Re: 大切なヒト(8/25更新) |
- 日時: 2013/08/25 15:57
- 名前: サタン
- 今日は12月24日…クリスマス・イブです。
私とナギがハヤテ君と出会ってから、ちょうど一年。 なんだか、早いと言えば早いような、それでいて…いえ、なんだか何年も経っている気もするのですが、 まあ、気のせい…ですよね?
それはともかく… 例年この時期は社交パーティが目白押しなのですが、 今日はナギのたっての希望で、よそ行きの予定はすべてキャンセル、 お屋敷でナギとハヤテ君、そして私三人だけでささやかなパーティをしようということになりました。 ハヤテ君がお屋敷に来てから一周年と、私の誕生日を祝って、との名目です。 私は自分の誕生日のこと、あまり好きにはなれなかったのですが、 ハヤテ君が折角だから、と言うものですから…結局、同意してしまいました。 あまり好きではないことであっても、想いを寄せる人が祝ってくれるというのなら… それはそれで悪くないような気もしたのです。 想いを決して表に出さないことを決めたのです、せめて…これくらい甘えてもいいですよね?
そう、この気持ち…この想いは、今のところハヤテ君にも、ナギにも…看破されてはいないようです。 まあ、当然ですよね? だってあの二人は、未だに…もう一年も経つというのに、 相も変わらず誤解を抱えたままの¨超¨がつく鈍感さんたちなのですから。
…なんて埒も無いことを思い出しながら、厨房でパーティの為のご馳走の下拵えなどしていると、 背後でドアを開く音がして、
「マリアさん、今夜に向けて何か特別に準備することはありますか?」
ハヤテ君が声をかけてきます。 今日は休日なのでハヤテ君も朝からお屋敷にいるのですが、 彼がいるとお掃除なんかはあっという間に終わってしまうものですから、少し手が空いてしまったのでしょう。
「いえ、パーティと言っても三人だけですからね、少しお料理の下拵えをしたら午後からで 十分ですよ」 「わかりました、ではお庭の掃除などしていますので、 何か御用がありましたら呼んでください!」
こんな、他愛のない会話…こんなところにも、小さな喜びを見い出してしまう… でも、それだけ。 それ以上は、望みません。 これで十分、以前の私よりはきっと、幸せなのですから。
…でも、ちょっとだけ悪戯心。
「でもいいんですかハヤテ君?」 「え、何がですか?」
そして…多分、少しだけ…
「だってハヤテ君、今日はクリスマス・イブですよ? 誰か一緒に過ごしたい人がいるんじゃないですか〜?」
その¨誰か¨に対する嫉妬から。 勿論、そんな思いを顔に出したりなんかはしません。 あくまでも¨年上のおねーさん¨としてちょっと悪戯っぽく、なのです。
「な、何を言うんですかー! そんな、別に…そもそも今日はお屋敷に出る予定はありません!」
あらあら、真っ赤になっちゃって…なんだかいつもより可愛いですね〜 これは、なんかこう、もうちょっと…
|
|