったものだ。 こういう時は格ゲーでもして気分を変えよう。
ん、まあ、勘違い、・・・だよな?
どうも、ありがとうございました。 夏休みの宿題って、本当に進みませんよね。
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