Re: play the game |
- 日時: 2013/10/12 00:21
- 名前: kull
- こんばんわ。そろそろ中間テストが始まるkullです。
世界史は覚える量が多くて大変ですね。 作中で亮介が数学をやっていましたが、僕は数学が大嫌いです。
では、本編どうぞ。
土曜日。 待ちに待ったイベントの当日、俺はいつもより早く目が覚めていた。
「早く目が覚めすぎちゃったな・・・。」
こんな朝早く、誰も起きていないだろうと思いながら居間へ向かうと、綾崎君が掃除をしていた。 綾崎君、こんな早くに起きてるのか。早起きだなぁ。
「おはよー、綾崎君。ずいぶん早いんだね。」
「家事がありますからね。何か、お作りしましょうか?」
「ありがとう。何でもいいよ?」
「では、すぐにお持ちしますね。」
そう言い残し、綾崎君は台所へ。 特にやることも無い俺は外で日光を浴びていると、誰かが近づいてくる音が聞こえた。
「おはよ、亮介くん。早いのね。」
「あれ、ヒナさん?随分早いね。いつもこの時間なの?」
「朝はちょっと体を動かしたいから。・・早朝のランニングも気持ちいいわよ?」
よく見ると少し汗をかいているようだ。 なんていうか、健康の塊みたいな人だなぁ・・・。 感心していると、綾崎君が呼びかける声が聞こえた。
「あ、綾崎君が朝食を作ってくれたみたい。一緒に食べる?」
「そうね、じゃあご一緒させてもらうわ。」
「今日はサンドイッチを作ってみました。どうでしょうか?」
綾崎君の持ってきた皿には色々な具材が挟まれたサンドイッチが並べられていた。 一つ取って食べてみる。 カリカリに焼かれたベーコンと爽やかなレタスが見事にマッチしていて、売っていてもおかしくない美味しさだった。
「うん、おいしいよ!これならいっぱい食べられそう。」
「なら良かったです。沢山作りましたので、いくつ食べても大丈夫ですよ。」
「相変わらず、憎たらしいくらいに料理が上手いのね、ハヤテ君は。」
「いやいや、それほどでも。」
相変わらず、謙虚な人だなぁ。 このアパートに来てから綾崎君の様々な凄いところを見ているが、彼が自慢しているところを見たことは無かった。
「亮介くんは、どうしてこんな時間に起きたの?」
「あ、今日は千桜と出かける約束をしてて・・・。」
「あら、千桜と?・・・・もしかして、デートだったりして?」
予想外の問いかけに食べていたサンドイッチを吹き出しそうになってしまった。 な、何を言い出すんだヒナさん!
「ち、違うって!そんないきなり・・・・!」
「え〜?亮介くん、ちょっと顔赤くなってるんじゃない?」
「そ、そんなことないって!」
デートってそんな・・・・。 もしかして、昨日千桜が気にしていたのはそういうことだったのだろうか? 構わないって言ってたけど、大丈夫かな・・・。
「ふふ、冗談よ、冗談!でも、千桜ってあんまり男の子と遊びにいかないから、ちゃんとリードしてあげるのよ?」
「まぁ、出来る限りは・・・。」
「・・・結構人がいるんだな。」
「まぁ、大きいイベントだからね。」
10時過ぎ、俺と千桜はイベント会場にいた。 混むと面倒なので出来るだけ早く来たのが幸いしたのか、入場はすぐにすることが出来た。
「・・・あ、あそこに『ライト&ダークネス』の新作の試遊台あるよ!」
「ほんと?私の使ってるキャラどうなるんだろうなー。」
表面上はクールに装っているが、千桜はどことなくいつもより興奮しているように見える。 ゲームの祭典と呼ばれているだけあり、ゲーマーの血が騒ぐのだろうか。 ・・まぁ、俺もワクワクしてるんだけど。
「・・・あっち、行ってみないか?何かステージでやってるみたいだぞ?」
「あー、新作ゲームの発表かな?」
「おいおい、さっき試遊したゲーム難しすぎじゃないか?」
「最近簡単なゲームが多いからあのくらいのほうが良いかも。」
「ライトノベルに出てくるキャラを使える格ゲーか・・・・斬新だな。」
「千桜が好きなあのキャラも出るかもね!」
「・・・・ふぅ。今回ったとこで全部かな?」
ふと時計を見ると、既に夕方だった。 俺も千桜も夢中になっていて、時間が経つのを忘れてしまっていたようだ。
「もう大体見たし・・・そろそろ帰る?」
「そうだな・・・・でも、まだ少し早いぞ?」
「んー・・・じゃあ、帰りアキバ寄っていい?欲しい漫画があるからさ。」
「アキバ?・・・まあ、いいけど。」
俺と千桜は会場を出て、アキバへ向かうことにした。 別にアキバじゃなくても良かったんだけど、このまま早く帰るのは少しもったいないような気がしたから。 それくらい、楽しんでいた。
「・・・・やっぱアニメイトは凄いな!何でもあるし。・・・・・・さっき話してたのって、バイトの先輩?」
「ああ、そうだよ。頼りになる先輩だ。」
「やっぱ色々なバイトしてるだけあって知り合いも多いなぁ・・でも、俺が挨拶したら落ち込んでなかった?」
「そうか?多分、アニメの録画予約でも忘れたんじゃないか?」
目当ての買い物を終え、駅へ向かって歩いているとなにかの宣伝をしているゲームセンターが見えた。 どうやら、オリジナルのぬいぐるみをプレゼントするキャンペーンをやっているようだ。
「へー、オリジナルのぬいぐるみかー。・・・・・ってあれ、千桜?」
「欲しい・・・・。」
独特なデザインのクマのぬいぐるみだったのだが、千桜は興味津々のようだった。 意外とぬいぐるみとか好きなんだな・・・。
「そんな欲しいなら貰ってこようか?・・・・・えと、これってどうすれば貰えるんですか?」
ゲーセンの入口の店員さんに聞いてみると、店員さんはボードを指差しながら説明してくれた。
「はい、こちらはカップルで来場されたお客様にプレゼントしています!証拠として、ツーショットのプリクラなどをお見せいただければ、プレゼント出来ます!」
カップル。 そう聞いた瞬間、俺と千桜は固まってしまった。 いや、別にそんなんじゃないんだけど!
「え!?カップル・・・?・・・千、千桜、どうする・・?」
「い、いや!別に私達はそんなんじゃないからなぁ!」
俺も動揺しているが、千桜も少なからず動揺しているようだ。 ちょっと顔が赤くなっているのが俺でも分かる。
「で、でもいいの?ぬいぐるみ・・・。」
「う・・・それは・・。」
やっぱりちょっと欲しいらしい。
「・・・・・プリクラくらいなら別にいいけど・・・。」
「え、いいの?・・・じゃあ、その、よろしく。」
「こんな感じかな・・・?」
「これじゃちょっと距離が離れすぎててカップルに見えないんじゃないか・・・?」
「じゃあ、これくらい・・?」
「わ!ちょ、ちょっと近いぞ・・。」
「ごめん!・・でも、今のならオッケーじゃない?」
結局、適度な距離で撮ったプリクラを店員に見せ、ぬいぐるみを貰った。 基本的に格ゲーやらガンシューやらばかりの俺にはプリクラは不慣れなものだった。 そして、多分それは千桜も同じだろう。 ツーショットのプリクラを見た店員は、俺達のことをカップルだと思ったのだろうか。 だとしたら、千桜には悪いことをしたかもしれない。
(彼女なんて、いたことないからなぁ・・・・。)
帰りの電車の中、俺は考えていた。 千桜は疲れてしまったようで、眠ってしまっている。 普通にしているとあまり気づかないが、よく見ると千桜も美人の部類に入るようだ。
(女の子と遊ぶよりはゲームしてるほうがいいと思ってたけど・・・)
(千桜が彼女だったら、楽しいかも・・・・。)
どうも、ありがとうございました。 場面転換が多くて、分かりづらいかもしれません。 もっとスムーズにいけばいいのですが・・・。
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